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2話:異世界転生




「はぁ・・・はぁ・・・着いたぁ。いやー筋肉欲しい。私にも筋肉を。ルナ様のような上腕二頭筋が。」


孤児院の水瓶に今日何杯目かの水をいれる。少し離れたところにある井戸から水を汲んで運ぶのが、僕ら3人の仕事だ。

細腕なので正直しんどい。でも人手不足なのだ。子供だけでもやらねばなるまい。



僕の名前はリョウ。


この前6歳になったばかりで、髪の毛フサフサの将来イケメン間違いなしの美少年である。

いやぁーイケメンは罪だなぁ。世界中のショタコン達が私に血眼。コラコラお嬢さん方、私はみんなのものですよ。誰かのものになったらみんなが悲しむよ。私はみんなを愛しているよ。みんなハーレムさ。ウホッ!タマランチっ!



「リョウ、また変なこと考えてたろ?早く終わらないと遊べないよ。」

「ふっ・・・エリオット君。イケメンはいろいろ忙しいのさ。仕方ないね。」

「リョウってイケメンなの〜?悪くは無いけど〜、ボクはエリオの方がイケメンだと思うな〜。」

「そこ。事実を言うんじゃない、傷つくだろ。私の心はワレモノなんだから、大切なお荷物の破損などを防ぐためダンボールなどの資材で梱包していただく必要があります。」

「え?だんぼーる?・・・意味わかんない・・・。」

「リョウって難しいことよく言うよね〜。でもそんなところが素敵なんだけど〜。」

「残念ながら男同士はNGなのだよ、リタ君。」



私の貴重なもっこり妄想を中断させた罪深い真面目君は、エリオット。

私には及ばないがイケメンだ。背も頭一つ分高い。将来はもっと高くなるだろう。畜生が!イケメンはみんなタンスの角に小指ぶつけて爪剥がれろ!


もう一人、人をおちょくっている様な間延びした声で、危険な発言を繰り返し、僕とエリオットの後ろを狙う男の娘はリタだ。

てゆうか、こんな男か女か判らないキャラがもう二人も出たんだが大丈夫だろうか?


ちなみにリタはバッチリ男だ。コイツは僕かエリオットのお風呂のタイミングで必ず一緒に入ってくる。ある意味ご褒美だが、怖い。

だから見たくなくても見ることになる。可愛らしい男のシンボルがちゃんと付いている。ちなみに僕のも可愛らしい。まぁ、私のは将来ビックマグナムになることは確約されているので安心さ。乞うご期待。


男の名前は捨てたらしい。孤児院来てからリタと名乗っているので本当の名前は知らない。

リタは茶髪をツインテールにしている色黒の子で、めっちゃ美少女だ。

美少女?いや男だ。

服なんかも女物しか着ない。今日はスカートを履いてる。

タマランチ!だが男だ。


ちなみにわたくし、さっきから男だ男だとちゃちゃを入れておりますが、男の娘は非常に大好物であります。

日本に居るときにどれだけ2次元の男の娘を愛したか。私の守備範囲は広いのですよ。

しかしそこは二人ともまだ幼い。同い年とは言え、そこは我慢ですよ。イエスロリコン!ノータッチ!!

ロリコン??

イエスショタコン!ノータッチ!!


てゆうか、リタがマセガキ過ぎるんだよ。6歳なったばっかりだ!って言ってんだろ!!もう何年か自重しろ!



とまあ、自分を棚上げしてるうちに、水汲みは終わった。今はちょっと休憩中。


「はい〜、二人共〜。お水だよ〜。」

「ありがとう。リタはいいお嫁さんになるぞ。」

「や〜ん♡プロポーズだぁ〜♡」

「え・・・リタは男だよね・・・。」

「愛は時として性別を越えるのさ。エリオット君。だがリタ、テメーはダメだ。年を考えなさい。」

「愛には年齢も関係ないよね〜。」


言うじゃないかコイツ。めちゃくちゃにしてやりたいが、逆に僕の大事なアースホールがズタズタにされそうだ。

ルナ様といいリタといい、全く勝てる気がしない。・・・トラウマになってないか?コレ。



「そういえばリョウ、またルナ様の悪口言ってただろ?司祭様も仰っていただろ?天罰が下るぞって。」

「あぁ〜。リョウが前に言ってた〜、ルナ様がムキムキマッチョだってやつ〜?まだ信じてるの〜?神殿で女神像見たでしょ〜。」






・・・そう。この世界の女神様は筋肉モリモリマッチョマンではないのだ。

僕が見た女神像の女神様は、とんでもない美女だった。



リョウは激怒した。


それはみんなで神殿の大掃除を手伝っていたところだ。

司祭様に女神像を見せてもらったのだ。

司祭様が説明をしてくれるが、全く耳に入ってこない。

大声で叫ばずにはいられなかった。


「Fuooooooooooooooo!!こんなの女神じゃNeeeeeeeeeeeeeee!!」


リョウは力説した。


いかに女神様がマッスルかと。いかに女神様が黒光りかと。いかに女神様の笑顔が暑苦しいかと。

司祭様はお顔が真っ赤てプルプルしているし、奥さんのシスターも珍しく大慌てだ。

エリオとリタはポカーンとしてるし、もう二人の知り合いの女の子も、僕のあまりの迫力に泣き出す始末。他の人も阿鼻叫喚だ。


「ば、バカものがぁーーーーー!!!」


元騎士であった司祭様の拳骨が脳天に落ち、暴走したリョウは止まった。

当時五歳児のリョウにはやり過ぎなお仕置きですが、仕方ないね。

勿論、気絶から覚めた後もたっぷりとありがたい説教をされましたとさ・・・。






「いやー。司祭様は強敵でしたね。」

「・・・助けてもらっておいて何言ってるんだよ。子供だからって理由でなんとか済んだらしいけど、下手したら死刑とかあったんじゃないかな?」

「流石に死刑までは・・・あ〜、どうなんだろうな・・・。」


この世界に来てからまだ1年くらいだろうか、孤児院から出ることは殆んど無いし、まだ分からんことが多い。


でもさあ、許せないじゃん!

なんで僕が・・・

な ん で ぼ く だ け が ! ! !

あんな女神様じゃないと駄目なのか!

女神様なんて2次元じゃ超萌キャラじゃん!なんでこの世界の住人だけいい思いするんだよ!

僕だってあの白い世界で、美人の女神様に優しく介抱してもらって、優しく回復魔法かけてもらって、飲む力が出ないんです女神様つって優しく口移しでカルピスもらって、優しく慈悲深く丁寧に異世界の説明してもらって、優しくチートもらって、優しく異世界転生してもらって、最後には異世界でハネムーンですね女神様つってその辺のドラゴンに股がって出発したいよ〜ぅ。



こんな筈ではなかった。

どうしてこうなった?

何が駄目だった?

いや変態過ぎるのが駄目だろ。やかましいわ。


異世界転生ってもっとこう楽しく旅とかするだろ。なんでこんな所からスタートなんだよ。

何にも出来ないじゃん。孤児院から出ることはほとんどないし、毎日毎日奉仕とゆう名の雑用ばかり。

大切な友達もできたが、別に元の世界にも居たわ友達くらい。男の娘は流石に居ないが。


剣の練習もしたよ、司祭様に教えてもらってだ。

元の世界で剣など持ったこと無い初心者だ。上手くいくわけない。そして才能も無さそうだ。同い年5人組の中で一番弱い。

エリオとリタには普通に負けるし、カティにはひっくり返っても勝てない。あのマルタにすら一回も勝てない。どんだけ弱いねん。



・・・はぁ。あの時の選択は間違いだったのだろうか・・・。いや間違いでは無いはずた。現にこの1年全く日本に帰りたいと思ったことはない。

・・・薄情だなぁ僕って。まぁ大丈夫でしょあの家族ならほっといても。


人生やり直さしてくれるって言うんだし、それも元の世界の31年の知識と経験付きだ。まあ、この世界で役に立つがどうか分からんが。


気楽に行こうよ。気楽に・・・・・・。





◆◆◆





「貴方の思っている通り、私は神ですわ。これから貴方の行く世界ではルナと呼ばれています。」


カルピスおいちい。生き返るわー。

やっぱ神様だったらしい。いや、まだ自称だな。一応そうゆうことにしておこう。

そしてルナ様と言うらしい。筋肉だるまにぴったりな美しい御名前ですね。


「・・・まぁ肝が据わっているのは良いことですわ。さて、私は貴方の居た世界ともう1つ、マルスルナという世界の管理者をしています。」


へ〜。


「私は散発的にマルスルナへと貴方の世界から人を転移、もしくは転生して送っています。そうしないとマルスルナは滅びてしまうからです。」


おっ!王道ぽいな。

その何故、人を送らないと滅びてしまうのか理由が知りたいですルナ様。


「・・・もう喉は治ったのでしょう?喋ったらどうですか?・・・マルスルナは貴方の想像通り、魔法の使える世界です。それ故に貴方の世界と違い、大気中に魔力を存在させないといけないのですが、それがいけなかったのでしょう。魔物が発生する世界となってしまいました。」


はは〜ん。そして何故か、異世界に行ったらステータスが高くなる此方の世界を人間を送って、魔物を間引かせようって感じかな?


「・・・察しが良いですね。説明の手間が省けますわ。但し付け加えますと、ステータスが良いとは限りませんし、1年も持たない方も沢山いましたよ。」


えぇ・・・そんな簡単に死ぬの・・・。


「そして、魔王、魔族といった魔物の中でも力の強い者も少なからず居ます。序盤から目をつけられないように気を付けなさい。また適性のあるものを見付けないといけませんからね。」


気を付けろって、どうしようもなくねぇか?

もし最初の村で魔王が襲撃してきたらどうするのよ?勇者が居るからつって村を壊滅させるんだよ?僕も壊滅だわ。

都合良く変身呪文が使える幼馴染が身代わりになってくれれば生き残れますか?あ〜んでも死んじゃうじゃんその娘。


「そこまでにしておきなさい。」


あっはい。



そういえばまた適性がって言ってたな。

そういえば僕って選ばれし者なんだよな。ムフフ。

女神様、その適性ってのはどういう人にあるのですか?


「・・・何の役にも立たず、居ても居なくても世界に影響の無い人間です。」


・・・・・・。


「んふふっ。冗談ですよ。ルナちゃんジョークですわ。」


声だけ聞いたらギャップに萌死しそうだが、如何せんあのマッスルボディですからね・・・。鏡見てから言えっつーの。それに、神様なんだし高齢なんだろ?何がルナちゃんジョークだよ。


「・・・そうですか。では転移を開始しましょう。魔王の領地のど真ん中で良いですね?魔王城の門の前までサービスしましょう。頑張って魔王を倒して来なさい。どんな無様な死に方をするか楽しみですわ。」


僕はその場で31年間で一番高いジャンプをする。デブとは思えないくらい跳んだ。

そのまま土下座だ。地面に頭を擦り付ける。もっと薄毛になっても構うものか!

これが人間の奥義、ジャンピング土下座だ!

有名なあのドクターだってこれで何回も許して貰ったんだ。行けぇ!私の頭!もっと薄くなれぇっっ!!






・・・で、若くて美しいルナ様仏様。僕を魔物の脅威から守る為にどんなチートを与えてくれるのでしょう?


許してくれた。流石のルナ様もジャンピング土下座にはびっくりしたのだろう。ちょっと狼狽えてた。かわい・・・くはない。

最後には髪の心配までしてくれた。ルナ様マジ女神。



「・・・貴方は転移と転生どちらが宜しいですか?」


そうですねー。31歳で転移されても先が無さそうなんで、どちらかというと転生ですね。


「・・・妥当な判断でしょう。もう貴方に適合する者は見つけてあります。後は転生するだけですが、直ぐに行動できる訳ではありません。転生後は記憶に障害がありまして、5年間は前の記憶が戻りません。」


なるほど。・・・どうゆうことですか?


「・・・貴方は5歳から次の人生がスタートすると思いなさい。」


そうですか。ちなみにどんな奴に転生するんでしょう?


「・・・冒険者夫婦の間に生まれる子供ですね。何もなければリョウと名がつくでしょう。」


おー凄い。同じ名前なんだな。そうゆう奴の方が適合しやすいってことなのかね?



そういえば、スルーされたんですけどチートの方は何を・・・


「・・・それでは、転生を開始します。」

「えっ!ちょっ!チートは!?」

「しっかり喋れるではありませんか。一々心を読ませないでもらえますか?」

「え・・・いやそれは・・・そ、そんな事より何か能力貰えるんじゃないの!?」

「そんな約束はしておりませんが、能力ならもう与えてあります。」


な、なーんだ脅かしやがってー。ちゃっかりやってんじゃん。流石女神様。さすめが。


「ちなみに、どんな能力なんですか?」

「マルスルナの言語を理解する能力です。」


えっ!?えぇ・・・。

そりゃ言語理解能力なんて王道も王道だし、必須の能力だけどさぁ。それで1個能力あげましたってカウントしたら駄目だわぁ。

もっとこうさぁ〜あるだろ?

とんでもない身体能力手にいれるとか、剣の達人になれるとか、魔法を全属性上位魔法で打てるとか、それが全部できる成長チートとかさぁ〜。アイテムボックスに鑑定、ネットスーパーとかスキル強奪なんかも有名じゃん。


その中のどれか1つでいいんだぜ?何も無いんなら死んじゃうよ。こちとら平和な日本で暮らすただのおっさんだぞ。


「・・・諦めなさい。その様な能力を与えるのは、疲れるのでめんど・・・此方の負担も大きいのです。」

「え・・・疲れるし面倒って言おうとしたよね?疲れるだけでいいなら頑張って下さいよ。」

「貴方の前に転移した人間達が、沢山の能力を与えた筈なのに1年程で死んでいくのです。」


先輩方なに余計なことしてくれちゃってるのぉぉぉ!!?


「酷い方は3日で死にました。能力で強くなったことで調子に乗って、単独で魔物蔓延る森に入り、最後は魔物に会うこと無く、遭難で死にました。」


そうなんですか?アホ過ぎるだろそいつ。


「ですので、魔力の無駄遣いです。貴方は無しで行きなさい。」


絶対すぐ死ぬやつじゃ〜んそれ、先輩方の後追うやつじゃ〜ん。


「・・・安心なさい。マルスルナでは全ての人々が、10歳になるとクラスが決まる神託を受けます。人々は私の神託を聞き、クラスを与えられ、そのクラスと共に人生を歩んでいくのです。」


うわー神様っぽいことやってんなー。

ルナ様が「神ですからね。」ってドヤ顔してるけど、可愛くないから。むしろ暑苦しい。



とゆうことはだ、10歳までは皆一緒で、10歳でルナ様からクラスが貰える。そっからは人それぞれで戦士になったり、魔法使いになったり、僧侶になったりする訳だ。


「・・・言っておきますが、クラスは絶対という訳ではありません。戦士のクラスを得た者でも、挫折するなり怪我をするなりした者は、農夫をしている者がいます。逆にクラス村人や農夫を得た者でも、大きな武術大会で優勝する者もいます。努力でなんとでもなりますよ。」


努力かぁ、努力できる人間ならこんな卯建の上がらない人生送ってないと思うんですが・・・。



でもまぁ、そんな話をするってことはその10歳の神託の時に超強いレアクラスにしてくれるってことだよな?

な〜んだ心配して損したよ。勇者かな?賢者かな?それとも王様かい?

いやぁ〜おい、まいったなぁ〜王様かい?国一つ好きにしていいのかい?お金も使い放題だよね?旨いものも食い放題だ。毎日メイドにもっこり奉仕してもらうよ?んん〜〜、タマランチっ!


「・・・そんなことは出来ませんよ。神託を受ける前の、日頃の行いで決まります。後は運ですね。」

「うぇぇ!強いクラスくれるって言ったじゃないですか!」

「言っていません。もしかしたら強いクラスが得られますよと言っているんですわ。」


マジかよ・・・運命の1回限りクラスガチャ、リセマラ無し。じゃねーか。やべぇよ絶対村人コースだよ・・・僕の運を舐めるなよ・・・。




「さて、もう説明はいいでしょう。転生を行いましょう。」


おもむろにルナ様はどぎついピンク色の巨大なハンマーを取り出す。


「なっ!!! どっから出したのよそんなの!何に使うの!?・・・も、もしかして・・・」

「やはり貴方は察しが良いですね。このルナちゃんハンマーで貴方の肉体を破壊し、魂を出します。大丈夫、痛みなど多分ありません。」


多分って言ってますけど?

ルナ様の腕、物凄い筋肉だ。ビキビキいってる。


「いやぁ・・・僕、別の方法がいいかなぁって・・・」

「別の方法は疲れるし面倒なので嫌です。」


別の方法あるんじゃねーか!そして、疲れるし面倒って言いきったぞこの人!!



「さあ、最後の確認です。貴方は異世界マルスルナに転生しますか?もう元の世界には戻れませんよ?」


ルナ様が巨大ハンマーを振り上げる。


日本かぁ・・・多少未練はあるが、まぁいいだろう。こんなチャンスあるもんじゃないし・・・。


「・・・僕は異世界転生します。」

「いいでしょう。では良い人生を。」


ルナ様がハンマーを振り下ろした・・・・・・。




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