テンプレ8 グレンの一日
アレンの訓練内容はとてもハードなものだった。
まず、毎日朝5時起床、それから僅かに残る眠気も吹っ飛ぶような速さのアレンの剣をひたすら避けるか受けるという訓練、最初は受けもできなかったが、そこはチートスキルが頑張ってくれた。おかげで、何とか受けれるようになったがその後、
「よし、次はもっと早くするぞ。」
と言われたときは、こいつの運動神経どうかしてんじゃねえの?と、本気で思った。
次、朝食を食べながら腹筋をするという何ともいかれた訓練。これを見た皆さんは、何言ってんだこいつ?と思うだろう。だが、しょうがないだろう、やらないと朝の訓練の剣速を二倍にするといわれたのだ。
それは、俺には、いや、全世界の人間が背筋を凍らせるであろう程の脅しであった。
だから、大変ながらもやりました。
吐きました。だっつてしょうがないじゃん。腹筋しながらご飯食うんだよ?しかも量が多いし。だけど一番酷かったのはセレスだ、朝飯全部床にぶちまけた俺にあの人なんて言ったと思う?
「残しちゃ、ダ・メ・よ?」
正直、怒ったときのアレンよりも怖かった。ちびりそうになったもん。しかもセレスの背後になんかスタ○ドみたいなのいたんだけどなにあれ?
食後には、ひたすら『ラスフォード流剣術』の型の練習だ。
この『ラスフォード流剣術』というのはアレンの実家伝統の剣術らしい。
この剣術を見たとき素人の俺ですら、『これは何かを殺すための技術だ』と理解できた。
日本の剣道も下手すれば骨折するらしいが、その程度だ、
本物には敵わない。
一通り型の練習をした後は、習ったばかりのラスフォード流剣術をアレンに対して打ち込むというものだ。問題はこれだ、俺は、アレンに剣を振る瞬間、どうしても一瞬ためらってしまうのだ。
平和な日本で育ってしまったためか、それとも単に俺が人を傷つけるのを恐れてるのか、、
この事をアレンに相談したら。
「最初はみんなそんなもんだ、解決方法は慣れるか、、、いや、こっちの方法はまだ早いからやめておこう。」
という何とも中途半端な答えだった。そのもうひとつ目が気になる言い方、気になってしまうからやめてほしい。
それから、アレンに一方的に剣術をふるう時間も終わりだ。これから地獄が始まると思うとどうも気がめいってしまう。
この地獄というのが、アレンと実戦形式でやりあうというもので、いつもかなり手加減しているらしいが、俺が剣を振り終わる前に、アレンの剣が先に俺の頭に当たって俺の負けが決まる。いつもの流れだ。
当然手加減はされているが、木剣とはいえ木なのだ、当たったら痛いので、受けたいのだが、朝の練習の時と速度は同じはずなのにどうしても避けられない。これが技術の差か?
とそんな感じで俺の一日が終わるのだが、、、
激しい運動の後でニコニコしながら油でギトギトしたザ・油な料理を出してくるあたり、セレスは実はドSなのか?と思ってアレンに来たところなんと5歳ぐらいからずっとあんな感じらしい。、、5歳からドSって親御さんはどんな教育をしたんだ?俺が赤子の真似をしていた時はあんなにも優しかったのに、、、。
優しかったセレスを返してほしいよ、まったく。
あのー、セレスさん?笑顔でその油の塊差し出してくるのやめてくれません?
こんにちは!白佑です。新たに分かったセレスの性格、まさかドSとは、親の顔が見てみたいもんだ!
ていうことで、面白いな、と思った方は、感想、ブックマーク、下にある星をください。お願いします!
では、また9話で会いましょう。