覚悟
今日と言う1日の最後…俺は縁側に座り月をながめていた。
「今日は満月か…」
輝夜と修行を始めてから早くも2ヶ月が過ぎた。修行のおかげで最近は魔力糸を同時に操作出来るようになった。魔法の方は…魔道書?と言う本が無いから練習…と言うか魔法そのものの使い方が分からない。霊力による身体能力の向上はそこそこ出来る。しかし問題がある…それは…
「ド派手な技…ないよな…」
魔法を覚えたら少しは変わるのだろうか?今は肉弾戦しか出来なくていいのか?と言っても魔力の弾や霊力の弾をたくさんだすことは出来るんだけど…
「果報は寝て待てって言うし…少しずつ強くなるしかないか…」
ハァ…とため息をはくと再び月を眺める。
「こんな時間まで起きて…体に響くわよ。」
輝夜が歩いてきて俺のとなりに座る。
「輝夜こそ…寝なくていいのか?」
「満月の夜は…なんだか怖くてね…」
いつもと違いどこか淋しげな声をだす。
「元気がないな…どうかしたのか?」
「お迎えが来るかも知れないと思うとね…」
「お迎え…?」
死ぬってことか?いやそれは無いだろう。永琳の元にいて病気で死ぬはずがない。
「それってどういう…」
「私と永琳はとても大きな罪を犯したの…死んでも償えないほどのね…」
「な…!?」
「私は病気にならないし、怪我をしたら再生する…絶対に死なないの…いわゆる不老不死ね」
「…」
「蓬莱の薬…その薬は私に永遠の命を与えた…償えない罰もね…」
つまり…輝夜と永琳は歳を取らないし…死なないってことか…
「満月の夜はその罪を償わせる為にかなり強い人達が来るの…」
「どうして満月なんだ…?」
「それは月と地球が結ばれるからよ。」
「月と…地球?」
まさか…輝夜は!!
「月の…人?」
「元ね…彼らは3年後の満月に迎えに来ると言ってたわ…」
「今は…何年たったんだ?」
「3年…ちょうど今日よ。」
「今から!?」
「もし危険で戦いたくないと言うなら逃げなさい…私も永琳も恨まないわ。」
輝夜がそんなに言うなんて…それほど危険なのか?
「あなたが決めなさい…」
輝夜の目は穏やかだった…まるで何かを諦めたような…
「へっ…決まってるだろ…」
生きることを諦めたのか?それとも逃げることか?そんなことどうでもいい…
「輝夜を守る…それだけだ…!!」
友達を…逝かせてたまるか…!!
「なっ!?」
輝夜は顔を真っ赤にしている。
「そ、そういう言葉はもっと大切な人にいいなさい!!」
いきなり怒り出す。何で?
「ありがと…」
「んっ?何か言った?」
かすかになんか聞こえた気が…
「気のせいよ。」
「ふふっ仲がいいわね♪」
永琳がニヤニヤしながら見ている。
「姫様にもこんな1面があるなんてね〜…」
「なっ…!!永琳!!」
「はいはい…それよりも颯…本当に戦う覚悟はあるのね…?」
永琳が真っ直ぐ俺の目を見て聞く…
「覚悟はある…俺は戦う!!」
「そう…なら気を付けなさい…」
永琳が月を見上げる…
「おいでなすったわね…」




