魔界の謎
溢れ出る涙を拭いながら、魔王様は私を優しく慰めたくれた。
「悪魔社会はどうなってるの?」
落ち着いた私はふと興味の湧いたことを訊いてみた。
「悪魔社会にはそもそも雌雄の区別がない。」
「え、じゃあどうやって繁殖するの?」
素朴な疑問を投げかけてみた。確かに魔王様には性器がない。
「木から生まれる。」
「き??」
「魔界の中心には生命の木があって、そこに卵ができる。そこから生まれる。」
「じゃあ、魔王はどうやって決まるの?魔王様は魔城とかに住んでて、代々受け継がれるんじゃないの?」
魔王様はふと笑って、魔界のことを説明してくれた。
「魔王は色のついた卵から生まれる。血統ではない。悪魔は文明を持たない。だから、人間のように住居を作ったりしない。」
「どこで寝るの?」
「まぁ、そのへん、だな。」
「そのへん……」
私は魔王様の言葉を繰り返した。
「魔界は人間界と違って、気候は常に一定だから、人間のように雨風をしのぐ必要がない。昼夜の区別もない。」
「へええ。」
驚く私に魔王様はまた頭をぽふぽふしてくれた。
「興味津々だな。」
「うん、だって、魔界のことなんてあんまり知る機会がないから。」
「さっきまで泣いていたやつだとは思えないな。」
「だぁって。」
「いや、いいんだ。」
魔王様は布団を整えて、私の肩まで引き上げ、そっとかけてくれた。
「さ、もう寝た方がいい。」
「寝るまで一緒にいて?」
「ん、お前が眠りにつくまでここにいると約束しよう。」
「おやすみ、魔王様。」
「おやすみ。」




