そわそわ
そろそろ街にクリスマスソングが流れ出す時期
イルミネーションツリーがとっても綺麗
こんな夜は貴方の事思いだすの
貴方の大きな手 温かかった
あの展望台の上から白く染まる恋人達を観ながら
私を抱き締めてくれた両腕
スポーツマンの貴方だからそんなギュッとされたら苦しいよ
でも嬉しかったのを覚えている
今 街を一人歩いている
仕事帰りのサラリーマンは忘年会で忙しい
私は美貌を買われてホステスになった
下衆な男達にスマイルを高値で売る商売
クリスマスイブにはサンタの変装をして接客したの覚えてる
そわそわ そわそわ
貴方が居なくなってから泣き虫になったわ
どうしてだろう 冷たいベッドの上で眠れなくてもやもやするの
恋人達は幸せそうに 手を繋いで歩いている
その一歩一歩登る愛の階段を踏みしめる様に
私は今年もケンタのチキンかなー
お金ばっかりあるけれど美貌は衰えて悲しいです
結婚 結局誰にも言われた事無かったな
所詮商売女だと見透かされている気がして
男という生き物を憎んだ
そして私は一人あの展望台に来ている
山下達郎のクリスマス・イブが流れてる
はぁ十年前と何も変わってないんだ
恋人達は雪で白く染まり 飛べない蝶みたいに私の目に焼き付く
赤ワインとスモークサーモン ローストビーフを頼む
私 どんな目で見られているのかな
もしかして恋人を待ってる女だったらいいな
今にも泣きだしたい位寂しいけれど
今はOLの身分 出会いなんて無い
上司から電話も来ないし 自棄酒か……
寂しいな 貴方の事 私 ホントに好きだったんだね
今 気付いたよ