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Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
夢現
470/900

ケータイの功罪

今日は残業明けで疲れたから

朝日を拝んで ぐっすり眠るぞ

意気込んで 市販の睡眠薬を服用する


ところが二、三時間寝た所で会社から電話

用件も全くもってどうでもいい内容で

ホント辟易 寝直そうにも目はランランと光ってる

御日様はてっぺんに昇りそうなそんな時間帯


勘弁してくれよ と思う そもそも携帯が普及し出したのは

西暦2000年頃の事だったと思う

それまではポケベルだった 今は名前が変わって

そしてあんまりにも需要が無いので消えた

クイックキャストだったかな


どちらにしても24時間心休まる暇もない

3Kの仕事だからね 誰も好き好まない

4KTVなら欲しいけど給料安すぎて買えない

僕にはこの世界が狂うカウントダウンの音が聞こえていたんだ


それでも適応しなければ働けない

この社畜の辛さよ 仕事終わりにようやくタバコにありつける

あーだのこーだの文句を付けてくる社長 その椅子気持ちイイでしょ

少し分け前をよこせ この野郎


今日も今日とて満員電車ですし詰め 

臭いしずっと立ってるのも疲れる

ちょっと女性に手が当たったものなら痴漢呼ばわり

私結婚していて子供が可愛くて仕方ないパパさんなんですが


人は自分の死の危険性が高まると

生殖能力も高まるらしい

まぁだ恋だの浮気だの謂れのない疑いの眼差しを

妻から受けて 何時緑色の紙にサインして突き付けようと思った事か


結婚なんて幻想なのかもね

僕はそれを最後の幸せ 最後の楽園 最後の安らぎ

そう思っていたけれど 妻は家事は適当だしいつも疲れた顔してる

僕みたいにね


一人でいるのが気楽だよ 僕はあまり人間は好きじゃないんだ

じゃがいもの様に洗われて選別されて異動になったら餞別もらって

……もうやだー 会社辞めたい!

でもそしたら一人ぼっちになっちゃうから今日も満員電車で

男の汗臭い 女の化粧臭い 

酢豚を食った後の様な さしずめ胃腸の中

会社に行くのさ 何の為? それが解れば人生苦労してませんよ

全部悪夢だったらいいのに 

それでも今夜も太陽と月の間を駆けるホワイトカラー


今日もスマホの無料ゲームで癒されてる

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