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6.浅山姉妹と魔法少女組織の今後

浅山姉妹については、そういうキャラ達だとでも認識してくれてると幸いです。

(浅山 菜々乃視点)


「おい、聞いたか!?」


「まさか、このタイミングで……」


「どうするよ!?」


ーざわざわ……ざわざわ……


私が担当する受付の周囲が煩くなってるニャンな。


……ったく、これだから平和ボケした奴等は……


と、そこへ……


「あれ、姉さん?……そ、(それがし)が居ない間に何かございましたニャン?」


着ぐるみ業務で外回りに行っていた那奈耶が帰って来やがったニャン。


「何かってか……神魔タウルスが人類に宣戦布告しやがっただけニャン」


「姉さん、猫被り忘れてるでございま……え?」


「だ~か~ら~、神魔タウルスが人類に宣戦布告をしやがったって言ってるニャン!」


「……ほ、本当でございますニャンか?」


那奈耶、恥ずかしがり屋なせいでずっと着ぐるみを脱がずに聞いてきやがるニャンが、何度聞かれても答えは変わらねぇニャン。


……それよりその着ぐるみ、確か"魔法少女カツネちゃん"ってマスコットだったニャンか?


ずんぐりタイプじゃなくて肉体に割かしフィットしてるタイプの着ぐるみだニャンから、尚更こいつが脱ぎたがらねぇニャン。


「本当だニャン!……で、どうするニャン?」


「どうする……とは?」


「正直、私達がこの世界(・・・・)に残る(・・・)義理はねぇニャン。……だから、元の世界に帰りたきゃ帰っても……」


「その場合、姉さんはどうするおつもりニャン?」


「そうなったら……私は残るニャン」


私達はこの世界(・・・・)の人間(・・・)じゃねぇ(・・・・)ニャン。


つっても、私はこの世界を見捨てられる程の冷血人間でもねぇニャン。


だから、私は意地でも残るニャン。


ただ……せめて那奈耶だけでも帰るべきだって思って提案したんニャンが……


「え、普通に某も残るでございますニャンよ?」


「……そう言うと思ってたニャン」


やっぱり、那奈耶も残るニャンか。


「駄目でございますニャンか?」


「駄目じゃねぇニャンが、吐いた唾はもう飲み込めねぇニャンよ?」


「元よりそのつもりでございますニャン!」


「……ケッ!」


ハァ~……


本っ当にこいつは……


パピ~だったら絶対に後ろ髪を引かれつつ帰ってたニャンよ?


……いや、パピ~もマミ~達が残るって言ったら絶対に残るニャンな……


「……では、ここからは私達も参戦するのでございますニャンか?」


「いいや、まだ私達は出ねぇニャン。……未だ、相手の力量もよく分かってねぇニャンからな」


「……某、承知いたしましたニャン」


私達の出番はまだ先だニャン。


今はまだ、私達が表舞台に出るのは得策と言えねぇニャンからな!


「ま、今はあいつ等を信じるしかねぇニャン!」


「……あの人達を、でございますニャンか?」


「そうだニャン。……あの時子とかいう茜叔母様の同類だけは信じたくねぇニャンが!」


「茜叔母さんの同類でございますニャンか……あ、今回の件も茜叔母さんに声をかけておくでございますニャンか?」


……そう言われても、茜叔母様に頼るのだけは絶対に嫌だニャン。


確かに茜叔母様は最強だし悪い人ではねぇニャンが、それでも出来る事なら会いたくもねぇニャン。


何より……


「茜叔母様は今、ダンジョンだらけの世界に居る風斗を手伝う気満々らしいニャン。……だから、私達が頼るのも気が引けるニャン……」


「ああ、そうでございますニャンね……」


パピ~やマミ~達、茜叔母様の友人の娘である風斗の方も大変そうだニャンからな~。


……風斗の弟の冥堂は割と楽な世界を割り当てられてるってのに……


風斗にはほんと同情するニャン。


と、そんな会話をしてた時だったニャン。


「ん?……菜々乃はんも那奈耶はんも険しい顔しとるな~。……ウチに相談してもええんやで?」


この組織の実質的なNo.2、菊火花 蛍菜が受付に立ってやがったニャン。


「ふぇ~♥️、さっきから皆さんが騒々しくしてるのが怖くってぇ~♥️!……私ぃ♥️、不安になってたんですニャ~ン♥️!」


「……菜々乃はん、猫被るんが下手なんやから辞めときよし?」


「糞がっ!……どうして私の猫被りはバレちまうんだニャン!」


「そういうところでございますニャンよ?」


あ~もう!


何で猫被りがバレちまうニャンかな~。


……だからって猫被りを辞めるつもりも毛頭ねぇニャンが!


「ま、不安になっとる理由は分かったわ。……こればっかりはウチ等を信じてとしか言えへんけど」


「分かったニャ~ン♥️」


「某も承知いたしましたニャン!」


取り敢えず、まずはこいつ等のお手並み拝見とするニャンか。


……多分、普通に私より強いだろうニャンが……


それで神魔と勝負になるかが問題だニャン。


「うん、勝てる筈や。……でないと、ウチ等は終わってまう……」


ースタスタスタ……


結局、蛍菜はブツブツと何かを呟きながら行っちまったニャン。


にしても、こっからどうなるニャンか……


この組織の戦力、しっかりと見定めさせて貰うとするニャンよ……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(俯瞰(ふかん)視点)


「待たせたで!……ちょいと一般職員に聞き込みしとったんやけど、皆不安になっとったわ!」


「そうかァ……」


軍破も蛍菜も焦っていた。


神魔タウルスによる突然の宣戦布告。


それは青天の霹靂であり、多くの一般職員へと情報が伝わった今となっては既に混乱が広がっていたからだ。


「……で、どうするっすか?」


「そうでござる!……拙者達は、この局面でどう動くべきでござるか!?」


「ここで戦わないと女が廃るノダ!」


「けひゃひゃひゃ!……マジウケジワる~!」


「笑ってる場合じゃないザマス!」


「話が逸れてるアルネ!」


「余はいつでも公平故、この程度では狼狽えなりしないなり!」


ここに集まっていたのは、新人3人とラビィリンを除く9人の魔法少女達。


全員がこの事態を重く受け止めつつ、表向きは軽く雑談に興じていた。


「……そうは言うが、神魔対策はオレとしても悩みの種になっててなァ……下手に全戦力を突っ込んじまうと、後詰めとして別の神魔が侵略して来た場合に対応出来なくなっちまうんだよなァ……」


「過去、複数の神魔が同時に侵略して来た事例はあらへんかったけど、神魔が撤退した直後に別の神魔が侵略して来た事例は普通にあったからなぁ……」


軍破と蛍菜は淡々とそう説明したが、その言葉に他の魔法少女達は何も返せなかった。


が、その沈黙を破る者が1人。


「……ならば、今回タウルスの言葉を受け取ったという3人を駆り出すのはどうなり?……その者達であれば喪ってもさほど損失となる者達ではないなりよ?」


不思議な態度の魔法少女が、そんな言葉を吐き出したのだ。


「なっ……」


「おい、その言葉が何を意味するか分かって言ってんだよなァ?」


「分かってるでなりよ?……しかし、神殺しを成し遂げるからには犠牲も付き物なり!」


「んな犠牲、オレが認められるかよォ!」


即座に一触即発な空気となる軍破と不思議な雰囲気の魔法少女。


しかしながら、不思議な雰囲気の魔法少女がすぐさま口を開いて……


「そうなりか……ならば謝罪をするなり」


「ハァ?」


「これまでこの様な緊急事態は起きて来なかった故に、軍破がこの言葉でそこまで本気で怒るとは予想していなかったなり。……犠牲ナシを望むのであれば、今後はその方向で物事を考えてみるなり」


「お、おう……今後は注意しろよォ?」


「ほんま、未だに距離感掴めへんわ~」


すぐに発言に対する謝罪を行った該当魔法少女に対し、軍破は困惑しつつも矛を納め、蛍菜は距離感を掴めないと嘆いていた。


なお、この不思議な雰囲気の魔法少女は純人間で未だ20代である。


「取り敢えず、しばらくしたら方針を伝えるからそれまで各々の業務に取り組んでくれやァ」


「ごめんなぁ~?」


こうして、魔法少女達の会議は終わった。


結果的に何も決まらなかったが、今後の方針を伝えられただけで充分な成果とも言えただろう。


……もっとも、何も決まらなかったというマイナス要素が大き過ぎたが……

ご読了ありがとうございます。


そろそろ恋愛パートも進めたい……


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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