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Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
ショートストーリー9
785/900

これこそが愛だ

満たされたい欲求があった

でも母を求める気持ちには勝てなかった


そして僕は一人になった


初秋君に出会った 最初いい友達だと思っていた

誰よりも僕が孤独な事を知って寄って来てくれた天からの贈り物だと


二人でよく並木道を散歩しながら 大学の授業の話などした

将来の夢が偶然同じで 意気投合した


二人で頻繁に会う様になった 一緒に酒を呑んで喋る

こんなにも人と話す事って楽しいんだと今更ながら知った


今でも思い出すよ 君と初めて出会ったキャンパスの名木の下

君は本を読んでいたね


僕は何故だか君の読んでいる本に目が魅かれた

心理学書だがかなり分厚い辞書みたいな本

それは僕が昔読んでいた本だった


中学 高校と虐められていた リストカット何度しただろう

だから心理カウンセラーになって虐められている子どもを救いたかった


君は微笑んで 木漏れ日の下でそっと伏し目がちに僕の顔を見つめていた


僕らは今同じ仕事をしている 

そしてしばらくして僕は三人になった


君と結ばれた悦びは僕の生きるエネルギーに成り得た

今とても幸せだ お金も順調に溜まったし海外に新婚旅行に行った

こんな日がずっと続きます様に 夢じゃありません様に


怖いくらい幸せだ それも僕の醸し出していた孤独のオーラの

おかげだと思うと一人でいる時間の大切さを思う


一人でいるからこそ君を感じられる 

それは決して自己中心的でも 穢れた性欲でもない

これこそが愛だ 写真の中で笑っている母に心から感謝している


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