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Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
天使との契約
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恋に燃えに燃えた夜もありましたわね

でも今は一人でお酒

寂れた町の温泉街で孤独を癒す小旅行


我ながら寂しくなるものだなと意外な感じがするほど

若い頃の夢 叶わなかったもの


たぶん貴方一人だけよ 恋に燃えたのは

今でも愛している 貴方の事


恋をしていました 苦しい恋をしていました

貴方と彼の間で揺れ動いた三年間


私は女盛りでした 女として生まれた幸せを感じられた

結局私の判断は間違っていたのだけど恋に破れて死にましょうか?

滑稽ですわね 美しく生きて美しく死にたいの

だから孤独を選んだ 自ら

そして そして 冷や酒を飲むの

前後不覚になって吐いてあまりの惨めさに若かりし頃の輝きに

ますます眩暈を覚えるの 天使のようだったあの子どうしているかしら

気がかりなのはそれだけ 貴方との過ちで不幸にしてしまったかも知れないあの子

母として何か出来たのでしょうか?彼女の記憶に私は居るのでしょうか?

きっと何も出来ていない きっと私は居ない


それが寂しくて苦しくて死に場所探して


女は何時でも頼りたいし頼られたい我が儘な生き物

甘えても良い歳は過ぎて ただ寒風にさらされて早く体を温めたいの

一人雪の舞う中入る露天風呂から見える美しい空の星々の瞬きはまるで

宝石のようにキラキラと光って居るのです

こんな夜は空から天使が降って来そうで私に最後の幸福を与えてくれる

そんな妄想をしながら 雪玉を作って力の限りえい!って投げる

それで何か変わる訳でもないのにね それで心の闇が晴れる訳もないのにね


今はあの子だけが幸せに成ってくれればいいなと願うばかり

母親の我が儘を許してね 天使の様なあの子なら一人でも生きていける

でも恋をして欲しい たくさんたくさん恋をして欲しい

だってそれだけが女の幸せですもの


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