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クールを気取って距離を縮めてくる後輩女子の策略が、妹を通じて俺に筒抜けな件について  作者: 古野ジョン
第一章 クールな後輩との出会い

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第20話 予期せぬ着信

「もしもし、悠っ?」


 柚希は何事もなかったかのように話し始める。いろいろ言いたいことはあるが、ひとまず様子を伺うことに決めた。


「えっ、おにいが?」


 わざとらしい声を出しながら、ニヤッと笑って俺を見る柚希。よく考えれば、どうして柚希に電話したのだろう? 「この写真は何のつもりですか」と聞くだけなら、俺に直接連絡すればいいはずなのに。


「違う違う、私が撮ったわけじゃないよっ?」


 とか思っていたら、柚希がだんだん嘘をつき始めた。おいおい、それだとまるで俺が用もなく自撮りを送りつけたヤバい先輩みたいじゃないか……。


「えー、なんでって言われても分かんないけど。自分の写真、悠に送りたかったんじゃない?」


 柚希の声しか聞こえないものだから、断片的にしか会話を想像することが出来ない。果たして電話の向こうにいる悠は何を思うのか。変な先輩だと思って呆れているのがオチだろうけど。


「うん、うん……。どうすればいいのって、そんなの簡単じゃん!」


 こういうことを言い出すときの柚希は大抵ろくなことを考えていない。もう十五年間も兄をやっているのだから、行動パターンは読めるというもの。そう、本当にろくでもないことを――


「悠もさっ、おにいに自撮り送ってあげなよっ!!」

「はあっ!?」

「きっと喜ぶと思うからさっ! じゃあねっ!!」


 驚く間もなく、柚希は電話を切ってしまった。何か誇らしげな様子で胸を張り、俺の方を向く。俺を不意打ちで撮ったかと思えば、今度は親友に自撮りを唆すとは。この妹、いったい何が目的なんだ……。


「いや~っ、よかったねおにい!」

「何が!?」

「きっとねっ、これから超かわい~~~い自撮りが届くと思うからさっ!」

「なんで悠が俺にそんなもん送るんだよ!?」

「えー? そんなの、おにいが先に送ったからに決まってるじゃん。後輩は先輩のやり方を真似るものでしょっ?」

「あのなあ……」


 別に俺は自分の意志で写真を送ったわけじゃないし、悠がそのやり方に従っても仕方ないと思うんだけど。それに、悠はたしか「私服姿を先輩に見られたら恥ずかしい」みたいなことを前に言っていたはず。もうアイツも帰宅して着替えただろうし、その状態で自分の写真なんか撮るわけがない。


「あー、おなか空いた! 今日カレーだよねっ?」

「ああ、そうだよ」

「じゃあさっ、自分で温めて食べておくからっ! おにいは悠とやり取りしてなよっ!」

「ちょっ、俺も腹減ってるんだけど――」

「いいから! 待っててってば!」

「ちょっ、柚希!?」


 俺の制止もきかず、柚希は鞄を持って居間の方へと去っていった。しばらく唖然とした後に、ハッとなってスマホを手に取る。そうだっ、悠から何か来るかもしれないし――


「うおっ!?」


 スマホのロックを解除しようとした瞬間、着信があって面食らってしまった。端末を落としそうになったのをなんとか堪えて、改めて画面を見ると、発信者は悠だった。


「悠……?」


 結局俺にも電話をかけてきたのか。「連絡先を交換したからって調子に乗らないでください」とでも言われるのかな。悠のことだ、その可能性はかなり高い。あーあ、妹のせいで後輩に説教を食らうとは……。


 仕方ない、甘んじて受け入れよう。そんなことを考えながら応答ボタンを押した俺は、またしても不意打ちを食らうことになる。なぜなら、次の瞬間に表示されたのは――


「こ、こんばんは……」

「悠……!?」


 ラフな長袖Tシャツを身にまとった、後輩の姿だったからだ。

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