テンカウントを鳴らしてくれよ
テンカウントを鳴らしてくれよ
俺の人生に ボクシング命の 日々へ
もう戦うのが嫌になってしまった
殴る奴の気持ちは自分ですら分からないけれど
殴られる方の気持ちは嫌って程分かったから
この世界も争いたくて争っている人なんて居ない筈さ
みんな何かを抱え いつ爆発するかと怯えているんだ
それなら テンカウントを鳴らしてくれよ
戦闘モード それってアツいの? もう忘れてしまった
愛の為にとか世界が平和だったらイイねとか軽々しく書いたけど
今 それどころじゃない人ばかりなんだって事 忘れてしまっていた
ロッカールームにグローブと一緒に置いてきちまった
今日限りで辞めます 今まで応援ありがとう
確かに腹に巻き付けたチャンピオンベルト 一層輝き増して
俺に良く頑張ったな と語りかけてくる
でも俺の心はあの透き通った青空のように空虚で
涙すら流れない
何かが足りなくて何かが溢れそうで愛おしい時間が
消えてしまいそうで酷く惜しい
まだやれるだろ まだやれるだろ!
自分に問いかけてみる 胸がどうしようもなく熱い
やっぱり
テンカウントを鳴らさないでくれよ
テンカウントを鳴らさないでくれよ
まだタオルで顔を拭く歳じゃないだろ?
ファイティングポーズだってとれるさ
このひり付く勝負まだ終わらせるわけにいかない事
正直な心臓の鼓動が戦いを求めている
ぶん殴ってやりたいあいつをちゃんとぶん殴って
リング上で倒したいから始めたボクシング
まだその約束果たしていないから
テンカウントを鳴らしてくれよ 臆病なこの心に
テンカウントを鳴らさないで 仔馬の様に踏ん張るから
ギリギリの勝負の世界で 俺はその前に立ち上がる
ギリギリのゴング鳴る前のコンマ一秒立ち上がる
ハンマーの様な一撃を 食らえ 腹一杯になるまで
絶対負けないと誓った家族の為に俺は立ち上がる
だからテンカウントを鳴らさせない
鳴らすのは俺が死ぬ時でいい
そこから俺の新しい戦いが始まる
平行でも無く直角でも無くアッパーな拳で
チャンピオンをリングに沈める
これが俺の歌だ 葛藤の歌だ
テンカウントを倒れたまま聞くのは貴様だ
俺じゃない