8.交際開始の翌日
レベッカは本作ヒロインの中で最も攻略が容易です。
(前話の翌日、天草 時子視点)
いや~、あの後は本当に2人で盛り上がってしまいましたよ……
レベッカちゃんの唇は柔らかかったし、その後のあれやこれやもまた……
うふ♥️……
うふふふふふ♥️……
うふふふふふふふふふふ♥️……
「レベッカちゃん、可愛いですよ♥️」
「時子も可愛いデ~ス♥️!」
ーイチャイチャ♥️……イチャイチャ♥️……
さあ皆さん、今すぐ私達を見るのです♥️!
恋仲となり、無敵になった私達の勇姿を♥️!
うふふふふふ♥️!
うふふふふふふふふふふふふふふふふ♥️!
「……周りに♥️飛ばしまくってんじゃねぇニャァァァァァァァァン!」
ーバチィィィィィィィィン!
「ぐはっ!」
「デスっ!?」
……イチャイチャしていた私とレベッカちゃんは、何故か怒り狂った菜々乃ちゃんからハリセンでぶっ叩かれてしまいました。
「ニャァ~……公共の場でイチャイチャしてるバカップルが居るって聞いて来たニャンが、まさか変態の告白が成功しちまってたとは予想だにしてなかったニャン……」
「誰が変態ですか!?……というか、素を見せても良いんですか?」
「チッ!……もう私の素は組織全体に知れ渡っちまってるニャンから問題ねぇニャン。……ま、それでも猫は被り続けるニャンが!」
「そ、そうですか……」
それ、猫を被る必要あります?
……なんて言ったら何を言われるか分かったものではないので下手な事は言いませんが。
「それよりレベッカだニャン!……本っ当の本当に時子で良いニャンか?」
「勿の論デ~ス!」
「糞がっ!……さては、この世界における特異点ってこいつだったニャン!?……女だからって無意識に除外しちまってたニャン!」
「……うん、よほど菜々乃ちゃんは私に似ているという叔母さんが嫌いなんですね……」
菜々乃ちゃん、本当に自分の叔母さんと私が大嫌いなんですね……
私、超ショックです。
「じゃ、そういう訳でイチャイチャのし過ぎは注意するニャンよ?……もし今後そういう報告が入ったら即座にハリセンでぶっ叩くニャンからな!」
ースタスタスタ……
「……レベッカちゃん、公共の場でのイチャイチャは控えましょうか……」
「そうデスね……」
いやはや、今後はやりにくくなってしまいました。
……それはそうと、無視出来ない事もあります。
「それより、レベッカちゃん。……菜々乃ちゃんの接近に気付けましたか?」
「いいえ……いくらイチャついてたとはいえ、あそこまで接近を許すとは思えマセ~ん!」
私達は確かにイチャイチャしていました。
ですが、それでも最低限の警戒はしていました。
その上で菜々乃ちゃんに気付けなかったとなると、菜々乃ちゃんがそれだけの実力者だったという話になります。
……だとすれば、菜々乃ちゃんと那奈耶ちゃんは何者なんでしょう?
謎は尽きません……
と、その時でした。
「あら、奇遇なのだわ」
「あ、王魅ちゃん!」
「王魅~、おはようデ~ス!」
王魅ちゃんとバッタリ遭遇したのです。
そして、王魅ちゃんはすぐに私達2人の変化に気付いた様でして……
「……ところで、時子もレベッカもベタベタ密着し過ぎなのだわ。……前までそこまでくっ付いてなんかなかった気がするのだわ」
……と、私達が密着し過ぎだという事実を指摘して来ました。
「あ~、それなのですが……」
「簡単な話デ~ス!……単純に私と時子が交際を開始しただけで~……」
「……ん?……私の耳が確かなら、2人が交際を開始したと聞こえたのだわ……」
「ハ~イ!そう言いマシたからね!」
「へ、へぇ~……そ、そうなのだわね……」
あ、王魅ちゃんが困惑しています。
これは王魅ちゃんを攻略する時に難航しそ……
「時子、もしかして王魅も百合ハーレムに入れようとしてマスか?」
「あ、それは……レベッカちゃん、言わなくても分かっちゃいましたか?」
「ええ。……それと、私はそれをどうこう言うつもりもありマセ~ん。……ハーレムが増えるという事は頼れる家族が増えるのと同じデスからね!」
「なるほど、レベッカちゃんはそういう考え方をしているんですか。……私と同じですね」
「ふふっ♥️……これでも時子の恋人デスから!」
「うふふふふふふふふふふふふふふふふ♥️!」
「……聞かなかった事にするのだわ……」
あ、王魅ちゃんにドン引かれています……
もっとも、この程度では挫けません♥️!
「も~、時子はその妄想するクセどうにかした方が良いデスよ~♥️?……勿論、私は気にしマセんが菜々乃にハリセンでぶっ叩かれるのがオチなんデスから♥️」
「そうですね♥️。……うふふふふふ♥️」
「い、イチャついてるのだわ……」
幸せですね~♥️。
この幸せな日常が永遠に崩れなければもう言う事ナシなんですが……
ーブゥゥゥ!ブゥゥゥ!ブゥゥゥ!
『天草 時子、帝星 王魅、レベッカ・ビリーヴの3人は今すぐ司令官室に来るように!』
あ、平穏はたった今終わりました。
「……短い平穏でした……」
「しょ~がないデスよ」
「え、私これからカップルと一緒に仕事しなきゃいけないのだわ!?」
そうして私達3人が各々思ってる事を一方的に言いながら、司令官室へと向かいました。
それから少しして、司令官室。
「よく来たなァ。……あ、時子とレベッカが付き合い始めたって情報は受付の菜々乃から上がってるから言わなくても良いぞォ?」
「ほんま、おめでとさん」
……軍破さんと蛍菜さんには、菜々乃ちゃんから報告が上がってた様です。
あの人、何をしたいんでしょうか?
まあ、それはそれとして……
「いや~、ありがとうございます~」
「ありがとデ~ス!」
「……複雑なのだわ……」
祝福の感謝はしますよ~?
……感謝は、ね。
「……それで、何の用です?」
「単刀直入に言うぞォ?……お前達3人を、神魔タウルスとの戦闘で投入する事が決まったァ」
「「「……は?」」」
えっと、私達3人を神魔タウルス戦に投入?
……頭が沸いてらっしゃいます?
「まァ待てやァ。……正直に言えば、下手に他の戦力も投入出来ねぇんだよなァ……何せ、神魔タウルスを倒した後に他の神魔が後詰めで来ねぇとも限らねぇしなァ……」
「それで、単体戦力としては微妙な私達を投入して他の魔法少女の皆さんを温存すると?」
「そういうこったァ」
……思うところはあります。
軍破さんと蛍菜さんが苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべている事から見ても、2人がこの作戦に乗り気でないもの分かります。
ただ、私達としては……
「えっと、レベッカちゃん?」
「はい、密参加せずに済みマシた……」
「……2人とも、何するつもりだったのだわ?」
あはは……
そこはまあ、知らぬが仏って言うじゃないですか。
「じゃ、神魔タウルスについて現時点で分かってる事を言うぞォ?……その肉体は神魔の中でも最大サイズで、背中やら頭部やらが雲を突き抜けてる4足歩行で大きな白い雄牛って感じだなァ」
「加えて、神魔タウルスの周囲を古の伝説に登場するミノタウロス型の上級天魔が、まるで牛に群がる蝿の如く飛び回っとるわ」
「更に神魔タウルスが踏みしめた大地の周辺はクレーターと化し、その進行には落雷が伴うとも記述されてるなァ」
……うんうん、なるほど……
雲をも越える体高、牛に群がる蝿の如く飛び回るミノタウロス型上級天魔、踏みしめた大地はクレーターと化し、進行に伴う落雷……
……無理ゲーでは?
「あの~……これ、勝ち目あります?」
「んな事はオレ達が1番分かってんだァ!」
「せやから、ウチ等も頭を抱えとるんよ……」
あ、駄目そうですね……
こうして私達の神魔タウルス討伐決戦は、作戦立案の時点で暗礁に乗り上げてしまったのでした……
ご読了ありがとうございます。
神魔タウルスは、サイズだけなら神魔の中でも最大です。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。
 




