3.レベッカとのラーメンデート?
読まれずとも、更新はします。
でも、こればっかりでも駄目で……
(天草 時子視点)
「ハァ……まさか軍破さんから怒られるとは……」
「確かに私達はあの程度の敵に時間をかけ過ぎたかもしれないのだわ。でも、流石にあそこまで言わなくても……」
「多分、あれでも私達の事を心配しているんだと思うのデ~ス。……何せ、あの程度の敵に時間をかけてたら今後もっと強い敵が出て来た時に不安になるじゃないデスか」
「そ、それはそうなのだわ……」
軍破さんに怒られ、司令官室を後にした私達は、そんな事を話しながら歩いていました。
……それにしても、王魅ちゃんもレベッカちゃんも魅力的ですね~♥️。
あ、2人の事も改めて思い返しましょう。
まず、『~のだわ』口調の子は帝星 王魅ちゃん。
真紅の長髪が綺麗な同年代の女の子で、髪や腕に赤い羽毛が生えている鳥の亜人です。
そんな王魅ちゃんの魔法少女としてのコスチュームは真っ赤なドレスで、武器として鞭を持っています!
あ~、1回だけで良いから王魅ちゃんからSMプレイで責められたいな~♥️。
「うふふふふ♥️……」
「……時子、気持ち悪いのだわ……」
「何を妄想してるんデ~スか?」
あ、妄想してるのバレバレでしたか。
いや~、王魅ちゃんとのSMプレイはいつか絶対に叶えるとして、次はレベッカちゃんについて♥️。
レベッカちゃんのフルネームは、レベッカ・ビリーヴちゃん。
金髪青瞳が特徴的な外国人の血筋なのですが、本人も血筋のルーツは知らないそうです。
そんなレベッカちゃんの魔法少女としてのコスチュームは西部劇に登場するカウガールそのもので、武器も2丁の西部劇風ピストルでした。
……あ~、私もこんなカウガールと一緒に西部劇の舞台を駆け抜けてみたかったです♥️。
「うふふふふ♥️……」
「また笑ってるのだわ……」
「ほんと、何考えてるんデスかね?」
……そんな2人とトリオを組む事になった私はというと、軽く伸ばした茶髪くらいしか特徴がない平凡なモブキャラAといった容姿です。
魔法少女としてのコスチュームも、ありがちなピンクのフリフリスカート。
……この先、2人に精神的ショックを与えて退場する噛ませ犬キャラですかね?
「ハァ……」
「こ、今度は落ち込んだのだわ!」
「感情の上げ下げが忙しい人デスね~」
いいや、私は生き残ってみせますよ!
前世では愚かにも不注意による熱中症で人生を終えましたが、今世こそは楽しい楽園ライフで寿命まで生きてやるのです……
「ふむ、手始めに可愛い女の子で百合ハーレムを作るのもアリですね♥️。……うふふふふ♥️……」
「ひぃっ!?……し、失礼するのだわ!」
ータッタッタッ!
「……はっ!?……私、今喋ってましたか!?」
「Yes!しっかりはっきり口に出して百合ハーレムを作るって言ってたデ~ス!」
「なっ……」
ガァァァァァ~ン!
これ、確実に王魅ちゃんからの好感度がだだ下がりしましたね……
ああ、私の悪いクセです……
「Oh……時子、ここは気晴らしとして一緒にラーメンでも食べに行きマショ~」
「ぐすん……レベッカちゃんは気持ち悪いと思わないんだね?」
「いえ?……正直気持ち悪いデスけど許容範囲内ってだけデ~ス!」
「ぐはっ!」
や、やっぱり気持ち悪かったですよね……
でも、ラーメンはご一緒します!
そうして私は、レベッカちゃんと一緒にラーメン屋へと向かう事になりました。
うふふふふ♥️……これはもうデートと言っても良いでしょう♥️!
そして30分後……
「大将、いつもの2つお願いしマ~ス!」
「あいよ!」
私達が訪れたのは、古き良き下町風情が残るラーメン屋。
……ふむふむ、これは期待出来ますね。
「それにしても、こういう店に来ると私達が滅亡寸前ギリギリの瀬戸際に居るっていう事を忘れてしまいそうになります」
「Yes!……これも全てラビィリン様のお陰デ~ス!」
「はい、そうですね……」
レベッカちゃんにラビィリン様と呼ばれているのは、〈迷宮〉の魔法少女ラビィリン・スー様という人物。
他の魔法少女とは完全な別枠扱いをされている彼女はこの数百年の間、私達人類を天魔による災いから守ってくれているのです。
……ええ、そんなに長い年月を本当に生きているとなると確実に人外でしょう。
そもそも、彼女は13人の魔法少女には含まれていません。
しかし、公には魔法少女は絶対に13人だと言われています。
矛盾していますよね?
ですが、それには深い理由が……
……おっと、この話題にはまだ触れるべきではありませんね。
「ラビィリン様が展開している結界の中は、本来の土地よりも広くなっていマ~ス!……だから、多人数が居ても何とかなっていマスし……」
「ただし、人類が滅亡寸前ギリギリなのはどうしようもないですけどね。……私達は箱庭に逃げ込んでいるだけで、そのすぐ外には天魔や神魔が群がっているのですから……」
かろうじてディストピアになっていないとはいえ、神魔がやって来れば結界も無事では済みません。
その時は、確実に誰かしらが死にます。
「Oh……時子は心配性デスね~」
「逆に私としては、どうしてそんな楽観視出来るのか分からないのですが……」
「楽観視とは少し違いマ~ス。……もし天魔が結界を壊そうとした場合、その対処を担うのは私達なんデスよ?……それなのに結界を壊された後の事を考えてるなんて、自分達が負ける未来を考えてるのと同じデ~ス!」
「っ!」
レベッカちゃんの言葉は衝撃でした。
何せ、私が不安視している未来は私達が負けた後の未来という意味です。
……勝負をする前から負けた後の事を考えるだけなら悪くありませんが、その負けを前提条件にするのは違います。
「天魔が緩衝地帯の危険域まで来れば、私達の獲物デ~ス!……確かに私達はまだ未熟デスが、それでも天魔を結界に辿り着かせる様なヘマをするつもりはありマセ~ん!」
「レベッカちゃん……」
結界を取り囲む緩衝地帯……
その中でも危険域と呼ばれる地域に来た天魔を狩るのが私達の基本業務とはいえ……
……私とは魔法少女業務に対する覚悟の差が段違いです。
「ま、今はまだ軍破さんに怒られちゃう未熟者なんデスけどね?」
「ははは……それさえ無ければ良い事を言ってる風だったんですがね……」
「でもでも、絶対に今よりもっともっと強くなってみせマ~ス!」
「……ほんと、眩しいですねぇ……」
私とは違う、ナチュラルボーンポジティブガール。
それは確かに美点です。
ですが、弱点にもなり得ます。
と、その時でした。
「お待ちどう!注文のラーメン2つだよ!」
注文していたラーメンがお出しされました。
「ありがとうございマ~ス!……時子、このラーメンはとっても美味しくてデスね~!」
「うんうん♥️……じゅるり♥️」
「も~、このラーメンが美味しそうなのは分かりマスけど、舌なめずりは行儀が悪いデスよ?」
「う~ん、そっちじゃないんですけど……」
「?」
レベッカちゃんは基本的に、人を疑いません。
……より正確に言えば、悪意を持っていない人を疑いません。
つまり、先程百合ハーレムを作ると言い放った私ですら、レベッカちゃんは警戒していません。
ハァ~♥️。
これはこれは……本当に純粋で無垢で♥️。
「……とても美味しそうです♥️」
「デ~ス!」
会話が微妙に噛み合っていませんが、今はこれで良いでしょう。
うふふふふ♥️。
百合ハーレムの1人目はレベッカちゃん、貴女にすると決めましたから♥️。
ご読了ありがとうございます。
レベッカは相手が悪意を持っていればちゃんと見破りますが、悪意がないと善意として受け取ります。
気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。
後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。




