春風
またこの季節が来たね
君と出会った
始まりの刻 いつしか今までの思い出が
書物の様に積み重なる
春風舞う頃 君はまた一つ大人になった
若い頃は気付かなかった 君の魅力に
今更になって申し訳ない 気付いた
結婚して早10年 長いようで短かったね
毎年この季節には桜を二人で見たね
今は三人で そんな幸せを深く噛み締めているよ
どんなに君を嫌いになっても 糸は縦と横
縦横無尽に絡み付いて 君とまた出会う運命
約束とは破るなら初めからしない方が良いんだ
始まってしまったストーリーにピリオドなんて要らない
ただ 桜流るるままに 勢い任せで愛した
本当に綺麗だよ そうだよね
この地は何処に行っても逃げられないアダムの器
君だってそうさ 何れ散るとしても言葉は永遠だから
魔法の様にカラーをころころ変えていく
シキイソグ シナナイヨウニ シヌスンゼンマデ
停留所はそこかしこにあるから
旅に出よう 春風に吹かれて
僕らの心は自由でこそ輝くから
きっとそうだよ 始まりから終わりまで
桜の様だ 蝉時雨まで後少し 後少し
ずっと一緒に居たいと思うよ すっと春風が君の髪
艶やかに撫でていく
その美しさに僕は見惚れていたんだ
ずっと一緒に居てね 君が好きだから