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東方颯録  作者: レオン
第1章 永遠の満月〜eternal-fullmoon〜
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決断

「う…」

体を起こすと見慣れた天井が目の前にあった。

「随分と遅いお目覚めね…このまま永遠に眠るかと思ってたわ。」

「起きたばかりの怪我人にひどいんじゃありませんか?輝夜お姫様?」

輝夜が俺の顔を覗き込み声をかけてくる…

「あら…私の手で送ってあげてもいいのよ?」

「丁重にお断りします…」

輝夜なら俺程度簡単に葬れるだろう…わりと

まじめに…

「まぁ冗談は置いといて…あなたにはお礼を言わないと言わないわね…」

「お礼…?別にいいよ。というか俺も少し記憶を思い出したし…」

能力に関する記憶と…優しい声と自分を叱咤した声を…

「それに俺が自分で決めたこ…」

「嬉しかった…」

輝夜が会話を遮ったことに驚き、顔を見る。

「嬉しかったのよ…ここまでして私を守ってくれるんだ…って…」

「…」

「だから…これだけは言わせて…私を助けてくれてありがとう!」

これまで見せたどの笑顔よりも美しい笑顔で輝夜は言い切った…(少しだけ赤面してしまったのはここだけの話だ)

「お、おう…」

「さあて…姫様直々のお礼も終わったところで本題に移りましょうか」

ガチャッとドアを開けて永琳が入ってくる。

「本題って?いやその前にあいつの部隊は?」

「あら?私が本気をだしたら簡単よ。」

「まさか…」

いくら敵だからといっても…さすがにやりすぎじゃ…

「なわけないでしょ…適度に痛めつけて帰らせたわよ。」

内心ホッとした…敵でも死なれたらいい気分はしないからな

「そんなことよりも私達はこの場所から逃げるわ。誰にも見つからない場所にね。」

「なんでだよ?」

「月の連中はしつこいからね…1ヶ月後には追っ手が来るわ…」

「そうか…」

確かにいつもあんな奴が来たら大変だろう…

「ここで颯…あなたには一つの大きな決断をしてもらうことになるわ。」

「決断?」

「私達と一緒に来るか…それとも1人で旅をするか…」

「俺は…」

「もちろん一緒に来るでしょ!?いや一緒に来なさい!!」

輝夜が必死に連れていこうとしてる…

「姫様静かに…あなたが決めなさい…颯」

輝夜達と行けば俺が足でまといになるかもしれない…それに…記憶を取り戻すためには色々なものを見た方がいいかもしれない…

「俺は…ひとりで行くよ…」

「私達と行けば記憶だって永琳の薬で取り戻せる!!それでもこないの!?」

「それでも…」

「なんでよ!!」

「自分自身の力で思い出したいんだ…何十年かかってもかまわない!それでも思い出したいんだ!」

自分の気持ちを本気でぶつける…2人と別れるのはとても寂しい…だけど2人の迷惑になるのは…だから…

「俺は旅に出る!!」

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