表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/76

58話:エカテリーナがメンズを自慢するときに流れている曲




わたしは ネオネオリョウ君



というわけで、3年の月日が流れました。

何を言っているのかわからねーと思うが、僕もいつまでも子供じゃ居られんのですよ。


わしだってはよ自由恋愛したい!異種族のおねいさんとあっちっちな恋したいんじゃ!

それをまぁ〜うちのモン娘達は邪魔ばっかりしおってぇ・・・!!

ただでさえガキの身体では打率も低いのに!その少ないチャンスを悉く邪魔しおってからに!


まず、大人になることが突破口になる筈だ。

大人になれば有無は言わせない。誰と恋愛しても結婚しても魔物に文句は言わせないずぇーー!!


ついでに大人になると、冒険者になれる!酒だって飲める!風俗にもイケる!他の街にも行けるし、その街の風俗にもイケる!全ての国を旅し、全ての風俗にもイケる!

孤児のくせにパーティーは優秀なんでな!現ナマはあるのだよ!

勝ったな ああ・・・




まぁまぁ、ウホッ!っと大人のいい男になっているとかそんな話は置いといてですね。あの悪霊の屋敷制覇の偉業を達成してから3年も経ちましたか。

あそこまで派手な事は無かったが、堅実に冒険をしてきましたね。


フィリップさん、エリオとリタ、勿論セリスやモン娘達とも冒険しましたよ。

まぁパイマーンから行ける場所だけですけどね。湿地帯とか、お馴染み迷いの森とか。

最近までオシリ山も行ってたし・・・あ、そうそう。アヌルスにも行った。


アヌルスは、ドワーフの独立領の街。そしてアヌルス鉱山という大規模ダンジョンがある事で有名な場所だ。

当然行きましたよ。その為に行ったんだし。ちんまいアヌルス美女達に後ろ髪を引かれながらね。


えがったなぁアヌルス・・・。

この世界の人間から見たら年寄りなんだろうけど、ぼくから見たら合法ロリだからね。声掛けたお嬢さんが80過ぎた婆さんだったとかマジびっくり。興奮するから、逆に。

寧ろエルフやドワーフは100歳超えてから本番でしょ。だが、この世界の亜人の寿命って人間と変わらないらしいんだよね。だから100歳超えの亜人は、マジの長寿の婆さんな訳だ。

青少年達の夢を壊す世界の理だよね。でも安心してください。長寿のエルフやドワーフも居るらしいのよ。会える日が来ればいいんだけどねぇ。



・・・そんな事より、アヌルス鉱山の方ですよね?

風情溢れる山奥の遺跡みたいな、あっちの世界だと世界遺産になっているような場所だったな。


出て来た魔物は、岩の魔物とかトカゲの魔物とか食虫植物の魔物とか。

やっぱ噂通りゴーレムが多かったな。最初は全身岩でできたゴーレムだったんだけど、途中から鉄でできたゴーレムが出て来たり。

イムは終始ゴーレムと殴り合いしてたんだけど、絶対戦い方おかしかったよね?あんな力だけ極振りしたような魔物と力勝負してたよ?

・・・まぁ、メイコも岩をカタナで斬ってたし、ピノも蹴りで岩を粉砕してたし。ルシルに至ってはおたまで鉄のゴーレム陥没させてたもんな。

この世界なら普通ですよ。普通。いつか僕も出来るようになる日がくるんですよ。見とけよ見とけよ〜。




というわけで先述の通り、堅実に冒険してたんですよ。

つまりは3年間、レア種にも上位種にも会う機会は無かった。

ゴーレム娘もリザードマン娘もアルラウネ娘も遭えなかったんですよ〜。つらたん。


進展があったとすればあれだ。やっと自分が持っている幾つかのアイテムの鑑定をして貰ったんだ。

なんか、冒険者じゃないからってめっちゃ待たされたんよな。この時だけは、セリスだけでも冒険者登録しとけばよかったと激しく後悔した。



場所は冒険者ギルドのとある部屋。

実績ある信頼のギルド職員の鑑定士3人と、僕とセリス。モン娘達まで来る事はないだろうと、セリスと2人で行って来た。



まずは、あのレア種ミノタウロスのドロップアイテム、群青色の液体が入った小瓶だ。


鑑定の結果・・・魔導具、無限に出てくる染料。


らしい。

・・・冒険には一切役立ちそうにない。ないが、結構チートなアイテムじゃないだろうか?

無限だよ無限。無くならないって凄くね?染物屋になれってか?群青色にしか染められねぇけどな!

鑑定士さんに言わせると、かなりいいモノらしい。売ったら結構な値段がつくだろうってさ。

そりゃそうよな。無限だし。染物屋大歓喜よ。



次は、レア種オヤマノモンキーのドロップアイテム。

マスタ君が作った人工のレア種らしいが、ドロップアイテムはしっかりあった。

極太の骨だ。さぁ、これはどんなアイテムなんでしょ?


鑑定の結果・・・魔導具、無限に出汁が取れる骨。


らしい。

・・・また無限?今度はラーメン屋になれってか?

あれぇ、おかしいなぁ?無限ってそんなに凄くない?

いやでも無限に味が出るんでしょ?・・・興奮したルシルにでも噛ませておこうかしら?

売ったらいい値段するってよ。まぁ無限だしな。ラーメン屋・・・は無いから、メシ屋大歓喜よ。



続いて、仕込み杖!

今はメイコが使っていて、使わせてみた感じは何も無いが、実は凄い魔導武器に違いない!!

なんたってあの仕込み杖だよ?さあ!鑑定結果ちょうだい!!


鑑定の結果・・・武器、特殊な能力無し。


えぇ・・・。マジか。わしの刀がただの武器・・・。

ま、まぁ刀には違いないしな。特殊な能力は無くとも、カッコよさは振り切ってるからな!



後はモン娘達が落としたドロップアイテムが特殊なアイテムだろう。だが、これに関してはモン娘達が性能を知っているから鑑定してもらう意味はない。

でも興味本位でイムの落とした指輪だけ鑑定してもらった。

イムが言うには、身体が少し柔らかくなるらしいが・・・。


鑑定の結果・・・魔導具、防御小上昇


・・・あら?っとなる謎の鑑定結果を頂いた。

身体が柔軟になるという事は防御力が上がる事だったのか?

確かに柔軟性があれば防御力が・・・いや防御力というより、身体を動かしやすくなったり、怪我しにくくなったり色々あるだろう。


この結果を知った鑑定士の方々は、中々良い品を手に入れたねと褒めてくれている。

なんでも、ステータスの上がるアイテムは武器防具だとよくあるが、装備出来るのは1つだけ。いくらでも装備できるアクセサリーの類いの魔導具が出ると、良い物という評価になるそうだ。

小上昇でもか?効果は重複するらしいので、コレを後全指に9個つければいいのか。戦いにくくてしょうがなさそうだ。



鑑定を終え、外で待たせていたイムにも確認をとってみた。

僕と指輪を交互に見ながら、たっぷりと間を置いてイムは言った。


「実は、そう・・・・・・だった。」


・・・実はってなんだ?隠してたのか?


何かおかしい。

イムだけでなく、僕が背負っている麻袋を見てルシルもあたふたしているし、メイコも美人が台無しなレベルのしかめっ面をしている。


試しに、ポケットに入れていたピノのドロップアイテムである羽根を本人に見せる。

ピノは羽根を指差し、


「あーーー!!?何か変わってるー!?」


と叫んだ。


・・・皆の話を整理すると、どうやらドロップアイテムの性能が変わっていたらしい。

過去形である。そしてそれを僕に言われて今気付いたと。

変化(へんげ)の時と一緒で、言われるまで分からないのか。そういうものとして考えればいいのか、実はモン娘という奴等がうっかりさんの集まりなのか。はたしてどっち?



それぞれのアイテムをモン娘達に説明させた。


イムの指輪は、身体が柔らかくなるのはそのままに、少しカチカチになったらしい。

・・・ふむ。何を言っているのか分からん。

柔らかいの対義語は硬いですよ?なんで共存しているんです?

いや、イムは何がカチカチとは言っていない。つまり私のアソコが・・・いやいや、いつもカチカチですよ?


ピノの羽根は、もっと高くジャンプ出来るようになったらしい。

・・・ふむ。指輪以外も鑑定してもらえばよかった。


ルシルの麻袋は、中の空間が広がったと。

流石ルシルさん。1番分かりやすい。

容量はこれくらいだと、ボディーランゲージで説明された。

流石ルシルさん。おっぱいぷるんぷるん。



メイコのドロップアイテムは、毛糸玉だ。勿論、蜘蛛の糸でできている毛糸玉だ。

メイコは何故か、自身のドロップアイテムを隠し持っていた。自分自身に効果があるものだったから、持ってていいかと思って、僕に言って無かったらしい。

なんでやねん・・・確かに忘れていた僕も悪いんだろうが。


メイコ自身は蜘蛛の糸が殆ど作りだせないが、このアイテムを補助に使うと普通のアラクネのように糸が作りだせるらしい。

だから変わらず、普段からずっとメイコが持っている。

今迄ドロップアイテムは僕が受け取っていたので、異色のアイテムである。


そのメイコの毛玉も変わっていたらしい。

糸が皮になるそうだ。


・・・・・・は?

糸が皮・・・?いや糸は糸だろ、どこまでいっても。


これを言うと、メイコが哀しい顔をした。

卑怯だよ。そんな顔されたら何も言えない。いつものように罵倒された方がいいわ!寧ろそっちがいいわ!!


まぁ取り敢えず、糸を皮に変えれるらしい。

魔法のある世界だし、珍しい事でもないだろう。

メイコの武具作成の能力とは頗る相性がいい変化だ。作れるものの幅が広がり、戦力がアップされるだろう。



さて、何故モン娘達のドロップアイテムは変わってしまったのか。

イムとピノのアイテムは実感が無いので、実は元からこうでしたと言われても分かるが、ルシルとメイコのアイテムは明らかな変化があるので、アイテムは確実に途中で変化を起こしている。


アイテムの変化、そのきっかけは何だったのだろう?

何かヒントになるような事があればいいんだけど、今回はそれが分からないんだよな。変わった時期とか、魔族(ルシル)だけ変わらなかったとか。

そんなはっきりとしたヒントが全然無い。

魔導具が何もしてないのに性能が変わってしまう。なんて話は聞いた事がない。セリスも知らないと言ったし、後でフィリップさんも聞いたが知らないと言った。


本来なら、レア種の魔物を倒す事で手に入る物だ。レア種が生きている状態でドロップアイテムを手に入れているのは、この世界で僕が初めてだろう。

だとしたら前例のない現象になるか。

そもそもクラスからして前例が無いからな。今まで前例の無い事だらけだったじゃないか。

僕の勝手な予想としては、親密度的なもので変わったりするとか?後はモン娘達のレベルで変わったりするとかかな。




ああ、そうそう。

3年も冒険漬けの毎日でしたからね。レベルも結構上がって、皆の能力も変わったんですよ。


まず僕はめっちゃ便利なものを手に入れた。



とくぎ:言語理解、誑し込み、よそ見、変顔、念話(従魔)

まほう:

とくせい:成長付与



相変わらず、僕のレベル含めステータスは文字化けしていて分からないのだか、とくぎの欄に念話(従魔)というものが増えていた。

メイコを倒した後、急にモン娘達から心を読まれるようになったやつがそれである。

あの時はこのスキルの存在を知らなかったから、心の声がダダ漏れだったっぽい。意識をしてみると、必要以上にモン娘達から心を読まれる事はなくなった。


ただし括弧内の通り、言葉を飛ばせるのは従魔だけ。エリオやリタ、フィリップさんには何も伝えれない。

セリスにも伝える事は出来ないが、セリスは元々心を読むのであまり関係ない。寧ろ読んで欲しくない事まで読むので、卑しか娘ばい。


そして念話というのは、送信しか出来ない。

声を出さずに会話をしようと思ったら、双方が念話のスキル持っていないと出来ないのだ。

僕とナノマシン体内通信ごっこが出来るのはルシルだけ。

その事実を知ったルシルは、一人で勝手にオーガズムに達していて非常にドン引きだったが、それをよしとしないモン娘が現れた。

わしの第一の従魔であるイムちゃんである。



とくぎ:変化(へんげ)Ⅱ、超吸収、触手、念話

まほう:

とくせい:物理無効



この3年で1番変わったのがイムだ。

まずは念話の習得。これによって僕と体内通信ごっこが出来るようになった。

だがイムは大して喋らないし、大した事も言わない。

それでも、会話無しで意思疎通が出来るのはヤベースキルをゲットしたと思う。


そして変化(へんげ)Ⅱというスキル。

これが表示されてから体積変化というスキルが消えたので、結合されたんだと思う。

確かにイムの変化(へんげ)はちょっと他のモン娘より異質かも。ゲバルド氏みたいなガチムチになったり、デカい立方体になって質量まで変えてたし。


超吸収は文字通り、吸収の速度と量が上がった吸収の上位スキルだ。

コレのおかげでヨハンナママが喜んでいた。最近は食料でもない、ただのゴミまで与えているらしい。・・・まぁイムがいいなら、僕から言う事は無い。



次はセリスだ。



とくぎ:

まほう:火属性Ⅱ、風属性Ⅰ、光属性Ⅲ、回復Ⅳ

とくせい:女神の祝福



レベルは順調に上がっているが、スキルにほぼ変化はない。

だが回復がⅢからⅣになっていた。

セリス曰く、この回復がⅣになった事で蘇生魔法が出来るようになったのだろうという事だ。

悪霊の屋敷でのレベルアップが無かったら、フィリップさんは死んだままだった。いつ回復がⅣに上がったのかは分からないらしいが、メイコを倒したのがイムで本当によかったと思う。


しかし、スキルにⅣなんてあるんだな。Ⅲが最高だと思ってた。

他にもⅣを手に入れたやつが居る。当然ルシルだ。



とくぎ:気配察知Ⅳ、気配遮断Ⅳ、変化(へんげ)、念話

まほう:風属性Ⅲ、水属性Ⅲ、土属性Ⅱ、氷属性Ⅰ、時属性Ⅲ、瞬間発動

とくせい:魔狼の頂点



ルシルは、気配察知と気配遮断のスキルがⅣに上がっていた。

だが回復のように実感のあるスキルではないので、どれくらい凄くなったのかはよく分からなかった。

あと地味に毒弱点が消えていた。地味だが弱点が無くなるのはいい事だ。


それより、ルシルはレベルが上がるのが遅い。

イムが16も上がったのに対し、ルシルは4しか上がってない。

元々強いからレベルはあまり関係ないけど、ちょっと気になる。

ルシルは孤児院で留守番も多かったからな・・・最高戦力を雑用に使うなんて、贅沢になったもんだぜ。


次はピノ。



とくぎ:浮遊、不可視の爪、羽根硬質化、変化(へんげ)

まほう:風属性魔法Ⅱ、雷属性魔法Ⅰ

とくせい:土属性無効、雷属性耐性、氷属性弱点



風属性魔法がⅠからⅡへ。

そしてなんと雷属性魔法を覚えたのだ。更にそのおかげか、雷属性は耐性に。

めっちゃくちゃ意外なものを覚えた。ピノに雷のイメージはないのだが・・・。


・・・いや、ピノの得意技はライダーキック。そして雷。

そうか彼女は、7番目・・・城さんになるつもりか!?

こうしてはいられない。結城さんに義手を着けないと!神さんはライドルスティックだ!山本さんは大切断練習しよ!なっ!!



最後にメイコ。

・・・はレベルは上がったが、特に表記は変わっていない。

まぁメイコも順調に強くなっているよ。

僕に新しい服まで作ってくれた。しかも、ソレをミノタウロスのドロップアイテムで染め上げてしまうくらい腕が上がった。


次はパーティーメンバーの外套を作ってくれているようだ。

楽しみではあるが・・・ミノタウロスの墨で染め上げた外套をみんなで着ると、謎の群青色集団になってしまう。

メイコに意見は言いづらい・・・黙ってみんなで群青色になってもらおう。

僕なんか服まで群青色だぜ?親指グンジョーかっつーの。





◆◆◆





・・・さて。

何回も言っているが、僕ももう14歳。

5歳からこの世界に来て、9年。

自分で言うのもなんだが、逞しく育ちましたよ。


春にはフィリップさんがAランク入りを無事達成。次の段階に入る為、パイマーンを去って行った。

春の花が散り、熱い夏も過ぎ、稔りの秋が来た。

その間も、仲間達とサボる事無く、レベル上げをしまくった。


成人までもう数ヶ月だ。

この世界では誕生日を祝う習慣はあるが、そこで歳が1つ増える訳ではない。世界中の人間が4月1日に一斉に歳を重ねるというシステムだ。

だから、僕もカティもエリオもリタもマルタも、みんな一斉に4月1日で成人となる。


当然だが成人になったら、僕は孤児院を出るつもりだ。

生まれ育った街を離れ、仲間達と色んな場所に行き、世界を見て回る。

夢のような冒険の旅をするつもりだ・・・。






突然だが、カティを覚えているだろうか?

本名、エカテリーナ=トクレンコ。通称カティ。

大変お世話になった、司祭様とシスターヨハンナの一人娘。


今フッと思い出すと、鼻水と寝小便のイメージが強いバカタレだったが、4年前に会ったカティは見事に成長していて、思わずキュンとしてしまうような美少女だった。

まぁ声のデカさと馬鹿さは相変わらずだったけど・・・。


孤児院を出たら、取り敢えず王都に行く予定だ。

そこで会う事になるだろう。



それと彼女は、僕とパーティーを組みたいとも言っていた。

だがね、あれは子供が言っていた口約束だよ?

そんな幼い頃に結婚の約束をしちゃってて大人になっても覚えていた幼馴染からあんたあの時の約束覚えていないの?とかそんなテンプレみてーな事ねーから。

じゃあ本気にしてカティに話してみようか?え、何の事?ってドン引きされた日には、もう生きていく自信無いわ。崖があったら綺麗なフォームで飛び込みたいね。


しかも、ちょくちょく送ってくる便りにはね、楽しそうに学友達とパーティーを組んでいる様子も書いてあるのだ。

そりゃそうだよ。こっちで僕達と居る期間より、学園に居る期間の方が長いんだからね。


だから学園でパーティーメンバーを見付けていても不思議ではない。

それどころか結婚相手まで決まっているかもしれんぞ。クラスが伝説級のクラスなだけにな。


・・・だから、一応だ。

約束うんぬんは置いといて、一応は顔を見せに行くくらいはするべきであろう。

こっちは既に6人も居て、悪いなカティこのパーティー6人乗りなんだと、謝る事にはならない筈だ。

あら悪いわねこっちのパーティーも6人用なのよと、カティ以外はイケメンパラダイスのメンズを5人連れたパーティーで現れる筈だ。


・・・そう、多分、大丈夫だ。

あの怪力が5年でどこまで成長しているのかとか心配する必要なんてない。上昇率3倍なんてバケモノのようなスキルは無かった。いいね?




・・・・・・あぁ。でも違うんだろうな。

待ってるんだよなカティは。手紙を見るとよく分かるんだ。

僕との冒険を楽しみにしている。手紙が送られてくる度に、その気持ちが膨れ上がっているのが分かる。


最初の手紙はいつだったか・・・。

8歳の時、ハーピーの軍団が街を襲撃した時が初めてか?

あれ以前もマルタがやり取りしてたと思うが、僕が見たのはあの手紙が初めてだったかな。


内容は他愛も無いものだったと思う。ホムト君という金持ちの魔導カメラを使って、初めて写真を送って来ていたくらいか。



この後もホムト君は毎回のように出てきては、魔導カメラをカティに貸してくれている。

一緒に写っている人は毎回違ったが、ホムト君は毎回写っていた。

で、カティの顔は毎回ブレて写っていなかった。

アイツは何か呪いでも受けているのか?



変化があったのは10歳の頃か。

カティと再会し、クラスを授かり、またカティが学園に帰ってから数ヶ月後の便りだ。


手紙には、クラスを得たから街の外での授業が始まった。写真の人達は、その授業で組んでいるパーティーメンバーだと書いてあった。

写真を見ると、顔がブレたカティとホムト君。それと上級生であろう男女3人が写っていた。


相変わらずホムト君はキメ顔で写っている。

という事は魔導カメラをエサにカティとパーティーを組んだのだろうか。

隣に居る男女は、カティやホムト君よりは身体が出来ているので上級生だろう。男の一人は胸に手を当て、敬礼までしているがなんなんだ?


まぁ1番気になるのはカティだろう。

顔は潰れてるのでどうでもいいが、コイツの持っている武器が問題だ。

この時のカティには黒い三戦士からカツアゲした金を持たせている。そしてその金で武器と下着を買えと言っていたのだ。

カティは単純(ばか)だから、言われた事は言われた通りにやる。だから写真にはその金で買ったであろう武器が写っている。

腰にはあの魔剣を差し、左手に鞭を持って、右手に鎖鎌。背中に斧と槍を背負っている。


・・・なんだこのフル装備は?

そう、この馬鹿が金を持ち、言われた事を言われた通りにやった結果がこれである。

何処に向かうつもりなんだこの馬鹿は?屍人でも殲滅しに行くのか?

何故ホムト君達は注意しない?授業だよね?先生居るよね?

いくらクラスが勇者だからって遠慮する事ないんだよ?いつでもケツを引っ叩いていい。



その後に送られてくる写真にはマルタが写るようになった。

マルタは無事に学園に入学し、カティと会えたようだ。

笑顔で写真に写るマルタとリュドミラちゃん。・・・カティは相変わらず顔が写ってないが。




しかし、その微笑ましい光景が突然終わった。

11歳、僕が悪霊の屋敷を制覇してから幾分か過ぎ、冒険にも活発に行っていた時期に送られてきた便りである。


手紙には、一緒に組んでいた人が卒業したため、授業で組むパーティーメンバーが変わったと書いてあった。

写真には当時のメンバーであろう男女が写っている。

今まで当然のように写っていたホムト君も、マルタも居ない。

写っているのはカティとリュドミラちゃん。そして見るからにいけ好かない4人の学生。

見た目、装備などは様々。元気な男の子と女の子。


まぁいけ好かないと思うのは僕の勝手な感想。写真に写っている雰囲気だけで決め付けているだけだ。

コイツらはカティとリュドミラちゃんが決めた、信用出来る子達なのだろう。腕前だってかなりのものなのかもしれない。


・・・だが写真に写っているリュドミラちゃんの顔は怒りに満ちていた。

一見、顔が見えないカティ以外は笑顔で写っている微笑ましい写真だろう。笑顔のリュドミラちゃんの横に居るデブは、リュドミラちゃんの腰に手を回している。


だが僕は知っている。このリュドミラちゃんの笑顔は猫をかぶっている顔だ。

きっと心の中では、「テメェの粗チン後で引っこ抜いてやるですの!」と思っているに違いない。

・・・リュドミラちゃんなら隣に立たれた時点で、この身の程知らずのピザにご褒美をくれてやっていると思うんだけどな。

何故猫などかぶっているのか?


・・・もしかしてコイツらが、リュドミラちゃんが言っていた貴族のフニャチン達か?

なんだよ・・・カティには指一本触れさせないって言ってたのに・・・。

まぁこれでも頑張ってくれているんだろう。今回のパーティーメンバーの件はどうしても回避できなかったのかもしれない。

学園に行く事すら出来ない僕が文句を言う資格はない。




次に大きく変化があったのは、13歳になりたての春に来た便りであった。


手紙には、組んでいた4人とようやく解散する事ができ、新しくパーティーを組めたと書いてあった。こんな風に書くという事は、カティもあの4人は嫌だったようだ。

そして更に、今回のパーティーメンバーは最高だと書いてある。

どうも書いてるうちに興奮していったようで、手紙の後半は何を書いているのか分からない。

マルト君って誰だよ。初めて見た人の紹介も滅茶苦茶なので内容が支離滅裂だ。

それくらいは興奮するくらい最高だったようだ。

僕が学園でパーティーメンバーを見付けているだろうと思う理由はここにある。

・・・けっして願望ではない。そうであって欲しいとかそういうのでは。


写真には6人の男女が写っている。

相変わらず顔の潰れたカティと復活したホムト君。マルタまで写っている。

そして初めて見るエルフの男と、獣人の少女と、ドワーフの少女。


リュドミラちゃんは居ないのか?

リュドミラちゃんの事だから、何か理由があって身を引いたか。

それだけ前回の4人より、信頼出来る人物達なのかもしれない。


3人の亜人の方々はシュリ先輩とヴィリー=フリートン先輩、モチさんという名前らしい。

多分シュリ先輩というのは、このドワーフの娘か。

かわいい。会いたい。この見た目で先輩?マジ会いたい。会えるのは2年後かなぁ。成長してないんだろうなぁ。ドワーフだからね。マジ生命の神秘。おヘソも太腿も大胆に見せて!かー!あざとい女ばい!


でこのクソイケメンがヴィリーさんか。

・・・ちょっと嫉妬とか通り越してるな。エルフとはこういうものか。しかも名字があるから貴族。かー!無敵かよ!オラに遺伝子を分けてくれ!!

後、名前もイケメン。特に“ヴ”の部分。

“ブ”とか“ビ”じゃないんですよ。”ヴ“ですよ。“ヴ”。僕の名前もリョヴとかにしようかしら?言い難くて仕方ねえけど。


で、という事は、この獣人の娘がモチさん・・・?

モチ・・・名前はモチでいいのか?

いや、実はコッチがシュリ先輩でドワーフの娘がモチな可能性も微レ存。

まぁどちらにしろ、モチという名前が存在してはいるらしい。

いやいや、まだ分からん。カティの手紙が滅茶苦茶過ぎて、モチが本当かどうかも分からないのだ。アダ名がモチなのかも。それはそれでヒドいが。


まぁまぁ。名前はどうだっていい。会えるかどうかも分からないからな。

兎に角、カティやマルタが楽しそうならそれでいい。

・・・ふむ。マルタはあまり育ってないな。将来は大きく育つと思ったのに・・・。



更にその年の秋が終わろうかという頃。

今度はカティからの便りではなく、ゲバルド氏が王都からある物を持って帰って来た。

小さな水晶玉が数個と、少し大きめの機械?だ。


・・・なんとコレ、魔導ビデオというらしい。

水晶玉を機械に嵌め込むと、機械から映像が映し出されるらしい。

て事は、この機械はビデオデッキ兼プロジェクター?水晶玉はフィルム?

魔法ってスゲーよ。


して、その水晶玉に保存されている映像は何か。

王都で2年に1回行われている武術大会の映像と、毎年やっている学園主催の武術大会の映像だそうな。


ほー、定番のイベントやね。いいじゃん。

まぁ僕は絶対出ないけどな。チートでもくれているなら出るけど。



という訳で、ディーノ氏を呼んで上映会となった。

何故おやぢ2人と僕で見てるのかって?

そりゃ、アレよ。魔導ビデオの存在がバレたら他の事に使えないからさ。

よお〜し、あとでヨハンナさんにチクっとこ。


まずは、学園主催の大会の映像からだ。

当然、出場する選手は在学生のみの大会である。学園物ならビッグイベントの1つだな。






・・・という訳で、優勝はエカテリーナ選手でした。

圧倒的。

他を寄せ付けない強さであった。


カティの試合は決勝も含め、全試合1分も掛かっていないしょっぱい試合ばっかりだった。

これにはゲバルド氏とディーノ氏も苦笑い。

やはり勇者というクラスがどうとか言っているが、僕だけはその強さの秘密を知っている。

そりゃあ勇者な上に、人の3倍の成長してたらこうなるでしょうと。

学園には強い奴も当然居るだろう。だが所詮は15歳以下までの奴等だ。ガキの頃から馬鹿みたいに強くて、世界を救うクラスを得て、女神様からチートを授かったカティが負けるわけがない。



取り敢えず、僕は“上昇値3倍”の経過が見られたので満足。

席を立とうとしたら、ゲバルド氏に止められた。これからが面白いのだぞと。


なんでも王都の武術大会は、オシリ王国だけでなく世界中の猛者達が集まる、世界一の武術大会らしい。

世界中の人々が王都に集まって、1週間くらいお祭り騒ぎするそうだ。

あっちの世界でいうオリンピックみたいな感じかな。


正直、興味は無い。

さっきも言ったが、チートでも授かってれば定番のビッグイベントなんだけどな。

自分がチート無双できない武術大会に興味は無い。

ましてや、出場している選手は世界の強い奴等。顔を知らなければ、名前も勿論知らない。

これがオリンピックなら自国を応援してりゃいいんだろうが、オシリ王国出身者を応援するのも何か違うよな。

こんな大会に出れる奴なんて、知っているのは隣のおやぢ2人くらいだ。

・・・因みに、隣のおやぢ達は過去に出場経験がある。

ちゃっかり優勝もしているらしい。ゲバルド氏が1回と、ディーノ氏が2回。

闘技場に行けば、銅像も建っているとか・・・この人達、いくつ偉業を成し遂げてんだろう・・・。



やれやれ。せめて美女でも見付けて応援するか。

この世界の事だから、強くて美女なんて珍しくないだろう。


・・・・・・おおっ!!?この娘めっちゃ可愛い!!!!

名前はエカテリーナ=トクレンコちゃんかぁ〜。




・・・・・・っておい!?こっちにも出てるの!!?

嘘だろ!?さっきの学生同士の戦いとは違って、こっちには大人も出るんだぞ!!?


世界一の奴を決める武術大会に・・・カティが・・・。

13歳だぞ!?そんな事、あるのか!?

あっちの世界でのオリンピックはどうだった?確か・・・それくらいで金メダル取ってた子がいたような・・・。

でもこっちは武術大会だぞ?勝負になるのか?


いやでもゲバルド氏が面白くなると言っていた。

実の親がそう言ってるんだぞ?上昇値3倍を信じろ・・・勇者を信じろ・・・。



この映像は、武術大会の最後の項目。

大会中、最も盛り上がる最後の1日。予選を勝ち抜いた8人のトーナメント方式での試合。

つまりここに写っているカティは、ベスト8まで残ったと言う事だ。

・・・ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!出場者の総人数を聞きとうない!!!

きっと10人くらいしか集まらなかったんだ!カティはラッキーで予選を突破したんだ!!チャパ王クラスの人とは当たらなかったんだ!!



僕の葛藤を無視して、映像ではカティの1回戦が始まる。

相手は、青い外套と青いターバンを巻いた剣士。

おやぢ達の話では、最近台頭してきた青竜教のレアクラス“魔法剣士”の男らしい。

・・・青竜教って格好まで青くしないとダメなのか?まぁ分かりやすくていいけど。


対するカティは・・・装備はいつかのフル装備ではなく、鉄の剣と魔剣の二刀流。防具も胸当、脛当、腕当をつけた真面目な女剣士の格好だ。

・・・これはカティのコーディネートじゃないな。誰かがやってくれたに違いない。多分、マルタ。やはりマルタを送り込んだのは正解だったようだ。

でも、腰に鎖鎌がまだ残っている。・・・まぁ意表を突くにはいい武器か。


試合の方は、防戦一方になっている。

魔法剣士が放つ魔法で、カティは近付く事が出来ないようだ。

くっ・・・イライラするなあ。相手のリスク管理が上手い。これは攻撃当てるのに苦労するぞ。

カティは浅い傷をいくつも作っているようだが・・・おっ!?カティが光に包まれて傷が治った!

カティは無事に回復魔法を覚えたらしい。


回復魔法を見た魔法剣士が接近してきた。

持久戦は不利と思ったのかな?この魔法剣士は試合前に相手の戦い方を調べてないのだろうか?

もしくは回復魔法を見せたのが、ここで最初だったのかも。


どちらにしろ魔法剣士は近接戦を選んだ。そしてそこからカティが巻き返し始める。

あれだけ冷静な立ち回りをしていた魔法剣士が、カティのパワーに押され出した。

魔法剣士は距離をとろうとするも、その前にカティの一撃が胴体に入り、真っ二つに・・・はならずに、胴体に剣が食い込む。


どうやら特殊な魔導具により、この戦いで死ぬ事はないらしい。

・・・死ぬ事は無いが、死にそうな思いはするそうだ。

現に魔法剣士の男は、糸の切れた人形のように倒れ、動かなくなる。

あれで本当に死んでないのか?一体どういう魔導具なんだろう・・・。


アナウンサーらしき人に紹介されたカティが手を上げて答える。

対して敗者には、大会スタッフらしき人等と青ずくめの集団に囲まれていた。ホントに青色ずくめの宗教なのな。ハッピーハッピー教かよ。


おやぢ達がカティと魔法剣士の事で語り合っている。

吾輩の剣の教えが良かったとか、いやいや私の娘だぞとか言っているけど、あんたら6歳までしか一緒に居なかったやんと。

カティは王都に居るほうが長いんだよな・・・そう思うと、この世界の教育は大丈夫なんだろうかと心配になる。

まぁ、10歳の神託があった時とかビデオの中の姿を見ていると、立派に育っている。

ふむ・・・出るとこ出て来たなと・・・。


いやいや、そういう意味じゃないから。



カティの1回戦が終わって、続いて2〜4試合が流れている。

う〜ん、そうだなぁ・・・強そう(小並感)

俺なんか足元にも及ばないな。カティは凄い世界に生きている。



いよいよ5試合。カティの準決勝。

相手は・・・優勝回数3回。王国一の騎士。生きる剣の神様。元王国騎士1番隊隊長。

・・・などと、映像内のアナウンサーが次々と二つ名を言っている中、厳つい顔の中年が堂々と入場してくる。


・・・そうね。ファンタジーにはよく出て来るものですよ、剣神なんて御大層な肩書を持った御人は。

是非、詳しく教えてもらえませんかおやぢ達よ。どうせ知っているんでしょう?


カティの対戦相手はアントニオ=ピッコリ。

ゲバルド氏やディーノ氏の元同僚の方。おやぢ達とは違って王国騎士一筋の忠誠心の塊のような男だそうだ。

剣の神様だと大層な名前が付いているのは、騎士団の特別顧問として働いていて、大勢の弟子を輩出しているからという事らしい。

王国一の戦士だと言われているのは、ちょっと納得いかんそうだ。知らんがな。


・・・いやいや。あいつより吾輩の方が剣の神とか、だったら私の方が拳の神とか、もうどうでもいいねん。

問題は王国一の騎士だと言われているレベルの人物だって事だろう。さっきの、らんぼうなしんじゃとはワケが違うぞ!



あああ始まっちゃったぞ!

また防戦一方じゃないか!?今度は近接戦闘で!

さっきは接近戦で巻き返したんだぞ!?ここで負けてたら、もう勝ち目無いじゃないか!!

せ、せめて大怪我だけはしないでくれ!


カティは押されてはいるんだが、なんとか凌いでる。

・・・ああッッ!?やっぱダメだ!!吹っ飛ばされてるじゃん!!


吹っ飛されたカティだったがすぐに立ち上がる。

だが右腕を脱力したようにダランと垂れさせている。吹っ飛ばされた時に落とした鉄の剣を拾おうともせず、左手で魔剣を構えた。


あああああ!やりやがったあのオッサン!?嫁入り前の娘をキズモノにしやがって!!わしに嫁ぐんやぞ!!?

片手で勝てる訳ねぇ!降参してくれい!!


僕の願い届かず、映像の中のカティは大声を上げて気合を入れた。

カティが跳躍する!



・・・・・・あれっ!?2人共背中合わせで残心してんぞ!

おいっ!カメラマン!ちゃんと撮れよ!!

兎にも角にも、これはよくある遅れてダメージが来て、どっちかが倒れるやつ!どっちが勝った?



・・・・・・カティが地面に突っ伏した。

しかも魔剣まで折れている。・・・これは、完全に負けたみたいだ。


だがアントニオという人も無事ではなかったらしい。

持っていた剣を落とし、左腕を押さえて膝を突く。

カティは右腕を持って行かれたが、逆に左腕を持って行ってやったらしい。

転んでもただでは起きなかったようだ・・・今は顔面から倒れたけどな。

パンツも丸出しなところがカティらしい。真剣な試合の筈だが、しっかりオチをつけている。



・・・あぁ。終わったか。

やっぱり無理だよな。まだカティは若過ぎるよ。


次の試合が始まろうとしているが、もうどうでもいい。おやぢ達が熱く語り合っているが、会話に入ろうとも思わない。

何が、これからが面白いだ。大怪我してんじゃねーか。

まぁ、死ぬ事がなくなるような高位の魔導具を使っている大会だ。優秀な回復魔法使いもいるだろうし、治してくれるんだろう。


結局、カティの3位決定戦は、カティの棄権。

カティの順位は4位に終わった。

因みに、アントニオさんも決勝を棄権。

優勝はアントニオさんの一番弟子の若い騎士だった。






・・・そして、今現在。

魔導ビデオを最後に、カティの便りは来ていない。

正確には、魔導ビデオはゲバルド氏が王都から持って帰ったので、それよりちょっと前のカティが送って来た手紙が最後か。


約1年か・・・。

こんなに手紙が来なかった事は今迄無かった。


・・・むぅ。ピノに返事を書かせていた事がバレて、嫌われたんだろうか?

だってぇ、現代人の僕に手紙なんて小っ恥ずかしいんじゃもん・・・。メッセージアプリとかが手っ取り早くていいのに。


やはり僕とパーティーを組みたいと言っていた事は忘れてしまったのだろう。

カティに会える日は近付いて来ているのに、気持ちはドンドン離れて行っているようだ。

・・・世界大会で4位だしな。学校の関係者だけに限らず、パーティーに誘う奴は沢山いるだろうし。



僕はなるべくカティの事は考えないようにした。

成人してからは孤児院には居られない。そして、冒険者になって生きていくのなら、王都には間違い無く行くだろう。

カティには否が応でも再会する。何回も言うがその予定だ。



・・・・・・そう。思ってたんだけどな。

どうやら少し前倒しになったらしい。

あれはそう。パイマーンの街全体で行われる、秋の収穫祭の最中。

彼女が突然、王都から帰って来たのだった・・・




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ