表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
Song Note!
155/900

だからこそ告げなきゃ君に

今夜は雪が降っている

廃線になった鉄橋の端っこで傘片手に君待ってる


この街のネオンのキラキラはTOKYOよりも輝いていて

私の一番大好きな場所で


大事な決心を胸に秘めて ドキドキが抑えられない

そんなゆらつく思いと粉雪が私のニット帽に積もる


不安で不安で仕方が無かった もう三年が経っている

この「言葉」君に伝えたくないけど歩き出すために必要な事

どうせとかさ こんなものとかさ もう諦めた全部投げ出そうとか

そんな気持ちで生きて行ける訳ないじゃない 最後に笑える訳ないじゃない


だからこそ告げなきゃ君に 


少し寒くてプルプル震える 覚え立てのタバコに火を点ける

その灯りはちっぽけだけど 子供の頃読んだマッチ売りの少女に似ていた

この街から空を見上げればとても狭くて もう慣れっこだから寂しくない

私だけのパーソナルスペース 宇宙へのトラベル


大事な写真を胸に潜めて あの時のトキメキ思い出す

そんな過去形の人生と強くなる風雪が私のニット帽に積もる


ここで決めなきゃそう思っていた 

確かに幸せだった記憶がケータイのメールフォルダに詰まってる

だけど……


強く願わなきゃ叶わないと思うから 

ここで切り離さなきゃ新しい一歩は無いと思うから

私を大人にしてくれた君にとても感謝している 

勇気をくれたね 孤独をくれたね


タバコの煙と寒さでメガネが曇る 私泣いてるの 何故泣いているんだろう?

その答えは君と私の関係の中にしかないから 

割れたガラス製の林檎のオブジェみたいにプリズム


何時の間にか私の前に傘を差さず立っていた君がいた

涙の訳を聞かないでくれたね 

私の決心が揺らぐけど 

先に口を開いたのは君だった


涙の訳を聞かないでくれたね 

私の決心が揺らぐけど 

先に口を開いたのは君だった


「楽しかったよ」って言われて君の胸の中飛び込みたかった でも……

強く願わなきゃ叶わないと思うから 

ここで切り離さなきゃ新しい一歩は無いと思うから

私を大人にしてくれた君にとても感謝している 

勇気をくれたね 孤独をくれたね


私は「今までありがとう」と言えた 

それが君にもう二度と会えない事を意味するわけじゃないけど

私も君もこれから違う関係性の中で生きて行くんだね 

世の中にもみくちゃにされながら

笑ったり 泣いたり 怒ったり 沈んだり 

そんな気持ちのMOVE感じながら


この街のネオンのキラキラはTOKYOよりも輝いていて

私の一番大好きな場所 心にしまっている「まだ好きだよ」は言えないままで

私のニット帽に新しい風見鶏 真白く染まる ドレスみたいに


こんな夜に思い出と面影を捨てて 歩き出す2人別々の道を 

答えを見つける為に ただひたすら……


今夜は雪が降っている

廃線になった鉄橋の端っこで傘片手に君待ってた さよなら言うために



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ