掌
酷く寒い 凍えそう 寂しくて
君の両の掌で僕の心を包んで温めてくれないか
ずっと耐えて来たんだ
ひび割れそうな心を接着剤でくっつけて
壊れて またくっつけて
そうしてる内に 自分が何だか分からなくなった
人を楽しませる 人に共感してもらう
それを目指して突き進んできた
でも疲れたようだ どこまでも続く道じゃないけれど
僕は嘘は吐きたくないし 正直自分自身が信じられない
ボロボロのレコードが耳障りな音を立てる
僕はそれを聴きながら いつか治るだろう その希望だけ
それが救いだと信じて
君は僕の事をどう思っているの?
僕は自分が嫌いで守られるには値しないし君を守り抜ける器量も無い
それでも僕を愛してくれるかな?
掌を天にかざして 透き通る血の色に いつも力を感じていた
自分の命の力 血液の瞬間の循環 それが時に 自ら傷を付けてしまう
それも今なら分かる
強い者は負けたら 呆気ないんだ ザーッと流されて呼吸困難
地球の寒暖 一瞬の間断 そこに悪が忍び込んで僕を惑わしている
今ははっきりとした事が言えなくてゴメンね
愛の力を信じているつもり 君を一人にさせたくないよ
僕は渾身の力で 例え歓心無い味気も無い世界でも 変えたい
あの日君と繋いだ手と手の温かさ
君の涙をそっと受け止めた僕の掌
君を好きだったんだよ 今は遠く離れているとしても
同じ世界で生きているのなら また出会える日も来るだろう
それまでは僕は手と手を合わせ 掌 微かに汗ばむ中 この冬を乗り越えて
また春に逢いましょう




