目覚めと反撃
輝夜side
「何故だ!?貴様はさっき…」
「うるさいな…」
「颯…あんた気絶したはずじゃ…」
流れる涙を拭くこともせずに颯を見つめる。
「あんだけじゃ気絶しないよ…それよりも輝夜少し離れとけよ…」
そう言うと颯は敵をキッと睨みつける
「お前はここで…」
刀を構える…
「ははは!!面白い!いいだろう!!もう一度立ち上がれぬように完璧に殺してやろう!!」
「言っとけ…」
「貴様…どこから刀を…?」
「今からやられるやつに教える意味はないよ…」
「グッ…貴様!!」
颯side
さっき聞いた声…どこか懐かしい気が…けどそんなことを考える暇はない。対話した時に俺の能力を思い出した。色々考えるのはこの場を切り抜けてからだ…
「まずはその手だ…貰った!!」
敵の攻撃の軌道を冷静に判断した俺は刀を使い受け止める。
「ほう…少しはできるか…」
「まあな…」
一旦離れると魔力の弾をいくつも放つ。
「あまいわ!!」
すべて切り落とされる…が
「ひとつは仕込めた…」
「なにをいっグハッ!」
敵が横に吹き飛ぶ
「言っただろ?仕込めたって…」
この能力の使い勝手はかなりいい…
「本気でいかせてもらおう…」
「ッー!!」
みぞおちに膝を入れられる…速い!!
「どけ!!」
「ガッ…」
顔を思い切り殴られて思わず意識飛びそうになる…
「貴様はここで終わりだ!!」
刀を首に当てられる…
「颯!!」
「安心しろ…輝夜…貴様も実験が終わったら同じところに送ってやる!」
この言葉を聞いた途端に俺の意識は急激に覚醒する。
「死ね!!」
無理やり体の向きを変えて刀を使い受け止める。
「少し油断しすぎだな…」
「なっ…これは!?」
あいつの周りに歪な空間が浮かんでいる…
「それは俺が開いた亜空間さ…俺の能力は亜空間を操る程度の能力…簡単に言えば亜空間と現実を行き来することができる…」
「こんなもの!!」
あいつは亜空間を切ろうとする…が
「切れない!?」
「そうゆうことだ…切ったくらいじゃなくならない…」
「クソッ!!」
「そろそろ終わりだ…」
展開しているすべての亜空間から霊力と魔力の弾幕を放つ…
「グワァァァァァァァァ!!!!」
「ふぅ…終わった…」
輝夜side
ガクッと地面に膝をつく…
「颯!!このバカ!無茶して…」
「さすがに少し疲れたよ…」
「お疲れ様って…颯!?」
急に意識を失う…まさか!!
「颯!!」
「落ち着きなさい…過度の緊張と怪我のせいね。」
振り向くと永琳が立っていた。
「とりあえず部屋に連れて行って静かに寝かしてあげましょうか」
永琳が颯をおんぶする。
「あれ?そう言えば月の使者は…?」
「全員追い返しました。だから助けに来たんですけど…いらない心配だったみたいね…」
永琳が後ろの颯を見る。
「心配なら姫様添い寝します?」
「なっ…/////」
顔が赤くなると同時に熱くなる…
「冗談ですよ?」
永琳がにやけながら言う…
「わ、分かってるわよ!!/////」
「でも労いの言葉くらいはかけてあげてくださいよ?」
そんなの…
「当たり前よ…」
東の空が紅くなりつつあった…激戦の終わりと今日の始まりを告げるために…