テンプレ7 訓練開始
エクストラスキル保持者が現れた。
その一報は国中に広まった。
~王都グランゲイル、王朝にて~
「エクストラスキル保持者が生まれてくるとは、運がいいですな。軍事にうまく利用したいが、どこかの貴族の婿養子にでも貰うか?」王都周辺の大貴族であるグレガ・テーラーが会議室の中の誰よりも先に喋った。
「そうだな、それがいい。ついでにその貴族の騎士に剣術の指導もやらせよう。」今度は、豚のように肥えているのが特徴な貴族が言った。その様は面倒なことを早く終わらせた後でも言うようだった。名前は、ラグラ・ピッグ、名は身体を表すとはよく言ったものである。
「その必要はないと思うぞ、なんせ聞いた話では、そのエクストラスキル保持者の親はあのアレンらしい。」今度は国の宰相である、コルネピアが言った、
「何!あのアレン・ラスフォードか!」心底驚いた、と言う様子の貴族が何人も居た。
それを聞いて一人の貴族が疑問を持つ。
「アレンとは誰だ?」
「そうか、お前は遠方の貴族だから知らないか。いいか、アレン・ラスフォードは五年前に活躍した冒険者パーティ『剛撃』の火力役だったものだ。」
「なんと!あの最強の名をほしいままにしたという『剛撃』の!?」さすがにそれぐらいは知っていたのだろう。
「そうだ、だから指導はアレンに任せればいいだろう。それと、婿養子にもらう家は、『ケルティーナ家』に歳の近い娘がいると聞くし、最適ではないか?」
「それはいい案だ」「賛成する」
という言葉でその日の会議は終わった。
ちなみに『ケルティーナ家』は転生した香織が生まれた家なのだが、それは偶然か、あるいは神の仕業か、それを知るのは神だけだ。
~ケルティーナ家にて~
ルーシー・ケルティーナ、それが香織の新しい名前だ。香織、いやルーシはなんと貴族の家に生まれたらしい。これは神の仕業であるのだから香織にとってはそれどころではない、何故なら自分とグレンが婚約すると言う話が出てきたからだ。
ルーシーは、両親に婚約の話があると言われた時、全力で断ろうとしたが、相手の少年の名前がグレン・ラスフォードということを聞くと、自ずから婚約の話を進めるようになったのは、言うまでもないだろう。
~ラスフォード家にて~
「やあ!、てい!」
子供の声が庭に響く、その後すぐに成人男性の声が聞こえる。
「そうじゃない!そこはもっと力を入れて踏み込め!」
「はい!」
なんで急にこんなことになったか説明しよう。
昨日、俺が両親に全て打ち明けた後、アレンは真面目な話を始めた。
「いいか?グレン、お前がエクストラスキルを持っていることは既に国に知られている、お前は将来他国や魔物と戦う日々を国に強いられるだろう。だから、今のうちにお前を鍛えといたほうがいいと俺は思っているがどうだ?」
そうなのか、鍛えてくれるのはありがたい。俺は将来魔王と戦わないといけないんだ、今のうちに経験だけでも積んでおこう。
「わかったよ、父さん。俺も早く強くなりたいし。」
「おう、いい心がけだ、じゃあ明日から訓練開始だ。
それで現在に至る。
訓練内容はひたすらアレンに木剣で切りかかるという実戦形式のものだった。最初はきつかったが一時間もしたらちょっと余裕が出てきた。おかしな話だ、ずっと動き回っているのに疲れるどころか、余裕が出てくるのだ、これもエクストラスキルの影響だろう。本当にチートな力だ。
訓練開始から7時間後、
俺の身体能力は一人で丸太を持てる程に急成長していた。
「強力だとは聞いてたが、ここまでとは、、、」
俺もここまで強力だとは聞いてないよパパン
「てことで、身体能力は置いといて今度は剣技の指導をするぞ!」
「え、、、」
「ほら、今度は俺から打ち込むからうまく受けるか、避けるかしろよ!」
「え、ちょっっ、待っ」
待っての言葉をかける前に俺は木刀を頭にもろに受け、そのまま気絶した。
それを遠くから見ていたセレスが近づいてきてこう言った。
「あらあら、アレン結構本気で打ち込んでなかった?」
「しょうがねーだろ、こいつの身体能力が尋常じゃないスピードで上がるんだから。」
「確かにそうだけど、本音は?」
「ここらで本気出さねーと、なめられそうだから、、」
「はあぁぁ」
セレスはこの二人の子供をどうしようかとため息を吐いた。
こんにちは!白佑です。今回から修行編になります。(まぁ、4、5話ですがw)
あと、これまでは、一日二話投稿をしてきたのですが、書き留めがなくなってきたので、毎日一話投稿にしようかと思います。ですが、また溜まってきたら一日二話投稿にしようかと思っていますので、そういうことでお願いします。それでは、また8話で会いましょう。