4.猫被りの受付嬢
先に言っておきます。
今回新登場する新キャラは、作者の別の自作キャラの子供が世界の壁を超えて来ています。
(天草 時子視点)
……レベッカちゃんとのラーメンデートを終えてから1週間が経過しました。
えっ?
デートの結果?
2人でラーメンを食べて終わりましたが何か?
あ、ラーメンは美味しかったです。
……つまりまあ、ラーメンの味やレベッカちゃんとの会話以外の収穫は全く無し。
進展も糞もありませんでした。
……それに加えてこの1週間。
王魅ちゃんからは避けられ、レベッカちゃんは何処かに出かけてて不在な日ばかり。
挙げ句の果てに天魔関連の業務すら起こらず……
本当に楽しくない1週間でした。
「……という訳なんですけど、私はどうすればレベッカちゃんを口説き落とせると思いますか?」
そして、私はそんなどうしようもない愚痴を"ある人物"に吐き出していました。
「え~♥️、そうニャンね~♥️。……私ぃ♥️、そういう難しい話は分からないニャ~ン♥️」
ーゆっさゆっさ
その人物とは、魔法少女の組織で受付嬢を担当している浅山 菜々乃ちゃん (※非魔法少女) 。
ピンク色の髪と愛らしい猫耳が特徴的な猫の亜人の女性なんですけど、その性格は1発で猫を被っていると分かり切ってしまうものでした。
「ハァ……菜々乃さん、猫を被るの下手ですか?」
「ふぇぇぇぇぇ~♥️!……私、猫を被ってなんかないニャ~ン♥️!」
ーゆっさゆっさ
「その猫撫で声とわざとらしい身振り手振りは誤魔化せないですよ!」
「ニャンッ!?」
まあ、菜々乃ちゃんが猫を被ってる事はどうでも良いんです。
あまりにも雑なので気になったというだけで!
「はい、この話はここまでです!……で、私の相談への答えは?」
「……も~、お好きにやってニャ~ン♥️」
「あ、投げ出されてしまいました……」
思えば、菜々乃ちゃんも恋愛下手そうですし……
……相談相手を間違えましたね。
「それこそ、那奈耶ちゃんが居れば何か分かったかもしれないニャンけど……あの子は今、イベントで外回りに出てるニャ~ン♥️」
ーゆっさゆっさ
「そうでしたね……」
菜々乃ちゃんが言う那奈耶ちゃんのフルネームは、浅山 那奈耶 (※同じく非魔法少女) 。
菜々乃ちゃんの双子の妹で、いつもこの組織においてマスコットの着ぐるみ業務をしています。
なお、双子の妹とは言っても二卵性で見た目は少々違うらしいです。
"らしい"というのは、那奈耶ちゃんがいつも着ぐるみを着ていて、私ですらその姿を見た事がないからですが。
「とはいえ、百合ハーレムを作るとは大きく出たニャ~ン♥️。……ぼそっ……まさか、茜叔母様の他にそんな馬鹿をする女が居るとは驚いたニャン……」
「ん?……何か言いました?」
「何でもないニャ~ン♥️」
ーゆっさゆっさ
ん?
今、何か聞こえた気がしたのですが……
気のせいですかね?
「ま、私だってどうせ良い返事が貰えるとは思っていませんでしたよ。……菜々乃ちゃん、こう言ってはアレですが恋愛下手そうですし……」
「言ってくれるニャ~ン♥️。……でも、私のパピ~は恋愛経験豊富で……豊富?……あれはいっそ特異点と呼んだ方が良い感じニャン?」
「ん?……菜々乃ちゃんのお父様、ですか?」
「ニャンニャン♥️。……パピ~はパッと見では冴えない男のクセして何故かハーレムを築いてた変わり者で、私も何でマミ~達はあんな何処にでも居る様な男に恋したんだって思った程の男だニャン。……でも、アレでもちゃんと旦那や父親としては真っ当な男だったニャンな……」
「へ、へぇ~……って菜々乃ちゃん、素が出かけてますよ?」
「ニャン?……あ、今のナシで頼むニャン!」
「は、はい!」
おっと……
何か図らずも菜々乃ちゃんの複雑な家庭事情を知っちゃいましたね……
ハーレムを築いていた父親、ですか……
それはそれで興味もありますが、よそ様の家庭事情を詮索するのは辞めておきましょう。
「こ、こほん!……で、時子さんはどうしたいんですニャ~ン♥️?……百合ハーレムとは言っても、具体的な事が分かってないと……私ぃ♥️、何もアドバイス出来ませんニャ~ン♥️」
「百合ハーレムは百合ハーレムですが?……多くの可愛い女の子を侍らせて、全員とエッ♥️な事をやって色欲に堕ちてしまいた……」
「女の敵ニャァァァァァン!」
ーブンッ!ドンッ!
「ぐへっ!?」
ードサッ!
……菜々乃ちゃんに殴られてしまいました。
いやまあ、流石に気持ち悪かったですよね……
「あ、ごめんなさいニャ~ン♥️!」
「ね、猫被って謝られてもですね……」
ただ、あの気迫には"何か"を感じました。
いったい、"何"が彼女をここまで……
「ふぅ……いやマジで理由はともかく殴っちまったのはすまんニャン。……ちょっとあか……叔母様を思い出しちまってニャン……」
「……え、それが菜々乃ちゃんの素!?」
え、そういう強気なタイプ!?
腹黒な感じかと思ってたけど……これはこれでアリかもしれないですねぇ♥️。
「流石に猫を被って謝るのは悪いと……悪い?と思ったニャンよ……」
「あ~……って、菜々乃ちゃんの叔母さんは私に似てるのですか?」
「似てるニャン。……同性愛者なところも、それとは関係なく変態なところも、恋愛方面の百合ハーレムを望んでるところも……」
「……私ってそう認識されてたんですか……」
ただ、その叔母さんとは話が合いそうです。
1度会ってみたいですね……
「まさしく、女の敵だニャン!……いや、彼女さん達は幸せそうだニャンけど!」
「あ~、それで私は殴られたと……」
うん、この話題の方もこれ以上詮索しないでおきましょう。
私が菜々乃ちゃんからどれだけ軽蔑されるか分かったものではありません。
と、そんな時でした。
ーブゥゥゥ!ブゥゥゥ!ブゥゥゥ!
『緩衝地帯の危険域に中級天魔の侵入あり!……ただし敵が中級天魔な事もあってそこまで重要度の高い任務ではないと判断!……よって時子、王魅、レベッカの3人は至急、転移扉の前に集合してください!』
「……時子さん、仕事みたいニャ~ン♥️」
「そうですね、ハァ……」
中級天魔、ですか……
前回よりは強い相手ですが、私達で何とか出来ない事もないといった案配でしょう。
あ、転移扉というのは敵のもとまで一瞬で行ける不思議な扉で、これもラビィリン様の能力の1つらしいです。
「あ、それとさっきの質問に私が出来るアトバイスですニャンが……もうさっさと押し倒して既成事実作ってみろニャン!……それで殺されても文句は受け付けないニャンが……」
「え、暗に私に死ねと言ってます?」
「時子さんはいっその事死んだ方が世のため人のためニャ~ン♥️」
「酷くないですか!?」
猫被りモードなので冗談だと思いたいですが……
菜々乃ちゃん、よほど私に似ているという叔母さんが嫌いなのでしょうか?
……ま、それはそれとして"当たって砕けろ"という風に好意的解釈しておきますけど!
「……骨は拾ってあげますニャ~ン♥️」
「縁起でもない事を言うの辞めてください!」
そんなやり取りをしつつ、私は急いで転移扉へと向かいました。
……それにしても菜々乃ちゃん、一応は私の百合ハーレム構成員候補だったんですけど……あれは脈ナシですね。
ハァ~、残念残念。
さ、気落ちしててもどうにもなりませんし、気を取り直してレベッカちゃんを口説き落とすとしましょうか!
ご読了ありがとうございます。
菜々乃は今後も時子の相談相手にするつもりです。
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後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




