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1話:前置きが山だ


※注意※どこかで見たありきたり展開、ご都合主義、しょーも無いネタ、何故?な展開、変態。いっぱい入っている作品です。この作品は作者の趣味、自己満足で書いています。色々と浅い物語になっておりますので、物語に入り込めるような作品ではないです。そういうのが嫌な方は他の素晴らしい作者様の作品を見てください。



初投稿です。よろしくお願いします。






「はぁ・・・はぁ・・・着いたぁ。いやー長い階段だったなぁ・・・。」


森の中にある石段を、澄んだ空気と景色を楽しみながら上がっていたのだが、やはり体型故に息切れしながら、やっとこさ上りきった。



僕の名前は常井 稜。


この前31歳になったばかりで、去年は見事!30歳まで童貞を守りきり、晴れて魔法使いになれた。

だがその童貞城の鉄壁の城塞を攻めてくる奴は居たのか?という質問はしてはいけない。いけないったらいけないのだ。


しかし、未だに魔法を一つも使えないとはどういった事だろう?

ファイヤーボールとか攻撃魔法はどうでもいいから、透視ができる魔法や、透明人間になれる魔法は是非とも使えるようになりたいものである。


時間停止なんかもいいですな。あっ!後、風魔法もいいですね。

可憐な女子高生たちの通学路に、颯爽と現れるイタズラでエッチな一陣の風。

ホッホッホッ。お嬢さん方、前を一生懸命押さえても後ろはパラダイスですよ。


だが、膨らむのは妄想と下半身ばかり。

こんなに善良に一生懸命と生きているのに。神様は何処を見ているのやら・・・。



とまあ、話は脱線しまくったが、今日、僕は休みの日なのでドライブに出た。

有名な某神社を目的地として車を走らせてたのだが、壮大に道に迷ったのである。

今時道に迷うか?なんともベタな・・・。スマートフォンでナビだってできる時代ですよ!?


しかし、その最新技術の結晶であらせられるナビ様は、クソ検討違いのクソ田舎の農道にある古い石造りの鳥居の前で車を止まらせ、目的地はココだ!と宣い、お疲れ様でした。と罵声を浴びせる始末。

もうこんな奴はほっとくとして、当初の目的地であった某神社にどうしても行きたい訳でも無いし、する事も無いからドライブしてた訳であって、もうこの名前も分からない目の前の神社でいいかーって思ったりで・・・。

適当に車を止めて、目の前の石造りの鳥居をくぐり、車に乗ったままでは森で見えなかったこれ又石造りの階段を登って今に至る。



今は5月。葉っぱの緑が太陽の光に照らされてキラキラ輝いて綺麗な季節だ。

まあ今は緑に覆われた場所の中にいるのでそれはあまり見えないのだか。

その代わりに葉の間から日の光が差し込んでいて、境内に何本も光のビームが地面に刺さっている。いい木漏れ日だ。


奥には社があり、お賽銭箱もある。

なんかあの賽銭箱デカくね?もの凄い存在感を放っている。



・・・なんか、凄く参拝しなければいけない気持ちになってくる。

いやまぁ参拝するつもりで来たんだけど。でも名前もよく分からない神社って参拝するのってだめなんだっけ?

よく解んないや。



・・・今度はモーレツに賽銭箱に賽銭を入れたい気持ちになってきた。

どんな神社だろうが関係ないよね。僕はこうゆう場所の雰囲気とかが好きなんだから。そして神社の境内にお邪魔しちゃってるんだから、お賽銭は入れないとね。

・・・う〜ん?何か自分でもよく解んなくなってきたわ。さっさと拝んで帰ろう。


財布から5円玉を出して、賽銭箱に入れた。

これでスッキリ・・・しなかった。

もっと目の前の賽銭箱にお金を入れたい。入れなければならない。なんて素敵なお賽銭箱なんだ。お賽銭箱様の為なら・・・僕は・・・



・・・いやいや、おかしいって。賽銭は定番の5円玉でいいだろ。ご縁がありますようにってやつだ。態々何枚か用意して来たんだぞ。


じゃあアレだ。もう一枚5円玉をプラスしましょう。重ね重ねご縁がありますようにってやつだ。

足して10円になるが、ご縁が遠退くなんて意味もあるとか。だが、僕が重ね重ねご縁がありますようにって強く想えばいいんだよ。

そう想いは届くのだ。届けこの想い。今まで告白してきた女子たちには届かなかったけどな。ちくしょう。


いったい私の何が駄目なのだろう。

やはりぽっちゃり系なところだろうか?それとも最近薄くなりだした髪?はてまた低身長?小デブのハゲなところか!

そうですよねすみません。あっ、罵倒しないで・・・いや!して!!もっと変態って言って!!



・・・さて、5円玉をもう一枚投げ入れますよ。

チャリンと。

僕の投げた5円玉はお賽銭箱様の中に吸いこまれていった・・・と思ったら、物凄い勢いで返ってきた!

銭形平次もビックリの速度で、僕の眉間に吸いこまれる。


「い、いってえええぇぇッッ!!なんだよぉ!!?」


な、なんでお金が戻って来る!?どういう仕組みだよいったい!?


だが、僕の眉間を攻撃した5円玉はちゃっかりお賽銭箱様に吸い込まれていく。

それと同時に、左手に持った財布から五千円札がはらりと落ち、お賽銭箱様に吸い込まれていった!


「アッ、アッーーー!?私の新渡戸稲造さんがぁーー!今は貴重な新渡戸稲造さんがぁぁーーーー!!」


叫びは虚しく木霊し、お賽銭箱様の中に落ちていく。

覗いてもお賽銭箱様の中は真っ暗だ。何も見えねぇ。

どうしよう・・・給料日までまだ全然あるぞ・・・。



これは何としても、お賽銭箱様をぶち壊しててもなどと、不謹慎&罰当たりなことを考え新渡戸稲造救出計画を発動しようとしたその時、一際強い風が吹いた。


樹々の葉が揺らめきサーーッと音をたてる。

その風の抜ける先が気になり目をやると、社の左手に獣道みたいなものがあった。

雑草の間に細く土が踏みならされた道ができている。道は森の奥に続いているようだ。

僕は吸い込まれるように獣道に入っていった。

貴重な新渡戸稲造さんは、もうどうでもよくなったらしい。




暫く歩いただろうか。終点についたらしい。

木でできた小さい鳥居がいくつか並んでいる。その先には切り立った崖、そこに人が一人入れるくらいの小さなトンネルがあった。あとは樹ばっかり。


トンネルを覗いて見る。出口が見えたが、出口の先は日の光なのか真っ白でどうなってるのか分からない。


・・・これは行ってみるしかないでしょう!

おー。なんかワクワクすっぞぉ。

有名なアニメみたいだね。トンネルのむこうは不思議な場所でしたってか?私好きなんですよあの作品。もしくは、地図から忘れられた村なんてなものもいいですな。

和ホラー的な展開は勘弁ですが、村の掟で若い娘を・・・あーしてこーしてだぁ。・・・ブホッ!タマランチっ!


では、突入しましょうそうしましょう。

ちょっと中腰になって進んでいく。デブには辛いんですよこの体勢。

・・・なんか思ってたより綺麗だなこのトンネル。クモの巣も無いし、虫もいない。コウモリとか居たらビビってたな。良かった。




トンネルも半分位は進んだだろうか。出口は相変わらず真っ白のまんまだ。

もうすぐ、世間知らずの田舎娘にイロイロ手ほどきできるんですね?分かります。


そんな在りもしない、もっこり妄想を楽しんでいると・・・

ミシミシとトンネルの壁がきしむ音が聞こえ、地面が揺れた。


・・・えっ??な、何だ!!?ま、まさか・・・地震!!?

不謹慎な!いやそれどころじゃねぇって!!

段々と揺れが大きくなってくる。縦揺れ?横揺れ?もしくは乳揺れ?何でこんな余裕なんだ僕は?

ここってトンネルだぞ?崩れたらどうなる・・・?


・・・血の気が引いた。

は、早く逃げないと・・・。

引き返すのは駄目だ。出口のほうが近い。パニックになりながら、必死に出口に向かって行く。


嫌だぁ!童貞のまま死ぬのは!!

あっ!いやまあ30歳まで童貞を守った記念に、友達ともっこりなサービスをしてくれるお風呂屋さんに行ってきたので、厳密に言えば童貞では無いのですが・・・いわゆる素人童貞ってやつですね。


なんてこと暴露してんねん!どーでもいいわ!!死ぬ気で走らんかい!!?

私にはまだ見ぬ美少女達が待っているんだ。美少女達を哀しませたりはしない!!


足がもつれ、転びそうになりながらも、出口に向かって頭からダイビングした。なんとか崩落には巻き込まれなかったようだ。

てゆうか、崩落したんだろうか?無我夢中だったから解らん。



確かめよう。

そう思って顔を上げる。


・・・しかし、そこは予想外の世界だった。

目の前が真っ白だ。いや、目が悪くなった訳じゃない。

トンネルの入口から見たまんまの真っ白な世界が、目の前に広がっていた。





◆◆◆





「えぇ・・・何だ?ここは・・・。」


一面真っ白な世界。

そこに、何か知らんがポツンといる一人の小デブ。

なんじゃそりゃ・・・そんなの胸踊る物語にならんだろう。

確かに不思議な場所に行けるように妄想は膨らませてたよ。行くんなら、村とか温泉宿だったりとかそうゆうとこじゃないの?



何時までバカな妄想なんてやってんだろうか。まぁ僕の癖なんだが。

・・・・・・はぁ。どうやらもっこりムフフな展開は無さそうなので、帰路につくとしよう。

今日は何食べて帰ろうかな。ラーメンがいいな。一発で身体を悪くしそうな、こってりラーメンだ。ラーメンのためなら痛風になっても構わん!



立ち上がって振り返る。



・・・あれトンネルは?

トンネルなんて無い。一面真っ白の世界だ。



え?



何処まで見ても真っ白。360度真っ白。



・・・・・・・



あー解ったぜ!これはアレだ。異世界転移だ。

来たぜ遂に!我が世の春が!

間違いないよ、だってこんな一面真っ白世界、定番だもん。

もうすぐ神様を名乗るもっこり美女がくるんだ。そして、とんでもない無双チートの加護を貰って、剣と魔法のファンタジー世界に転移だもん。あっちに行った後はハーレムだもん。戦士も魔法使いも治癒術士も、王族も貴族も奴隷も、エルフもドワーフも魔族も。みーんな美女美少女で私のハーレムとなるのだ!知ってるよぉ。詳しいんだ俺は。



そうと決まれば、ドッシリ構えて待ちましょうか?神様を。

何たって僕は、ついさっき5010円ものお金を神様に捧げた男ですよ?

給料日前のこの苦しい時期にだ。

何時までも待ちますよぉ。麗しのぉ、この世のものとは思えないぃ、絶世の美女の女神を!!

見るまでは!こんな意味不明な世界にも負けじと!僕のエロを追求するパワーを舐めるなよ!何時間でも待ってしんぜよう。

日本に戻る必要も無いしな。



別に日本が嫌いだった訳でもない。むしろ好きだ。

だが僕の人生には張りがない。

仕事もフツーのところだ。キツくもない。でも遣り甲斐もない。恋人なんて勿論いない。



家族はもっとどうでもいい。


親父は自営業をしていた。子供は全員男で、僕は三兄弟の三男。

家も会社も一番上の兄貴が勿論継いだ。

25歳くらいまでは実家に居ながら別のところに勤めていたのだが、両親と長男に煙たがられた。

まぁそりゃそうだ。ここに俺の居場所は無くなるもんな。よく待ってくれた方だよ。

長男も婚約者が出来たので追い出したかったのだろう。

次男は既にいない。都会の大学に出てそのまま帰ってきてない。優秀だねぇ。


それで他県で就職して、安いアパートを借りて一人暮らししている。

別に両親とも兄弟とも仲が悪い訳じゃないよ。

・・・まぁ上っ面はな。


お盆休みとか正月もたまに顔を出してた。

みんなそれぞれ苦労しながらやってるよ。どいつもこいつも愚痴を言ってたな。知らんがな。

まぁ、不景気だもんな。長男なんて会社のトップだ。悩みも尽きんわ。



とまぁこんな感じだ。普通だよ別に。人によっては幸せに見えるんだろうな。

もっと僕より不幸な人間なんていっぱいいるとか言われるだろう。

そんなの知らんがな。僕の人生で精いっぱいだわ。


日々がつまらないんだよ。未練も無いし。何やったって上手くいかねぇ。

努力しろったって、何をどうすんだよ。血が繋がってるからって、お前らのようにできるか。なる気もねぇんだよ。

早く嫁をもらえなんて大きなお世話だ。僕の人生だ。お前らが決めるんじゃねーよ。




はぁー・・・


一人で何もない空間に居ると駄目だなー。しょーもないこと考えてしまう。

こんなこと考えない方が幸せなんだよ。もっこり妄想してた方が何倍もマシだわー。もっこりは地球を救うんだよ。はいここ試験に出ます。


・・・・・・女神様早く来ないかなー。





◆◆◆





この真っ白の世界に来てから、腕時計の短針が5回目の3時を指した。


神社に着いたのが3時前。この謎空間には3時頃に着いただろう。

60時間だ。丸二日と半日である。


え?ちょっと?女神様遅くないですか??


ここには着の身着のままで来ている。

持ってる物といえば、財布と車のキー、腕時計だけだ。スマートフォンまで車に置きっぱなしだ。勿論、水も食料も何もない。


一応この真っ白世界の探索を最初の日に、腹が減った時にやってはいる。

勿論収穫はゼロだ。

行けども行けども真っ白だ。どれだけ進んだかも分からないし、方角も分からん。もしかしたら無限ループしてるかも?しててもこんな空間じゃ分かりっこない。



・・・・・・車のキーって食えるかな?


いやせめて財布か腕時計のベルトだろうと。

皮って食べれるよね?戦時中なんかは煮込んで食べる人がいるってゆうじゃん。

あ、煮込めないわ。火無いもん。鍋もない。それ以前に水がねえ。


とゆうかまず人間生きるのに大事なのって水だよな。

水を探さないと。


駄目だ、起き上る気力もないもの。

抑々水なんてこの空間にあるわけがない。全部真っ白だ。


あれ?真っ白ってことはこれカルピスだよね?カルピスだわこの空間。いやー助かったわー。カルピスじゃなかったら何だってゆうのよ?ココナッツミルクかな?そうここはココナッツミルクの世界。私は今ココナッツミルクのお風呂に浸かってるの。お肌すべすべよ。あれ?お風呂に入れるのってココナッツオイルじゃないの?じゃあ牛乳ね。牛乳風呂もお肌にいいのよ。それにお肌を保湿してくれるし、リラックス効果もあるの。あの世界三大美女のクレオパトラも愛したと言われているわ。ここで視聴者にプレゼントよ。番組の最後に発表するキーワードをハガキに書いて送ってくださいね。チャンネルはそのままよ♡



・・・・・・随分余裕だよな。死に掛けてるのに。

そこら辺にやった小便でも保存しとけばよかったのかな?保存する入れ物もないけど。






・・・・・・・・・






・・・軽口もたたけないんならもう終わりだと思うぞ。


・・・いやまぁよく頑張ったんじゃねえかなぁ。ここまで女神様に会いたいっていう、訳わからんもっこり力だけで、持ち堪えたんだぞ。

最後が餓死ってのは、いい死に方しなかったな。

まぁ僕の人生こんなもんだろ。次はイケメンに生まれ変わりますように・・・・・・。







・・・・・・・・・







・・・おい。フラグ立てたんだぞ。来いよ女神様。






・・・・・・・・・










・・・・・・来ないわ・・・。






・・・・・・・・・


























「あら?ごめんなさい。忘れていましたわ。」




嘘だろ・・・おいっ!

つ、遂にきたっ・・・!?


この2日と半日。

スマートフォンも無くて暇つぶしもできず、根拠も無いのに女神様が来ると信じ、妄想に妄想を重ね、女神様のお姿を脳内で創ること2日半!

もっこり妄想の中では、女神様と幸せな家庭を築き、仲睦まじく暮らしましたとさ。とまでいってしまったが!

遂に!我が前に女神様が降臨なされた!!


うつ伏せ故にお姿は確認できませんが!なんと綺麗な・・・なんと心洗われる声なのか・・・。

まるで天使のような美声だ・・・あ、女神でした。

女神のような美声だぁ・・・。



「あ、あなたが僕のクレオパトラですか・・・?」


何言ってんだ僕は。

最後の力を振り絞り、僕は顔を上げる。


そこには、やはり誰か立っていた。

靴はサンダルのようなものを履いている。服はこの世界のような真っ白で綺麗な布を体に巻いているような感じだ。

よく映画やゲームなんかで神様、女神様が着ているような恰好。あんまり詳しくないけど、古代ギリシア人がしていたような恰好だ。イメージ通りの恰好。

左足が丸見えになるようにスリットがはいっていて、健康的なおみ足がチラリズムしている。なんとまぁ妖艶な。スリットを考えた人は天才だよ。

所々金色の装飾品がいっぱいついてる。素晴らしすぎる。タマランチっ!


そしてご尊顔だ。あぁん僕の女神様。

もうお姿だけで昇天しそうなのに、まだ私を苦しめるのですか?


そこに立っていたのは・・・神秘的で尊い、お姿をしたお方は・・・




筋肉もりもり、マッチョマンのオカマだった・・・・・・





「いやああああああああああああああああ!!女!!怖い!?ふぁああああああああああああああああ!!!」


おかま!オカマ!!O・KA・MA・DA!!オカマナンデ!!?

何で女物の服なんだ!オカマだからか!そうですよね!心は乙女だもん!スリットがムカつく!美脚なのがムカつく!よく見たら太もも凄いわ!デカい!説明不要っっ!!

やばい!ヤバイ!!最後の力を振り絞ったんだぞ!正真正銘の最後の力だ!60時間もの間、飲まず食わずで耐えたんだぞ!昇天!昇天する!!天に昇っちゃう!!!


「んふふっ。干からびるまで放って置いてしまったのに、元気そうですわね。人の子よ。」


声めっちゃイイ声!!まるで山の湧き水ように澄んでいるよ!名水百選だ!誰が上手いこと言えと!何だ?マッチョってのは声帯も鍛えるのか!?筋肉って万能だな!俺も鍛えりゃよかった!!



あぁっ・・・駄目だ。本当に死にそうだ・・・。

もう気力も、もっこり力も全然ない・・・。

美女がおっさんに変わったショックで死ぬなんて嫌だ。これなら餓死の方がまだ男らしいわ。

でも餓死の方も、来る根拠もない美女を飲まず食わずで待ってただけなんだよな・・・。

どっちも男らしくなかったわ。我が生涯、いっぱい悔いあり・・・。



「あらっ?本当に危なそうですね。・・・はい。これで喋れるでしょう?」


筋肉の塊が人差し指を立てて、ちょんと動かした。

するとどうでしょう。あら不思議。僕の身体が暖かくて柔らかい光に包まれたのだ。

ふぁぁ・・・女神様の筋肉・・・あったかいナリぃ・・・。

これが噂の回復魔法っていうやつだろうか?みるみるうちに、身体とアソコが元気になっていく・・・。


凄いな・・・奇跡の力だ。もうすぐ僕もこの力がつかえるのですね。分かります。



これはお礼を言うべきでしょう。

そして加護プリーズ!

女神様を見る。アソコの元気が無くなる。仕方ないね。


「・・・・・・。・・・・・・!」


やばっ、声が出ない。喉がおかしいわ。水分が欲しい・・・。

回復魔法では治らないのだろうか。


「・・・? どうしました?鯉の真似なら、似ていませんよ?んふふっ、でも必死で滑稽ですわね。」


・・・あれれ〜?おかしいぞ〜?女神様ってもっと慈母的な方ですよね?

2日半飲まず食わずの僕に対して往復ビンタしてくるぞ〜。


そもそも、このゴリゴリマッチョ黒光り筋肉ってのが、僕の女神様のイメージから大きくかけ離れてるよな。

このおっさんは本当に女神様なのか?いや、おっさんって言っちゃってるじゃん。男神だな。いやオカマ神。


そうゆう問題ではない。本当に神様かってことだよ。

まずはこの真っ白不思議空間が何なのか解らない。この空間には今のところ二人しか居ないし、僕は勿論この空間に覚えは無い。やっぱ目の前の筋肉様が関係してるんだろう。


次は筋肉様の格好だ。コスプレと言えばコスプレだろう。洋画なんかでよく見る。

でもさぁ、めっちゃ後光が射してんだよこの筋肉。思わず手を合わせたくなるレベルだ。


そして魔法だよ、さっきの回復魔法。

あれは・・・あんなの無いでしょこの世に。

いやファンタジーの世界ならあるでしょう?

・・・いやいや、ファンタジーの世界なんてもっと無いだろ。あれは空想の世界だよ?


・・・今まで散々不思議の村だー異世界転移だーって言ってて何言ってんのかと。

僕の存在全否定してるみたいだな。

もっこりな妄想を止めるなど、最早私ではない。

四六時中もっこり。もっこり雨風に負けず。闇のもっこり軍団世界征服作戦。生きてももっこり死んでももっこり。もっこりのもっこりによるもっこりのためのもっこり。もっこりのゲシュタルト崩壊。



「・・・貴方の思考は理解に苦しみますね。・・・本当にこのような者が選ばれた者なのでしょうか?しかし適性が無いとこの世界には来られませんし・・・。」


選ばれちゃったかー、選ばれちゃったわー。選ばれし者たちだった?もしかして。

だよなー。勇者間違いなしだわコレ。ちょっくら魔王倒しに行きますか?囚われの姫助けちゃう?昨日はお楽しみでしたね。っかぁーー!タマランチっ、まいったなぁ〜。



「・・・話になりませんわ。 ・・・さて、貴方の今後についてです。真面目に聞きなさい。」


あっはい。

・・・その前にお水をいただけますかね?


「・・・カルピスなら沢山ありますよ。」


あぁ・・・やっぱカルピスなんですねここ・・・。




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