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冬の夜月
今夜は眠らないでいよう
月が綺麗だから
少しづつほんの少しづつ
傾いていく
その時間の経過を楽しむような
今日は嫌な事があったから少し涙したい気持ちで
人はどうして争うのかな
宇宙にも行った事も無いくせに
外は吹雪いている
布団に包まっていても体温が下がっていく
それがとても心地よくて
今夜は眠らないでいよう
月が赤い満月だから
何か見られているような見守られているような
月は母なる星
でも今日は少し怖い
月は母なる星
昔母親にはよく怒られたものだ
一日十円づつくれて僕はお菓子の空き箱に
それを積み上げていった事を思い出す
今は歩く事も出来ない彼女
ぐっすり眠れているのかな
寂しくないと言えば嘘になる
でももう母親に甘える歳でもない
父親も諦めがついたか最近優しい
環境の変化か雪虫もさっぱり見なかった
知らぬ間に雪が降っていたのです