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私・ア・ラ・モード②
私は魔王様の目を見つめた。
「だって、旦那さんだって私が仕事してしんどいよりは家にいてのんびりしてた方がいいって言うし、子どもたちはママに家にいてほしいし、お母さんは私が働いててかわいそうだっていうし。」
上司もそう言っていた、例えば、学校で何かあったときにすぐ迎えに来てもらえない子どもがかわいそうだって。生きてるってことはみんなかわいそうなのに。
「なるほどな。」
魔王様は寝そべりながら返事をした。
「魔王様には仕事はないの?」
私はまた興味を持って訊いてみた。
「お前たちのような仕事はないな。ときどき世界の均衡を保つために、喰うくらいだ。」
「食うって何を?」
魔王様はしばらく思案げな顔をしてから、
「お前は知らなくていい。」
と、言った。




