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リリーフ・オブ・コスモス

「………ユキヒコの奴、どっか走り去って行ったぞ? オレたち、ちょっとイジリすぎたかな…?」

「放っておいて、いいんじゃね? 大方(おおかた)、ドリンクバー取りに行ったとか、そんなんだろ」

「そうかな…? そうだと良いんだけど……」

「あぁ、もう! マコトは優し過ぎるんだって! どうせ “おれっちブレンドのスペシャルドリンク持って来たぜ~!” とか言いながら、すぐ戻ってくるから」

「お~い! 二人とも~! おれっちブレンドのスペシャルドリンク持って来たぜ~!」

「ほらな?」

「………心配してたのがバカらしく思えるな」

「おぉ、おかえり、ユキヒコ。どんなドリンクにしたんだ?」

「まず、おれっちのは、コレ! 炭酸全部を混ぜたスペシャルドリンクだぜ!」

「炭酸全部ってだけなら、そう不味い物には、ならないだろうな。……じゃあ、オレのは?」

「マコトのはコレだ! コーラをベースに、隠し味を少々加えたスペシャルドリンクだぜ!」

「………きっと、隠し味が隠れてないんだろうな。もう、色からしてコーラの要素少ないし」

「マコトの不味そうだな~。下の方は黒くて、上の方は緑色って、何を入れたらそんな色になるんだよ。まぁ、それはそうと、俺のはどんなヤツなんだ…?」

「あぁ! リュウジのは、水だぜ!」

「水!? なんで俺だけスペシャルドリンクじゃねぇんだよ!?」

「まぁまぁ。文句は飲んでみてから言えよ」

「え? じゃあ、そうするわ」

ゴクッ

「…………………………………………」

ゴクゴクッ

「………………………………………………、水じゃん!!」

「だから、言ったろ? 『ただの水だ』って」

「いや、でも、『文句は飲んでからにしろ』とか言われたら、なんか入ってんのかと思うじゃん!!」

「まったく、しょーがねぇな、リュウジは。どれ、貸してみ? 氷入れてきてやるから」

「氷じゃねぇよ!! なんで俺だけジュースですらねぇんだって言ってんの!」

「え? 何? リュウジもマコトみたいになりたかったわけ…?」

「マコトみたいに、って何だ?」

「いや、あまりにも不味いから、マコトの奴、さっきから、くたばってんじゃん?」

「え…? マ、マコトォオオオオ! 大丈夫かぁああああ!!?」

「オレは………、どうやら……、ここまでみてぇだ…………」

「おい! 馬鹿言ってんじゃねぇよ!! 俺らと一緒に映画見るって言ってたじゃねぇか!」

「はは…。そういや、そんな約束したっけか……。悪いな、約束…守れなくて………」

「おい!! 何言ってんだよ! 約束なんて、これから守りゃいいじゃねぇかよ! なんで諦めちまってんだよ!!」

「映画なら…、オレがいなくてもでも見れんだろ……。オレの事はいい。行ってこいよ………」

「ふざけんなよ! 一人で見たって、そんなの意味ねぇだろ!!」

「はは…。なら、可愛い彼女でも……ゲットして、……二人で行けよ………。大丈夫…、お前ならすぐに良い彼女が…できるよ………………ガクッ」

「マ、マコト…? おい!? 返事しやがれ! マコトォォオオオオ!!! ……クソッ! 決めたぜ…! 俺は、マコトをこんな風にした奴を絶対に許しはしないっ!!」

「おや、さっきのマコトとかいう奴は君の友人だったのか。それは済まない事をしたね」

「お前か…! マコトを殺したのは!!」

「殺しただなんて人聞きが悪いね。我は、ただ我の計画の為に彼を利用させてもらっただけだよ。その結果、彼が死んでしまったというだけさ」

「てめぇ…! ぜってぇ許さねぇ! マコトの(かたき)は俺が取る!!」

「おや、君のような “人間” ごときが、悠久の時を生きる我に、何をできると言うのだい?」

「人間ごとき、か……。確かにそうかもしんねぇ。でも、それは、俺が一人だったらな!!」

「君は一人ではないか。いったい何を言い出す―――」

「違う! 俺にの隣にはマコトがいる! マコトが俺に託してくれたコイツがあるんだ!!」

「なっ…! まさか、それは…万事を救う白き闇を秘めた剣……【リリーフ・オブ・コスモス】か!!」

「お待たせしましたー。こちらご注文のマルゲリータピザ、ペペロンチーノ、ミラノ風ドリアになります。あ、ミラノ風ドリアは、半熟卵ないヤツにしといたから」

「「「あ、……………………」」」

「……そんな、顔赤くして俯くくらいなら、最初から寸劇なんてやんなきゃいいのに」

「「「返す言葉もございません…………」」」

「まぁ、楽しく食事するのはいいけど、あんまり騒ぎすぎないでよ? 他のお客様の迷惑にならない程度にねしといてね」

「「「「はい………」」」


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