これは早押し問題です
「俺は、マルゲリータピザにするけど、皆はどうする?」
「オレは、ペペロンチーノにするわ。ユキヒコは?」
「おれっちは、やっぱりミラノ風ドリアだぜ!」
「そっか、わかった。じゃあ店員呼ぶわ」
「あ! 待って!! おれっちの出すクイズに答えられなかった人が罰ゲームとして全員分頼む事にしねぇか?」
「クイズか…面白そうだな……! マコトには負けねぇぜ!」
「オレも、別にクイズくらいならやってもいいけど、たかが全員分の注文なんて、罰ゲームにならなくねぇか?」
「あー、大丈夫、大丈夫」
「その顔は、なんか企んでそうだな…」
「普通に頼むんじゃ面白くないからな、おれっちの<ミラノ風ドリア>は、<半熟卵のミラノ風ドリア>として注文してもらうぜ」
「あれ、でもユキヒコって半熟の卵キライじゃ……まさか!」
「そうさ! 『半熟卵のミラノ風ドリア、半熟卵抜きで下さい』って注文してもらうぜ!」
「「ぜってぇやりたくねぇ…」」
「じゃあ、行くぜ! 問題です!」
「待て! 罰ゲームは理解したが、ユキヒコが出題者だったら、お前に負けはないじゃねぇか!!」
「そうだな…。じゃあ、おれっちが二人にドリンクバー奢るわ」
「それなら……まぁ、納得だな。なぁ、リュウジ?」
「あぁ。俺も異論はねぇぜ!」
「じゃあ、問題だすぞ」
「おぅ」
「これは早押し問題です。答えがわかった方は、テーブルの真ん中にあるボタンを押してください」
「よっしゃ来い!」
「問題です! おれっち、ユキヒコは、このあと、どこでデートのシミュレーション練習を予定しているでしょうか?」
「思いの他、難しい問題だな……」
「ユキヒコの行きそうな場所……」
「悩んでるね二人とも! わかったら、このボタンを押してくれよ?」
「(これは早押し問題だ…。だったら、リュウジより先にボタンを押して、答えるだけ答えてみるか…)」
ポーン
「おっと、マコト選手、先にボタンを押したぁ!」
「なにっ!?」
「ふっ…悪いなリュウジ! 先に答えさせてもらうぜ!!」
「では、マコト選手、答えをどうぞ!」
「あぁ。答えは………、ペットショップだっ!!」
「ほぅ…。根拠は?」
「ユキヒコは、かなりの生き物好きだからだっ!」
「なるほど…。で、結果はどうなんだ、ユキヒコ?」
「マコト選手の回答<ペットショップ>…………………残念ッ!!!」
「なん、だと…!?」
「なら、正解は俺が貰っていくぜ!!」
ポーン
「おっと、リュウジ選手、ボタンを押したぁ!」
「チッ!」
「では、リュウジ選手、答えをどうぞ!」
「悪いな、マコト、正解させてもらうぜ! 答えは………、映画館だっ!」
「おぉ! 映画館か! それいいな!! じゃあ、リュウジ正解」
「っしゃあ!!」
「待て待て待て待て待て!!」
「何か不満があるのかね、マコトくん?」
「不満しかねぇよ! お前、ちゃんと答え用意してなかっただろ!!」
「言いがかりはよすんだ、マコト! 俺に負けたから悔しいのはわかるが、負けを認めないのは見苦しいぞ!!」
「いや、でも絶対おかしいだろ!!」
「おれっち的には~、このあとの事なんも考えないで来ちゃったから~、なんか~、いい案でも出してくれればいいな~、とか思って~」
「ユキヒコてめぇ…!」
「まぁまぁ。おれっちへの文句は後にして、先に罰ゲームやっちゃおうぜ、マコト。もう店員来てるんだしさ」
「待て、オレのタイミングで店員呼ぶ……って、え? お前今なんて言った?」
「店員もう来てるって言ったんだけど?」
「なんで来てんだよ!?」
「あ、ホントだ。二人も来てるわ。マコトざまぁ」
「なんで二人も!? ま、まさか…!」
「やっと気付いたかマコト。おれっちが用意した、この早押しボタンは、店員を呼ぶためのボタンだったのさ!!」
「「なんだってー!!?」」