ファイティングポーズ
悲しいくらい寂しい夜には
そっと自分を抱きしめて眠る
明日は必ず来るから
いつも独りだった
カッコつけて誰とも交わらなかった
愛車はポンコツで
でもカワイイ奴だった
酒に逃げていた ここから飛び出したかった
何も見えなかった 深海の水圧で潰れそうだった
釣り上げられて魚みたくぶちまける内臓が
とても綺麗で愛おしかった
しくしく痛む 胃腸 もう僕のものではないかのように
勝手に動く それが人の機能 ビールの気泡が呼吸苦しめる
好きな歌が嫌いになってしまった
それが悲しくて大人になる事って残酷で
いつまでも子供でいたいなんて叶わない妄想で
ピアノが歩き出して遊んでいる
ピン ピン 黒鍵が整列する
悲しいくらい寂しい夜には
そっと自分を抱きしめて眠る
明日は必ず来るから
頭痛止めと下痢止めが手放せなくて
人がたくさんいるところが苦手な
そんなロンリー 原理と心理
もう腐りかけの豆腐みたいだね
ああ、空が飛べるなら
ああ、空が飛べるなら
かつて誰もが夢見ていたことが
すべて現実になって
僕は怖いよ いつか消えるのが
両手でそっと包み込むろうそくの火が
ゆらゆら揺れて 一触即発のピストル
狂った凶弾に殺されるのを夢見
故に僕はファイティングポーズを下げるんだ
一発のカウンターを世界にぶち込むために