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Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
ゲンテンカイキ
824/900

ロックスターになりたかった

昼間から焼酎の水割りを呑み

夕方目覚めると脳内にガラスの破片

取り除けない頭痛と共に死にたい気持ちになる


ロックスターに憧れて

東京に出た田舎者 

今は六畳一間トイレ風呂共同


実家は裕福でお坊ちゃんだった俺

だけど何故だか苦しくて 逃げてきてしまった


クソみたいな幸せに血液を浴びせて

死体を踏みにじる様な残虐な心を消し去りたかった


今は未来なんて無い


大好きなロックバンドがいて 俺が苦しい時

聴いて いつも 涙流していた 色褪せない救済の歌


そんなのが昔の俺を駆り立てて止まなかった

助けてもらったから俺も誰かを救いたいってそう思った


ロックスターにはなれずに40歳 恋人も子供もいない

借金だけが膨れ上がって毎日の様に返済の催促 居留守は上手い


コンビニ深夜のバイト 同僚とぼやきながら まだ夢を語る

世の中とか平和なんて くだらねぇよな やっぱ男はロックだって


あの時の歌は色褪せないのに 

どうして俺の歌は色褪せ どうして俺の人生はモノクロームなのか


答えなんて出せないまま死んでいくのに

昼間から焼酎の水割りを呑めば

夕方目が覚めて 陰鬱極まりない気持ちで 

昔の事ばかり思い出すけれど 

後戻りなんて出来やしない事 後戻りなんてする場所も無い事

分かってるから 窓際で雨のリズムに合わせて

ギターを弾いてみる


ロックスターになりたかった 夕日が眼球をオレンジに染める時は

ふと酔いから覚めて 死んだ両親の事を思い出す もう忘れているのに






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