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Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
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祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

舞妓の囀り天の声 所業慕情の悟りあり


何処かからか鐘の声が聴こえる

貴方も風に乗りませんか 風に吹かれて

そう誘ってくる

自由な鳥の様に あの真白い鳩になれ

そう誘ってくる


誘いは悪魔であることが多い

私の経験上

それでもその鐘と共に歌われる

美しい歌声に魅かれてしまう


何処かから神の声が聴こえる 

お前は選ばれし者 今すぐ剣を取れ

そう誘ってくる

今宵 閨で美しき女と情交をかわせ

そう誘ってくる


ああ 全ての声が幻の声なのだ

こんな辛い事が有り得ようか

私自身の声はかき消され

見えない 居ない者の声しか聞こえない

そしてあらぬ方向に眩暈でくらくらしながら

息も絶え絶え歩いていく


私達みんな誰かの声を必要としている

私には誰の声も聞こえないから幻の声が聞こえる


私も老いたか 若かりし頃の輩との友情も

光の窓の向こう側 口付けを交わした事も

全部忘れてしまった


祇園精舎の鐘の声 それも幻 

諸行無常の響きあり それも幻

舞妓の囀り天の声 それが救い

所業慕情の悟りあり それが魂


明日何処へ行けばいいのだろう

苦しめてくる 現実リアルの人々の

様々な思惑が一層私をダメに臆病者にさせる

泣いても許されない 生まれて等来なければ良かった


こうなったからには自ら命を絶ちたいが

得物が無けりゃ怖くて仕方ないのよ

最期の瞬間が怖くて仕方ないんじゃい


何かおかしい?


悪魔の声に惑わされながら

釈迦も迷ったろう 悟りを開く苦しさの前に

聖なる力でこの世界を変えよう

まずは己の精神世界を再構築するのだ

悪魔によって傷つけられた人間の尊厳を取り戻す事

それが幸せに繋がるかもや知れん

それがどんなに恐ろしく辛い試練だとしても


幻の声を消す為に 注ぐ力は自ら流した血






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