テンプレ6 香織という少女
昨日、竜馬が死んだ。
それも私に目の前で。
彼に惚れていた女子たちや親しい友人たちは彼の葬式で大声で泣いていた。
それほど、彼はみんなに愛されていたんだろう。
葬式が終わった後、私はみんなに慰められていた。
それもそうだ、目の前で死なれたのだ。この中の誰よりも心の傷は大きいと思われたんだろう。
実際にそうだ、目の前で死なれたのもあるが、私は自分でも認めるほど、彼を病的に愛していた。
ストーカーなんて当たり前。彼の家の合い鍵も持っているし、彼の事を写した写真は四桁を超えるだろう。
それほどまでに愛していた彼が死んだということを理解するのに一日もかかった。
そして、彼が死んだということを理解したと同時にこんなことを思った。
彼がいない世界で生き続ける意味はあるのか?と、
よくよく思い出してみれば、彼が死んだのは私のせいなのだから、罪を償わなければいけない。
そう思ってからは、時の流れが速く感じた。素早く遺書を書き。自殺用の縄を買い。
いざ死のうとするところで今までの人生が頭の中で回想し始めた。
「はは、これが走馬灯ってやつか。」
ともかく、楽しい人生だった。
それも、彼と出会ってからは、視界がいつも明るかった。
彼との記憶が頭をめぐる。
「今から会いに行くよ。竜馬。」
その日、この世からまた一人、人が死んだ。
目が覚めると、漫画やアニメで見るような、謁見の間のような場所につく。
辺りを見渡すと、 神がいた。
本能がそう言っている。
そして、その神が言った。
「竜馬に会いたいか?」
そう聞かれた瞬間、私は大声で叫んだ。
「会いたいです!今すぐに!」
竜馬に会えるかもしれない。その希望が心を埋め尽くした。
「ならば会わせてやろう。だが、仕事はしてもらうぞ?」
仕事というのがどんなことでも、私は竜馬に会いたかった。
「やります!やりますから竜馬に合わせてください!」
「よかろう、ちゃんと記憶もそのままに竜馬のもとに会わせてやる。そして仕事の話だが、君には竜馬の手伝いをしてほしい。」
そんなことならお安い御用だ。
「あいつは今、日本とは違う世界にいる、そこで今は第二の人生を歩んでいる。新しい名前はグレン・ラスフォード。じきにお前の住んでいる国の有名人になる。そこで、お前は6歳で奴と再会するようにしてやる。仕事の詳しい内容は奴に聞け。」
「分かりました。」
私は、またグレンに会えると聞いて歓喜で心が躍った。
「それでは、また会おう。」
その言葉が聞こえた瞬間、私の意識は飛んだ。
神は、四年後ここに連れてくるグレンに、香織のことを話すか迷ったが、面白そうなので止めた。
こんいちは、白佑です!今回、ヒロインを出したわけですが、初っ端からヤンデレ全開という感じのヒロインです。面白いな、と思った方は、感想、ブックマークの登録と星をくれると嬉しいです。