信じ難い噂
妖怪退治を手伝ってくれたお礼にと食事を奢って貰う颯。そんな中…一人の女性が姿を現した。
颯side
「ここが…街か…」
人が多いし、建物が沢山並んでいる。記憶を失う前だと当たり前の光景なんだろうな…
「あぁ。それより颯…これからどうするんだ?」
「どうする?あ…」
金もほとんど残ってないし…これからどこへ行くというあてもない。
「ハァ…お前には今回妖怪退治を勝手に手伝ってくれたからな。飯でも奢ってやるよ。」
「マジですかもこたん!?」
ぼっという音がしたから横を見ると、妹紅が右手に炎を纏っている。
「次その名前で呼んでみろ…燃やすぞ?」
「や、やだなー…冗談ですよ。妹紅さん。」
「ふん…」
右手の火を消すと、妹紅はスタスタと歩いていく。
「ほらっボサっとすんな置いてくぞ?」
「はいはーい。」
とある食堂にて
「ふー食った食った♪」
「お粗末さま…たく人の金だからって沢山食いやがって…」
「アハハ…」
飯も食い終わり、満足満足…えっ?妹紅が不機嫌?華麗なスルーで気づかないふり…
「まぁまぁ…女の子がそんなムスッとしてたら可愛くないわよ♪」
「へっ!?だれ?」
「紫…お前どうしてここに?」
紫と呼ばれた女性はよいしょと言うと俺の隣の椅子に座る。
「別に…暇だった時にあなたを見つけたから♪」
「はた迷惑な妖怪だな…」
「ふふっ…はた迷惑で結構よ♪それより妹紅隣は彼氏?」
「「違う!!」」
妹紅も俺も大きい声で否定する。
「俺は颯です。妹紅とは成り行きで一緒にいるだけであってそうゆう関係じゃありません!」
「ふふっ…冗談よ…」
妹紅に紫と呼ばれた女性は見たことのない服を着けておりそうゆうことに疎い俺でもこの国の服ではないということがわかった。
「まぁホントは妹紅にある噂話をしに来たんだけどね。」
「噂話?」
「そうよ。颯あなたも聞いとく?」
「まぁ…やることもないし。」
正直気になるし…
「それじゃ…あなたの探していた人…見つけたわよ。」
「ほんとか!?」
ガタッと思い切り椅子を引いて妹紅が立ち上がる。
「どこだ!!いつ見た!?」
「落ち着きなさいよ…」
どうどう…と言いながら両手でも妹紅に座るように指示する。
「ただ…問題は場所なのよね…」
「だからどこだ!?」
「妖怪の山。」
妖怪の山…絶対妖怪達の住処だろ。絶対めっちゃくちゃ強いやついるだろ…
「クソ!あいつ…そんなところに!?」
「…どんなところなんだ?」
「あら知らないの?妖怪の山は天狗と鬼が支配している地域よ。他にもたくさん妖怪は住んでいるけどね。ちなみに人間が入ると即喰われるわね。」
なるほど…予想通りで良かったよ。
「仕方ない…手伝ってやるよ!!」
「へぇ…話を聞いてなかったのかしら?」
紫が面白そうにこちらを見る。
「だからこそ…だろ」
「?」
「妹紅ひとりでそんなところ行かせられるかよ!!」
「お前が付いてきても足でまといだ。」
「へっなんと言われてもついて行くけどな。」
「どうしてだ…?」
「ここでひとりで行かせて、帰ってきませんでしたーなんて目覚めが悪すぎるだろ?」
まぁ見捨てられないのはホントだし、一番は友達を手伝いたいだけだけど…恥ずかしいから言わないでおこう。
「決まり…ね。」
「ハァ…」
明るい顔をする紫と対照的に呆れた顔をする妹紅…どちらの顔の色も伺わないのが颯スタイル!!
「行くぞ…」
不意に妹紅が立ち上がる。
「わかったよ。それじゃ紫さんまた今度。」
「ええ気をつけてね〜♪」
ひらひらと手を振る紫に別れを告げ、食堂を後にした。
紫から噂話を聞いた妹紅と颯は妖怪の山を目指す。その道中颯は妹紅の探している人との関係を聞くのであった…
次回!!あいつ