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11.【巨牛の進軍】

先に言っておきます。


……神魔タウルス×20頭以上なんて、真面目にバトルする方がおかしいので抜け道的な解決方法で行きます。

(天草 時子視点)


ラビィリン様からもたらされた、到底信じられない情報。


それを聞いた私は……


「えっ……あのレベルの敵が20体以上って、本気で言ってるんですか!?」


……ラビィリン様からの報告を信じられず、そう問いかけていました。


しかし、返って来た答えは残酷で……


『本当だラビ!……でも、神魔タウルスと同じサイズの天魔か神魔が複数体も居るなんて情報はこれまで1度だって聞いた事も見た事も……』


「……それでも本当、なんですよね?」


『そ、そうラビ……』


情報は本当。


となると、神魔タウルスと同じサイズの敵が複数体も居る事に……


そんなあり得ないとしか言い様がない情報を前に、軍破さんと蛍菜さんを除く私達3人は思わずフリーズしてしまいました。


と、そんな時でした。


『モォォォォォォォォォ……ふむ、人類もなかなかやる様だな……先走った私の分け身(・・・)を相手にそれ程までに戦えるとは……』


ーガラ~ン……ゴ~ン……ガラ~ン……


突如、何処からかそんな声と大きな(ベル)の音が聞こえ始めました。


いえ、それよりも……


「先走った分け身、と言いましたか?」


その中にあった無視出来ない言葉。


これが本当なら……


『左様。……私の〈神罰〉、【巨牛の進軍】によって生み出された分け身の内の1頭だ……』


ーゴ~ン……ガラ~ン……ゴ~ン……


「【巨牛の進軍】?……えっと、それは……」


「時子はん、後はウチが引き継ぐわ。……で、あんたは【巨牛の進軍】って言うとったけど、これまでの神魔タウルスに関する襲撃記録やと神魔タウルスは1頭だけって事になっとるんや。……そこんとこどうなん?」


あ、質問役は蛍菜さんが引き受けてくれました。


……なお、蛍菜さんは未だに魔法を連発中です。


ただ、そんなのは関係ないとばかりに話は続き……


『簡単な話だ。……これまでの人類は、その先走った分け身1頭に負けていただけの事……或いは、そもそも〈神罰〉を使うまでもなかったという事もあったか……』


ーガラ~ン……ゴ~ン……ガラ~ン……


「なっ!?……つまり、今回は想定以上にウチ等が粘っとったから、あんたが来るのが間に合ってしもたっちゅう事かいな!」


『そうだな。……が、どう頑張ったところで分け身は倒せん。……それは、いくら攻撃を受けたところで倒れないものだからな……』


ーゴ~ン……ガラ~ン……ゴ~ン……


「そんなんアリかいな!」


『無論、それに見合った制約も存在する。……例えば、群れの中には必ず本体である私も混ざる必要があり、本体と分け身は一定以上の距離は離れられない、そして分け身は本体が死ねば全て死に絶えて消滅する、等のな……』


ーガラ~ン……ゴ~ン……ガラ~ン……


え、それが制約?


そんなの……


「それが見合った制約やって?……寧ろお釣りが来るレベルで見合ってへんやろ!」


あ、はい。


私もそう思ってました。


『今言ったのはあくまでも一例だ。……実際はもっと沢山かつ複雑な制約が存在して……』


ーゴ~ン……ガラ~ン……ゴ~ン……


「そんなんいちいち聞いてられんわ!……とにかく、あんたの本体を倒せば万事解決なんやな!」


『そうだ……』


ーガラ~ン……ゴ~ン……ガラ~ン……


……結局、本物の神魔タウルスを倒せば終わると。


これだけ聞くと簡単そうですが、実際は群れの中から本体を見つけ出さないといけない上に、あのサイズの巨体にダメージを与えられそうな軍破さんと蛍菜さんが先走った分け身1頭の足止めに精一杯な現状を踏まえると……


あの~……これ、詰んでません?


詰んでますよね!?


と、そんなタイミングでした。


「「「「「モォォォォォォォォォ……」」」」」


「「「「「っ!?」」」」」


突如として聞こえて来た、複数頭の牛による大きな鳴き声。


急いでそちらを見れば……


「「「「「モォォォォォォォォォ……」」」」」


「あ、あぁ……」


その風景は、まるで前世で見た漫画の1シーンによく似ていて……


……とてつもない絶望感を伴っていました。


「あ、あぁぁ……嘘……こんなの、まるで地……らしですよ……」


私がそう無意識に呟く程の光景……


大量の巨牛がこちらへと突進して来る姿を見た私の精神は、底無しの絶望に引き込まれたのでした……



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(レベッカ・ビリーヴ視点)


私にとって時子は、とっても大切な恋人デ~ス。


同時に王魅は、とっても大切な仲間デ~ス。


そして軍破さんも蛍菜さんも他の魔法少女の先輩方も受付の菜々乃さんも着ぐるみ業務の那奈耶さんも他の一般職員の皆さんもみんなみんなみ~んな、私の大切な仲間達デ~ス!


……だからこそ、魔法少女としての任務で手を抜くなんて事はしマセん。


大切な恋人や仲間達が死ぬかもしれない任務で手を抜けば、場合によっては取り返しのつかない未来が待ち受けていマスからね……


何より、そんなものはかつての私が憧れた魔法少女という英雄(ヒーロー)の在るべき姿ではないという理由も大きいデショう。


つまり、何が言いたいかというと……


……私は"大切な誰か"を守るためなら何だってするという事デ~ス!


とまあ、それはさておき……


「「「「「モォォォォォォォォォ……」」」」」


ードシン!ガラ~ン!ドシン!ゴ~ン!


現在進行形で軍破さんと蛍菜さんが削っていた巨牛の遥か後方から、同サイズの巨牛が20頭以上も走って来ていたのデ~ス!


「あ、あぁぁ……嘘……こんなの、まるで地……らしですよ……」


「時子、気をしっかり持つのデ~ス!」


「あ、あんなの勝てっこないのだわ!」


「弱気にならんといてぇ~な!」


さっきまで1頭だけで凄まじい威圧感を放っていた巨牛が、まさか20頭以上も……


いえ、ここで恐怖に呑まれてはいけマセん!


「時子、私が居マ~ス!」


「レベッカ……ちゃん?」


「私と時子が一緒なら、何も怖くないんじゃなかったんデスか?」


「あっ……は、はい!そうですね!」


ふぅ……何とか時子を正気に戻せマシた。


……それはそうと、安心した時子の顔を見てると段々ムラムラして来マ~ス。


「あ~、緊急事態の最中デスがちょっとだけ失礼するデ~ス♥️!……ちゅっ♥️」


「んぐっ!?」


私は強引に時子の唇を奪い、情熱的なキスをしマシた♥️。


体を密着させ、舌を絡ませ、それはもうと~っても熱烈なキスを♥️……


「ブフォ!……な、何してるのだわ!?」


「今は盛っとる場合やないの分かるやろ!?」


王魅と蛍菜さんがドン引きしてマシたが、私はキスを辞めマセ~ん。


……すると、何やら右手の甲が熱くなって……


「ぷはっ♥️……What's?」


「ぷはっ……ん?」


私がふと熱くなった右手の甲を見ると、そこには♥️(ハート)の中に弾丸が描かれている感じの模様が浮かんでいたのデ~ス!


対して時子の右手の甲にも、♥️(ハート)の中に時計が描かれている感じの模様が浮かんでいて……


「ん~……何デスか、これ?」


「私が知りたいですよ……」


「え、何なのだわ、それ……」


「ウチも知らん……何やそれ、怖っ!」


その場に居る4人全員が困惑していマシた。


と、その時デシた。


「おいィィィィィィ!……結局オレはどうすりゃ良いんだァァァァァァァァァァァァァァァ!」


「あ、軍破はん!……そういや、ずっと分け身を削り続けててくれてたんやったわ!」


「つっても、こいつにダメージは通らねぇんだろォォォォォォォォォォォ!?」


「相変わらずの地獄耳やな~!……せやから、ウチ等もどうしようかと悩んで……」


……軍破さんの問いかけに対し、蛍菜さんも頭を抱えている様子デスね。


となれば、出来る事は1つデ~ス!


「時子、ここは私達の出番デ~ス!」


「え、いや結局このマークが何なのかも分かっていないのですが!?」


「何とかなるの精神デ~ス!」


「楽観視し過ぎですよ!」


それに、このマークが何かは分からなくても、()()()()()()()()()()かは分かりマスよね?


それさえ使えば、この状況だって……


どうにか出来る事、間違いなしデ~ス!

ご読了ありがとうございます。


もう作者の中では本体をどう倒すかで悩むフェーズは終わりました。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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