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Grave of poetry(詩の墓)  作者: 敬愛
北の大地
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Xmas前の恋模様はマーブル

吹き付ける吹雪

まだまだ寝ていたい寒い日


遅刻覚悟で二度寝

もう毛布が恋しくて恋しくて

恋人同士のように股でカニばさみ


そろそろ起きなきゃ 

ダイニングの風景はいつもと変わらず

トーストとコーヒーと目玉焼き


こら朝はご飯を食べなさい!

親父臭いな 

だけど実際もちろん私の実父なのだが


どちらでもいいでしょうに

どうして大人はこうも……と

相手も思ってる 私イイ子じゃないから

ガミガミ言わないでよね


ピンポーン あ、彼だ

最近スカート短くしたの気付くかな


おはよう!元気にあいさつすると彼の表情

が少し曇った


学校の校門までの約10分 珍しく会話が無かった

ただ彼も私も白い息を吐き出し 会話が無い事以外

何の事は無い 周りの雪化粧だって


ねぇ遅刻しちゃう!

私が言うと君に会わせたい人がいるんだ

へー?と思った ただそれだけだった

校門の前に一人の少女が立っていた


彼女は私を無視しておはよう!と彼に抱きついた


こいつと付き合う事になったんだ ゴメンな


突然すぎて心臓が止まるかと思ったよ


そして倒れそうなほど動悸がした


どうして どうして その場では涙をこらえて

へーそうなんだ 急だけどさよならだね

あっさり言えたけど冬の風は正直で私は

誰も言葉では表現できないだろう恐怖を覚えた


雪玉を作って腕を組んで学校の中に入っていく

二人にせめて 一矢報いるための

私の恨み つらみ 悲しみ 怒り

全てを込めた精根を投げた


学年テストでいつも一番のガリ勉メガネに

当たったので私は息もできないほど笑った


今日は学校行きたくない

明日も明後日も 私はそれから誰も信じなくなった 


吹き付ける吹雪

まだまだ寝ていたい寒い日


密告覚悟で二度寝

もう毛布が恋しくて恋しくて

恋人同士のように股でカニばさみ


冬って別れが似合うよなー

そんな事思いながら母さんに今日は

和食にして そう言った


こんな人生も悪くないよ

もっとイイ人いるもん まだ若いし

制服に着替え学校に行くふりをする


私 どうしても 彼を許せない

死ぬまで覚えてると思う


頭の中は未だなんで?なんで?なんで?

で歩道橋の上で行き交う車をぼんやり眺めていた

少し冷えてしまった缶コーヒーを飲みながら


排煙で雪が汚れていく 私の人生のように

地面の色はどっちつかずの白黒マーブル模様だった

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