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お白湯②
「ふぅ」
少し軽くなったお腹をさすりながらベッドに腰かけた。
「魔王様、それなぁに?」
魔王様は、まぁ飲めとばかりにその水筒を差し出した。
「お白湯だ。」
ありがたい。でも、どうして私がこれを必要としているとわかったんだろう。
「魔王だからな。」
私の心見透かしたように魔王様が答えた。もしかして、普段から見られているのだろうか。
「安心しろ、いつも見ているというわけではない。」
「ねぇ、心を読んでるの?」
私は半ば、イライラしながら質問した。
「そういうわけではない。人間なら当然疑問に思うであろうことに答えただけだ。」
私がため息をつくと、魔王様はこう尋ねてきた。
「何をそんなにイライラしている?」
「だって」
私は話し始めた。
「みんなお金のために私に働けって言う。私は、働いていた方がいい人間なんだ、とかは言ってくれない。お金さえあれば別に働かなくていいって。」
魔王様ははうなずいた。
「それって失礼じゃない?」
「つまり、お前に対して生活のためだけに働け、ということがか?」
「そう。私のこと考えてないじゃない。」
「そうだな。」
魔王様は優しく、私の頭をなでた。もうこれだけで泣いてしまいそうだ。
「よしよし。」
涙がにじみでてくるのがわかる。目尻からこぼれ、頬を伝う。




