43話:ゾンビ「ふっ! くだらん技だ!」
とまぁ、なんやかんやあって無事にセーブポイントに着いた訳だが。セーブポイントである部屋も、相変わらず豪華な造りの部屋な訳で。
高そうな装飾品が一杯あるんですよ。ソファー、机、照明。本や花瓶。銃とかライターとかワイングラスまで。ここまでの道のりでも絵画だったり壺だったり、高そうな美術品が一杯あった。
僕等は冒険者だ。泥棒じゃない。
でもここはダンジョンだろ?持ち主なんて居ない訳だ。だったらここに沢山ある美術品は持って帰って売ってしまっていいんじゃないか?
そう思ってフィリップさんに聞いてみたのだが・・・。
「それは出来ないんだよリョウ君。ダンジョンにある物は、ダンジョンから出ると消えてしまうんだ。例外は宝箱に入っていた物、魔物の素材と、落としたドロップアイテムだけだよ。・・・あぁ、あとダンジョンコアとダミーダンジョンコアもそうだね。」
そうなのか・・・。ダンジョンにある物はダンジョンの物って訳ね。
じゃあアイテムボックスに入れてダンジョンを出てみるってのは・・・無理だろうな。
別にアイテムボックスだって持っている人は居る。そんな方法があるならこのダンジョンの装飾品は根こそぎ無いだろう。
「まぁねぇ・・・。どうせ持ち出せたところで、こんな物を買ってくれる人が居るのかねぇ。これなんて使い道分からないし。」
そう言って、フィリップさんは銃を手に持つ。
洒落た彫刻が施してあるリボルバーだが、レプリカだろうか?もしかして、本物?
銃はかつての勇者パーティーの一人、忍者のマジマンが使っていたと聞いたが、あまり知られていない事なのだろうか?
まぁもし本物だったとしても弾丸がいるな・・・この屋敷だと、その辺にいくらでも紙箱で落ちてそうなものだが、そんなもんある訳無いか・・・。
「ご主人様。ご夕食ができましたよ。」
ルシルからお呼びがかかる。
今日はこのセーブポイントで一晩明かす。ルシルには夕食を作ってもらっていた。
ルシルも最初は料理なんて出来なかった。魔族だから当然だろう。
しかし、僕に仕えるメイドとして色んな家事を憶えたらしい。料理もその一つで、今では孤児院でも一番の腕前である。
偶にとんでもないドジを踏むが、基本的に優秀な奴なのだ。勉強する時間があれば何でもこなしてしまうだろう。
因みにセリスは料理が出来ない。孤児院の料理当番では戦力外通告を受けている。
セリスにはもっと活躍出来る場があるよ。そうだな・・・お色気とか、お色気とかな。あとお色気も。
「凄いね・・・アイテムボックスがあって、料理出来る人が居ると、野宿でもこんな食事が出来るんだねぇ。」
そう言って、フィリップさんがルシルが装ったスープを飲む。
僕のスープだけ明らかに具が多い・・・まぁいいか。
僕も食事は保存食を齧る程度だと思っていた。
だがうちのメイドがそれを許さず、あんな消化の悪い物ばかり食べさせられません!といつものように猛っていた。
それにルシルは最初、僕に飲食店で出る食事と同等の物を召し上がってもらう!と訳分からん事を言っていた。
野宿でそんなもんが出せる訳ねーだろと思ったのだが、魔法を使えば可能だと言うのだ。
その方法とは、時属性魔法で時を止め、孤児院の調理場まで走って戻り、料理を作った後、再び走って此処まで持って来るというパワープレイである。
アホかと。馬鹿かと。そもそもいくら魔族でも魔力が足りねーだろと言うと、生命を削れば可能だと言う。
呆れてものも言えん。野宿での食事の為に生命を張る馬鹿が何処に居る?此処に居ました。
大体、野宿には野宿の醍醐味ってのがあるだろう。
別に食事なんて保存食でいいのだ。カッチカチのパン?干し肉?上等じゃねーか。寧ろ、外で食うならそういう物の方が食べたいよね。
それでもルシルは文句を言うので、カセットコンロのような火の出る魔導具を買い与えた。魔石を入れれば、火がいくらでもでる。優れものだ。
この魔導具で、さっきスープを作ってもらったのだった。
これだけでも十分助かるというのに。
「ルシル、スープ美味しいよ。ありがとうな。」
「はい、ありがとうございます。おかわりもありますから、一杯食べて下さい。ご主人様。」
みんな美味しそうにスープを飲んでいる。
ふと思ったのだが、従魔達は人間と同じ食べ物を食べても平気なのだろうか?
ペットなんかは、塩分を取り過ぎるとよくないと聞いたんだが・・・まぁ魔物だしなぁ。
それにこの娘達は人間にもなれるんだし、問題無いと思う。
しかし、イムはよく食うな。
あいつがお腹いっぱいだと言うのを聞いた事がない。
てゆうか、食っているのだろうか?吸収は食事になるのか?
なんでもかんでも吸収しているが、摂取したカロリーは何処に消えているのか?
なんて羨ましいんだ。前世の僕がそんな能力を持っていたら、体重に悩まされる事も無かっただろうに。
そんなわがままボディをほしいままにしているイムは、今は部屋にあった宝石箱のような小箱と格闘していた。
セリスから、中に何か入っているかもしれませんよと言われたイムは、力任せに開けようとしている。
まぁどうせダンジョンの外に出れば消える物だ。開いたところでって感じだな。
自分の体に入れて、箱だけ吸収すれば早いのに。
◆◆◆
翌朝・・・・・・か?
建物の中なので分からない。
魔物形態のルシルを枕にして寝ていたのだが・・・腰が痛いわ。
憧れていた野宿のスタイルだったが、もうやめようかな。
・・・と、ルシルに伝えたのだが、この世の終わりのような顔をして落ち込んでしまった。
魔物形態であんな表情が出来るのは凄いが、何故枕にされていた側の方が残念がるのだろうか?
まぁ、ルシルだからなんですが。
野宿でも酒を飲んで寝坊したおっさんを叩き起こして、捜索を再開する。
今日の予定は4階まで一気に行き、最上階のボスが復活しているか確認、その後、宝箱のあった場所をチェックしつつ、出口まで戻る事になった。
ダンジョンのボスとダミーダンジョンコアってのは偶に復活するそうで、それが攻略済みのダンジョンが初心者の修行にいいとされる理由の一つでもある。
まぁ偶にだよ。
運が良くないと会えない。宝箱と一緒だ。
勿論、宝箱もボスも無し。ボウズで終わる事なんてしょっちゅうある。
この世界に冒険者は腐る程居る。ゲームみたいに宝箱が手付かずで残ってるなんて事は無いわなぁ。
セーブポイントの部屋を出ると、すぐに魔物が現れた・・・いや、すでに現れていた。かな。
廊下に2体のゾンビが寝ている。
・・・これは死んだフリのつもりだろうか?
え?何の意味が?
某ホラーゲームなら、ただの死体かゾンビか見分けがつかず、近付いたところを急に襲われビックリするなんてのはお約束だが・・・このダンジョンだと魔物なのがバレバレである。
人間の可能性も絶対ありえない。何故なら、ポイズンゾンビはちょっと可愛くデフォルメされているからだ。
目ん玉ぽろーんだし、腸はみ出てるし、血とか緑色だけど、愛嬌ある顔してんだよな。キモいけど。
どうもこの世界のホラーはこんな感じらしい。
バ○オの世界観じゃなくて、マ○オのオバケ屋敷的な感じだわ。
でもまぁコワいもんはコワいけどな。おいピノ、頼むからゾンビの首をこっちに向けるな。
「ご主人様。そこの部屋にもゾンビがいます。数は3ですが・・・ポイズンゾンビとは違うようです。」
哀しき習性?のマヌケなゾンビ達を倒すと、ルシルがそんな事を言ってきた。
「じゃあ、マイコーゾンビじゃないかな。リョウ君、行ってみるかい?」
そういえばゾンビは2種類いると言っていたな。まだ会ってないし、勉強のために見ておくか。
しかし、マイコーってのはなんなんだ?ポイズンなら毒を持っているんだなって分かるんだけど。
部屋を覗く・・・ゾンビが3匹。踊ってる。
スゲぇ!キレッキレじゃん!めっちゃ上手いぞ。
でも何処かで見た事あるダンスだな・・・・・・あぁ、やっぱり。マイコーってそういう・・・。
やっぱどこの世界でもゾンビって踊るんだな。
ぜひダンスセッションと洒落込みたいところだが、僕の半端なダンスでは彼等の足を引っ張りかねない。
あぁ、悔しい!レベルが違い過ぎる!!
因みに、近付いたら普通に襲って来た。
全然ダンスセッションとか不可能やん!!
せめて従魔にならないかな・・・・・・立ち上がらないよね。そうだよね。
やっぱレア種のメスを探すしかないか。
◆◆◆
危なげなくダンジョンを攻略していく。
宝箱の発見はないが、3階への階段には到着できた。
勿論、梯子だったので、僕は一番最後に上がる事を希望。
よしよし、今日はパンツ履いてるな。
うっひょー!イムたん縞パンですか?
・・・ん?あれ?何処で手に入れたあんなもの?イムの衣服は僕がお金を出しているんだし、把握してない下着があるなんておかしいじゃないか!?
おぉ、ルシルよ、お前は無理にパンツを見せようとしなくていい。ロングスカート故、最初から期待してないのだ。
ピノは相変わらず見えない。どうなっとるんだあのスカートは。
2階に上がる時にはイムの生尻が見えたから叫んだのだが・・・あの時3匹とも逃げたから、全員パンツ履いてなかったって事だよな。
あのね君達、下着だけはたのむから着けてくれ。それをしないとただの無法の集団になっちゃうから。
セリスが上がる時には光魔法で目が眩まされた。
うおっまぶしっ!!こいつ、こんな事にMP使いやがった!!
3階に上がり、3階の地図を用意する。
悪霊の屋敷の実質的な最上階であり、過去に宝箱があったというマークが多く地図に記されている。
その中に変わったマークが何個かあった。これは何だろう?
「あぁ、これは魔物召喚罠のマークだよ。」
と、フィリップさんが教えてくれる。
魔物を召喚・・・?まぁ罠って言ってるし、良いものではないだろう。
「魔物召喚罠は最も広く知られていて、最も危険な罠だよ。罠に掛かると、大量の魔物に囲まれてしまうんだ。絶対近付かないようにね。」
あぁ〜。所謂モンスターハウスってやつだ。
そいつは危ねぇわ。近付かんとこ・・・ん?でも・・・。
「でもフィリップさん。これ罠なら、前にこの場所に行った人が解除しているんじゃないですか?」
「罠にも解除出来るものと出来ないものがあってね。この魔物召喚罠は出来ないものの方だね。比較的、ここのダンジョンは解除出来る罠ばっかりだったみたいだから、今までは罠を気にする必要なかったんだけど。」
なるほどねぇ。
まぁ罠があってもルシルがなんとかするんじゃないかな。
「ただ・・・やっぱりというかなんというか。魔物召喚罠を抜けた先に宝箱の発見報告があるんすね・・・。」
苦難の先には宝箱がある。これはもうRPGではお決まりのようなもの。
ただまぁこの世界だとどうだろうね。モンスターハウスを死ぬ思いで抜けても、宝箱は無いかもしれない。
仲間の事を考えれば、行かない事が正解だろう。
ルシルを始め、強力な仲間達ではあるが、魔物に囲まれれば何が起こるか分からない。
最悪誰かが死ぬなんて事も・・・。
「・・・リョウさん。私達がここの魔物に後れを取る事はありませんよ。リョウさんの好きに行動して下さい。」
嬉しい事言うじゃないか、セリス。
・・・ルシルが、それは私が言う筈だった台詞です!なんて騒いでるが無視しよう。
「フィリップさん。その魔物召喚罠、行ってみようかなと思います。」
「それは・・・・・・。確かに、勉強にはなるかもねぇ。このパーティーなら大丈夫だと思うけど・・・覚悟は決めた方がいいね。」
二日酔いのおっさんが真顔になった。
これも依頼の内だと思ってくれたのだろう。魔物召喚罠にも反対せず付いて来てくれるそうだ。
自分から死地に飛び込んで行くのか・・・。
いや、仲間を信じよう。大丈夫な筈だ。
いざとなったらルシルの時魔法があるし。
目的の場所に到着し、扉を開ける。
広い部屋だ。いかにもって感じだな。
魔物なんて居ないみたいだけど・・・魔物召喚罠っていうくらいだし、突然出て来るのか?
「ルシル、何処に行けば魔物が出て来るか分かるか?」
「は、はいっ!?・・・はい。それはでございますね・・・・・・あの、部屋の真ん中あたりが魔法っぽい感じがします。」
・・・何だこの煮え切らない答えは?ルシルらしくもない。
怖いのか?いや、んなわけないか。
「ルシル、罠があるかどうか分からないのか?」
「・・・・・・。 はい、そうでございます。お役に立てず、申し訳ございません。」
そういえば、ルシルのスキル欄に罠を見破る的なものは無かった気がする。
敵の気配を察知する能力が凄いから、クラス盗賊と同じ役割が出来るだろうと勘違いしてたわ。
「いや、これは従魔の能力を把握してなかった僕が悪い。」
「そんなっ!!ご主人様は悪くございません!!」
あーもういいって、土下座の体勢に入らなくていい。
ホントにそれやったら何でも解決すると思ってねぇか?必殺の寝技だと思ってねぇよな?
「まあまあリョウ君。ダンジョンに罠なんて殆ど無いからね。それくらいにしてよ。・・・まぁ、忘れた頃にあったりするから困るんだけどね。」
何で僕が宥められてんだ?別に怒ってねぇよ。
そしてさらっと恐ろしい事を言うフィリップさん。
それってやっぱり罠の探知は重要って事な。いやー、良かったねぇ。今回が練習で。
さて、お喋りはこれくらいにしよう。
いよいよ罠を発動させてみよう。
・・・とその前に、一つ提案が。
さっきルシルが言ったように、罠が部屋の中央にあるのならば、踏まないように部屋の隅を歩けはいいのではないだろうか?
もしくは宙に浮いているピノに任せてもいい。
みんなの強さを疑っている訳じゃない。
だが、戦わずして宝箱の確認が出来るなら、それに越した事はないじゃないか。
・・・・・・まぁ無理らしいんですけどね。
この部屋の中間辺りまで行けば、中央でも隅っこでも罠は発動するらしいですわ。
勿論、宙に浮いていても発動するようで。
じゃあ頑張って幅跳びしても無理じゃん。ブブカでも行けないよ。あっ、あの人高跳びか。う〜ん。
せめて隅っこを通り、壁を背にして戦う作戦が採用された。
壁からくる魔物なんて居ないからね。すでに罠があるって分かってる側の特権だな。
あの見掛け倒しのゴーストのレア種でも来ない限り大丈夫だろう。・・・・・・あれ?来ないよね?
そろそろ部屋の中間だ。
僕の手を握るルシルの手が強くなる。
部屋の空気が変わった。
明らかに重くなった。
何処からともなく黒い煙が立ち込める。
黒い煙から魔物が這い出て来た。
魔物というのはこうして生まれてくるものなのか。根拠は無いがそう思えた。
数は・・・20匹くらい居るだろうか。
ポイズンゾンビが多いが、シーツゴーストやアラクネ、ヘビーマンの姿も見える。混合部隊だ。
口火を切ったのはセリス。
魔物の出現前から用意していたであろう光魔法を、一番近いポイズンゾンビに放った。
レア種のミノタウロス相手に放った光のビームだ。
ビームの魔法はポイズンゾンビの頭部を穿ち、その後方に居た魔物も一緒に貫いた。
それに続いて、イムとピノも動く。
イムは自慢のパワーで敵を蹴散らす。
ピノは風魔法と羽根の攻撃で、魔物達を足止めしてくれている。
それでも、数で勝る魔物達はじりじりと此方に近付いてくる。
近付いて来たポイズンゾンビの1匹をフィリップさんが受け持ってくれる。
うちの従魔達程の攻撃力は無いようだが、ポイズンゾンビをしっかりと抑えている。
アラクネが此方に糸を飛ばしてくる。
狙いは僕。なんで!?
な、何かで受けなきゃ・・・そうだ、剣で!
そう思い、剣を構えていると、ポイズンゾンビの腹がパカッと開き、何かが吐き出される。
や、やべぇ!キモッッ!!!絶対ヤバいやつだあれ!?
あたふたしていた僕だったが、その2つの攻撃は僕には届かない。
隣に居たルシルが鍋の蓋とフライパンでしっかり攻撃を受け止めていた。
そ、そうだ。ルシルが隣に居たんだった。
この状況で、こんな安全な場所なんてないだろう。
ルシルは間接攻撃をしてきたポイズンゾンビを睨むと、鍋の蓋を投げつけた。
凄まじい回転を掛けられて投げられた鍋の蓋は、ポイズンゾンビの頭をスパッと半分にしてしまった。
す、スゲぇ・・・鍋の蓋って気円斬になるんだな・・・。
一匹、一匹と減っていく魔物の群れ。
偶に攻撃は飛んで来ているが、全て防いでいる。
後れを取らないなんてもんじゃない。相手になってないじゃないか。
最後の魔物がセリスのハルバードに斬られる。
敵は全滅。此方の被害は、フィリップさんとピノが少し怪我をした程度だ。
それもセリスの回復魔法であっという間に治してしまった。
「まさかここまで強いなんてね・・・。本当に僕って付いて来てる意味あるのかねぇ。」
フィリップさんが僕達の強さに驚いている。
当然だ。僕も驚いているからな。
あれだけの数、あっさり倒しちゃってるが、ここの魔物はパイマーン周辺の森よりも強い筈だ。
ルシルは当然なのかもしれないが、セリスとイムが明らかに強くなってる。
はぁ〜。やっぱレベル上げって大事だな。
僕は最初の城の周りをぐるぐる回ってレベル上げするタイプなんで。は?早く魔王を倒せ?知らんがな。僕はレベルを上げるんだよ。今買える最強の武器防具を揃えないと絶対次の町なんて行かないからな!ファンタジー北島に憧れてるんで!
セリスとイムとフィリップさんに魔物の死体から素材を剥いでもらっている間に、ルシルとピノと一緒に次の部屋に行く。
宝箱の発見報告のあった部屋だ。
罠まで踏んで来たんだ。宝箱くらいあっても・・・・・・あっ!!?あった!!!!
「うおおおおおお!!?た、た、た、宝箱!宝箱だよな!あれっ!?」
「お、おちょ、落ち着きなよリョ〜君!ま、まだ中身見るまで分かんないでしょ!?」
「ご主人様もピノも落ち着いて下さい。」
2階のセーブポイントのような、色々な装飾品のある部屋だが、その中にいかにもな赤と金の宝箱があった。
部屋の中央にデンッと置かれている。
これを宝箱と言わずして何と言う。間違い無く宝箱だぁっ!!!
「い、いいか?開けちゃうよ?いいんだね?本当にいいんだね?ファイナルアンサー?」
「い、いいよ!おっけー!・・・え?ふぁ、ふぁいなる?何て?」
「楽しみでございますね。」
おおおおおっ!!開けるぞおおおおお!!
ドリャーーーーー!!魔剣よ!こおおおおおおおおおいッッ!!!!
「えっ・・・何これ?草?」
「これは・・・薬草でございますね。ご主人様、おめでとうございます!」
ち・・・ち・・・チクショーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!
おめでたくねーーよ!!!
な、何で草・・・何で薬草なんだよおおおおおお!
こんなもんただの雑草じゃねーかっ!!!
こらっピノ!!宝箱に当たったって仕方ないんだよ!宝箱に罪はねぇ!!
うおあああああああああ!!!僕の人生初の宝箱がああああああ!!
うわあああああああああああああああん!!




