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夏ミカン
夏ミカンは涼やかな風
誰ものけ者にしない雲
照り付ける太陽 果てしない宇宙
天使の落とし物
夏ミカンはきっと……
甘くて少し酸っぱくて
きっとみんなに愛されるように育つ
果汁が飛び散ってTシャツを汚す
夏ミカンは果て無きアスファルト
誰も置いて行かない路線バス
照り付ける鰤 旬かどうかは知らない
地平線が黄色に染まる
夏ミカンはきっと……
ジューシーで香り際立つ
光を精一杯浴びて
文句も言わず僕等を潤す
夏ミカンは僕等の青春
夏ミカンは僕等の清州
夏ミカンは蛙住む川のせせらぎ
今日も元気いっぱいで食卓に並ぶんだ