俺の名前は…
颯「見てくれてる皆…ありがとう。」
主「上手く書ける自信はありませんが精一杯頑張りますので応援よろしくお願いします!」
颯「それでは本編…スタート!」
「…ここは?」
どうやら俺は今まで寝ていたようだ。窓の外は暗くなっている。それに体中傷だらけで包帯をしているところを見ると…何かと戦った…のか?
「ここは私達の隠れ家よ。」
扉の方に顔を向けると左右で赤と青の服を来た女性が立っていた。
「あなたの名前は?」
「名前…」
何故だか知らないがモヤがかかったように寝る前の記憶がない…
「すまない…名前を覚えていないんだ。」
「記憶喪失でもしたのかしら?」
女性は怪しむように俺を見る。
「本当に何も覚えていないんだ…」
「命の恩人に嘘をつくような男には見えないわね。」
「命の…恩…人?」
「えぇ。あなた瀕死の状態で倒れてたのよ。」
「そうなのか…ありがとう。えっと…」
「永琳よ。八意永琳。」
「ありがとう。永琳。」
「怪我が治るまでここで安静にしてなさい。」
そう言うと永琳は入って来た扉へと歩いていく。
「そうさせてもらうよ。」
行くあてもないしな。
「あっ…そうだ…」
永琳が思い出したようにこっちを向く。
「あなたの名前…姫様に考えておいてもらうからね。」
名前…か…覚えてないし…前の名前には愛着も無い。
「ああ…頼むよ。」
「期待して待っときなさい。」
永琳は扉から出ていく。
「おれは…いったい誰なんだ…」
誰に問いかける訳でもなく放った言葉は夜の闇へと消えていった…
「すっかり怪我も良くなったわね。」
俺が目覚めた日から1ヶ月が過ぎ、怪我もすっかり良くなった。
「ありがとう。永琳。」
「少しだけ表情を出すようになって来たわね。」
永琳が少し微笑む。
「元から暗かった訳でもないしな。」
俺は苦笑いしながら答える。
あの時は記憶が無くなったショックで感情表現がうまく出来なかったのだろう。
「そう言えば今日はまだ俺の名付け親を見てないな。」
「姫様のこと?姫様なら…」
「いるわよ!」
扉から上はピンクで下は赤と鮮やかな模様の入ったスカート?それに髪が腰に届くほど長いお姫様(本人に言えば怒るので言わないが…)蓬莱山輝夜が慌しく入ってくる。
「やあ…」
「やあ…じゃないわよ!いつも名付け親って言わないでって言ってるでしょ!?」
そう言えば名付け親とも言うなって言ってたっけ…注意しよう…
「悪かったよ…落ち着けって!」
「それより颯!今日から始めるんでしょ!?」
あっそうそう…俺の名前は颯に決まりました。
「何をだよ?」
「あんた戦いかたを教えて欲しいって言ってたじゃない。」
そういえばそんなこと頼んだ気がするな…
「今日からやるのか?」
「当たり前よ!ほら行くわよ!」
「うわっ…」
いきなり手を掴まれて部屋の外へと連れ出される。
「永琳。颯借りてくわよ!」
「わかりました。2人とも怪我しないように気をつけて下さいよ!」
永琳の声を聞きながら俺は記憶がなくなってから初めての修行を始めるべく部屋の外へと向かった。