天使の羽 ~堕天使の系譜~
空から舞い降りてくる
聖なる祝福を受けた天使の羽
それを授かったら神の落とし子
力溢れると言う
聖杯に注がれた酒にそっと浮かべ
転がし楽しむ
区別とか異端とか自慢とか確執とか
もう全部止めにしませんか?
僕等は怒りで羽を毟り取った
天界から追放された堕天使の系譜なのさ
天使の羽 は 夏の射光で日焼けして薄茶色に変わる
戻らない様に進まない様に
ただそこに留まっていれば
人の心も祝福さえ黒い夢になる
何も無い 夢が無い
毎夜 悪夢に魘され起きる時いつも息が苦しくて
心臓がキューンと微かな痛みと熱を持って深く眠れなくて
帰れない様に 量子学0になる様に
CPUは勝利の確率を弾き出すだけ
経済学の複雑な公式の元に導かれる答えは
ただ貨幣の疲弊を求むる インフレーションに過ぎない
デモンストレーションで成功したからと言って
グラッチュレーションとは限らない
竜騎士が空を埋め尽くす 破滅へのカウントダウン
時を止めて繰り返す 救いと願い 回帰する魂の穢れ
洗濯して漂白して綺麗にしてから神様にお返ししましょうね
天界での出来事はあっという間のショートステイで
また地上へと試練の旅路が始まる 理由なんて約束と使命だけで
自由意思なんて存在しない 賽銭で渡し船 私向こう岸に辿り着いたの
そして神の使いに出会った後
記憶を失くして気が付いたらまた人間に成り下がっていた
産まれた時 口腔の中に 天使の羽が ひとひら
そして咽喉を通って飲み干すの そうね天界の記憶ね
それが鳴り止まない耳鳴りとセットで疼く
魂の叫びで 赤ん坊は泣くのよ
耳はまだ音を捕え切れないから
ただ泣くの
成長したら 空も飛べるのかしらね
堕天使の勘違い 黒い羽では飛べないのよ
貴方は既に祝福から遠ざかり現世と言う旅がまた始まる
100回も1000回も繰り返すのよ そこに愛があるから
気違い沙汰だよね ゴメンね でも貴方に逢いたかったの
貴方を守りたかったの 寒い でもそれが私の存在価値で
きっとまた貴方と繋がれると信じていたわ 悪魔の囁きの理由を
私 あんな目に遭うまで気付かなかったから
ただとぼとぼ一人ぼっちで友達なんて居なかったから
貴方を求めていたの 友達が欲しくて
でも大丈夫 人類が滅びゆく時 世界に天使の羽が降り注ぎ
人が黒い夢を見てる間に 街を白く染めるから