狭く汚い部屋
【お読みになる前に】
私は、普段、「起承転結」の“結”から考えて物語を作るのですが、今作はキャラクターから考えてみました。
ですので、うまく話が上手くまとまらずに、ズルズルと続いてしまう可能性があります。どんなエンディングになるかは、私にも見えておりません(笑) そのぶん、今回は会話に重きを置いて書いています。今までに書いた中で、ネタ数は最高だと思います。
また、今回は、文章の9割以上がセリフです。私はキャラの書き分けスキルがまだ未熟ですので、誰のセリフかわからなくなってしまう可能性もあります。
以上を踏まえたうえで、「それでも大丈夫」といってくださる方のみ、お進みください。
少しでもクスッとしていただけたなら、これに勝る喜びはございません。
ミーン ミーン ミーン ミーン ミーン ミーン
「夏だな……」
「あぁ。夏だな……」
「彼女いる奴は、プール行ったり、海行ったり、祭り行ったりしてんだろうな……」
「そうだな……」
「プールで彼女の水着姿に興奮したり、海で彼女の水着姿に興奮したり、祭りで彼女の水着姿に興奮したりしてんだろうな……」
「祭りで水着はおかしくね……?」
「あぁ…。うん……」
ミーン ミーン ミーン ミーン ミーン ミーン
「………………………………」
「………………………………」
「夏だな……」
「あぁ。夏だな……」
「もう、うるせぇよ、おめぇら! 宿題やるんじゃなかったのかよ!?」
「おれっち、もう飽きたもん」
「飽きたじゃねぇよ、ユキヒコ! 勉強始めて、まだ、二分しかたってねぇよ!! カップラーメンも作れねぇよ!」
「でも、カップラーメンって300℃のお湯入れたら、1分で作れるんじゃね?」
「てめぇもだよ、リュウジ!! 意味わかんねぇ事言ってねぇで、ペン動かせよ!」
「そうは言うけどさ、俺らがこうしてる間に、クラスの連中は、高2の夏を満喫してるとしても、お前は何も感じないのか、マコト?」
「そりゃあ、何も感じないわけじゃないけど……」
「おれっちにも彼女がいれば、高2の夏を、こんな狭く汚い部屋で過ごさなくてすむのにな……」
「じゃあ、出てけよぉおおお!!!! 狭く汚い部屋で悪かったな!」
「俺らって何でこんなとこで、こんな事してんだ? 時間の無駄じゃね?」
「てめぇらが宿題わかんねぇって言うから、オレの家で勉強会してんだろうが!!!」
「「うるせぇよ、マコト」」
「てめぇらのせいだろうがぁあああああ!!!!!!!!!」