表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
ビターチョコレート
486/900

天使の羽 ~堕天使の系譜~

空から舞い降りてくる

聖なる祝福を受けた天使の羽


それを授かったら神の落とし子

力溢れると言う 

聖杯に注がれた酒にそっと浮かべ

転がし楽しむ


区別とか異端とか自慢とか確執とか

もう全部止めにしませんか?


僕等は怒りで羽を毟り取った

天界から追放された堕天使の系譜なのさ

天使の羽 は 夏の射光で日焼けして薄茶色に変わる


戻らない様に進まない様に

ただそこに留まっていれば

人の心も祝福さえ黒い夢になる

何も無い 夢が無い


毎夜 悪夢にうなされ起きる時いつも息が苦しくて

心臓がキューンと微かな痛みと熱を持って深く眠れなくて


帰れない様に 量子学0になる様に

CPUは勝利の確率を弾き出すだけ

経済学の複雑な公式の元に導かれる答えは

ただ貨幣の疲弊を求むる インフレーションに過ぎない


デモンストレーションで成功したからと言って

グラッチュレーションとは限らない


竜騎士が空を埋め尽くす 破滅へのカウントダウン

時を止めて繰り返す 救いと願い 回帰する魂の穢れ

洗濯して漂白して綺麗にしてから神様にお返ししましょうね


天界での出来事はあっという間のショートステイで

また地上へと試練の旅路が始まる 理由なんて約束と使命だけで

自由意思なんて存在しない 賽銭で渡し船 私向こう岸に辿り着いたの


そして神の使いに出会った後 

記憶を失くして気が付いたらまた人間に成り下がっていた

産まれた時 口腔の中に 天使の羽が ひとひら

そして咽喉を通って飲み干すの そうね天界の記憶ね

それが鳴り止まない耳鳴りとセットで疼く 

魂の叫びで 赤ん坊は泣くのよ 

耳はまだ音を捕え切れないから 

ただ泣くの


成長したら 空も飛べるのかしらね

堕天使の勘違い 黒い羽では飛べないのよ

貴方は既に祝福から遠ざかり現世と言う旅がまた始まる

100回も1000回も繰り返すのよ そこに愛があるから


気違い沙汰だよね ゴメンね でも貴方に逢いたかったの

貴方を守りたかったの 寒い でもそれが私の存在価値で

きっとまた貴方と繋がれると信じていたわ 悪魔の囁きの理由を

私 あんな目に遭うまで気付かなかったから 

ただとぼとぼ一人ぼっちで友達なんて居なかったから

貴方を求めていたの 友達が欲しくて


でも大丈夫 人類が滅びゆく時 世界に天使の羽が降り注ぎ

人が黒い夢を見てる間に 街を白く染めるから

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ