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君と歩いた庭
沢山の花たちがお互いに主張し合ってる
木々は木枯らしに吹かれざわめき数多の
実を落とす
帰って来てくれたんだね
この庭をまた君と歩けるとは思っていなかった
君はあの頃とは違う様で変わらない様で
それでも大人の女性の佇まいで微笑をたたえている
僕も君もお互い友情で結ばれていたけれど
僕としては君にはもっと心開いて何でも話して欲しい
鳥達が引っ越ししようとしている
猫はトコトコと寒そうに歩いている
今は亡きお爺ちゃんが愛した庭は
昔と変わらず隆々と若々しく濃い緑
君はまだ結婚していないんだね
僕もまだだよ そんな話をしたっけな
君は突然僕の手を掴んで駆け出した
びっくりしたけれどその行動の記憶
頭の中にある
森の最深部に詩碑がある
子供の頃よく復唱したよね
僕は今でも諳んじられる 君もそうなのかな?
そこは絹の様に陽の光が真っ白に輝く
この庭で一番美しい場所 君は目を細めながら
僕にずっと前 子供の頃から貴方が好きだったんだよ
って言った