辛いねぇ
描き出す 感情を
それでも人には伝わらなくて
寂しい思いをしている
見上げればビルの群れが立ち並び
空も見えない
客引きのオッサンが大声を張り上げる
じゃあ一杯飲もうかなという気にならない事も無い
でも家では家族が待ってる
娘は反抗期
妻は貴方稼ぎ悪いわねと言う
全く薄氷の上をスケーティングしているようで
生きた心地がしない
都会で生きて病院で死んで
何が残るのかな?
毎日毎日会社に行って妻が作ってくれるのは
愛妻弁当ではなく根菜弁当
ご飯とイレブンで買ったキンピラゴボウが入っている
後ひじき カロリー低くありませんかー
肉が食べたいんですけど
お腹は妊婦の様に膨らみ小便する時飛び散りはしないか
といつも心配 心気症という新気性
都会で生きて病院で死んで
何が残るのかな?
最初から零なら失う物は無いさ
ただ生きているというだけで心には手垢がついて
少しづつ老い死ぬのが怖くなる
生まれて来た事 それは何かの縁
神は乗り越えられない試練は与えないと言う
ならば1日500円の小遣いでやりくりしてる僕が
腹を空かせて午後のおやつに海苔弁とお茶を買ったら
100円しか残らないがこれも乗り越えられる試練なのだろうか
最近夢を見る 妻が抱いてと言ってまずビールで乾杯しましょ
生ビールよって それからダブルのベッドでメイキングラブ
はっと思うと夢で午前4時妻は弁当を作ってる
偉いなと思うけど満員電車に乗り込むとあのきんぴらごぼう
の匂いがあたりに充満するのか 鼻をつまんでる奴がいる
この電車には思いやりも優しさも無い
サラリーマンの悲哀と疲労がベトベトした吊革に
沁み込んでいる 辛いねぇ