無敵ング
ヘッドフォンして街に繰り出す
視界に映る人々は何処かせわしない
晴れた空 公園の噴水の側で
軽く涼む
青春って一瞬
舞い散る 風に吹かれて飛ぶ
花々は気まぐれで
美しく気高い
メガネからコンタクトに変えた
高1の春 いまだ独り身
高2の冬 ラブレターを貰った
猛吹雪の日でバスは大幅に遅れていた
車内は学生で込み合う 北では見慣れた景色
南風のような暖房 近くに吊革に掴まって
揺れている女の子がいた
その娘は胸ポケットから綺麗に折りたたまれていたはずの
くしゃくしゃの手紙を僕にそっと渡した
少し手が触れ合って僕はK.O 即 OK
恥ずかしかった ニキビ面の顔が
更に真っ赤に染まっていたと思う
初デート遊園地の観覧車に乗ったね
こんな時キスするのかな やっぱり
逡巡する純情 結局一周 何事も無く
高3の春 君にフラれた
桜 桜 桜 僕の転機 天気予報今日は雨
一瞬だったけど僕は無敵ングだった
君のシンキング読みきれないまま
別れちゃったけど
いい夢見せてくれた君にサンキュー
今は妻と2人の娘に囲まれて幸せな人生
今でもヘッドフォンして時々街に繰り出す
そして君を思い出すよ 凄く鮮明に
あの時僕は確かに無敵ングだった
今でもそうだよ だって君と一緒になれたんだから
いい夢見せてくれる君と娘に心からサンキュー
無敵ング 無敵ング これからもずっと
いつか死ぬ日まで