テンプレ2 決意
「すごいぞセレス!男の子だ!」
俺を見ていた男性のほうが女性のほうに言った、どうやら女性のほうはセレスという名らしい。
「ええアレン、やったわね」
今度はセレスのほうがアレンと呼ばれた男に振り向いた。
(ふー落ち着け、一旦状況を整理してみよう。まずこの人たち日本語で会話してないか?)
そう、なんとも驚くべきことにこの男女は日本語で会話していたからだ。
(日本語で会話しているなら意思に疎通は簡単なのか? よし!話しかけてみよう。)
「あー、あー、うー」
しゃべろうとした俺が発したのはなんとも赤ん坊らしい声だった。
(嘘だろ、しゃべれないのかよ、、、まぁ、そこらへんは舌が発達するのを待つとしよう。)
俺が一人で言葉を発しようと頑張ろうとしているのを傍目に、アレンとセレスは何かを話し合っていた。
「男の子だから名前はかっこいいのがいいな」真剣に考えている様子のアレンがそんな事を言い出した。
(え!まだ決まってねーのかよ!)内心で驚いたものの、セレスが何も言わないことから、この世界では赤ん坊には生まれてから名前を付けるのだろうと一人で納得する。それにしても、改めてアレンとセレスを見ると二人共整った顔をしている。セレスは銀髪に出るところは出て引っ込むとこは引っ込む身体をしていて、それでいてとても美人。アレンは日本人かと思うような黒髪のこれまたイケメンだ、そして筋肉がやばい。普段から運動をしているんだろうの域を越えて、何かと日々戦っているのではと思うような筋肉だった。もっとも言いやすい例では、範馬勇○郎を少し小さくしたような人だ。こんな二人から生まれたならさぞかし俺の顔はいいのだろう、将来が楽しみだねはーっはっは。俺が心の中で高笑いしているとアレンが、閃いた!とでもいうようなそぶりを見せた。(お、決まったか俺の名前、かっこいい名前だといいなぁ)
「決めたぞセレス!この子の名前はグレンだ!」グレンか、いいセンスをしているな誉めてやろう。
グレン・ラスフォード、、、いい名前ですね!」セレスのほうも俺と同じ感想らしい。それにしてもラスフォードか、まさに異世界の名前って感じがするな。
「この子の『スキル』は何だと思う?」アレンがそんなファンタジー感溢れる言葉を言った。(え、スキルって何?すごいワクワクするんですけど)「さぁ、あなたが『上級槍兵』、私が『上級魔術師』だから『魔剣士』とかでしょうか?」そんなことをセレスが言うからもうそれはそれは俺のテンションが上がりに上がった。(『魔剣士』とか何それかっこいい!)日本にはないこと、新しいことに舞い上がると同時に俺は一瞬でも思い出してしまった『日本』という言葉に俺は酷く不安を感じた。
(あの後香織はどうなったのだろう、多分けがはしてないだろうから無事だとは思うが、向こうの世界の父と母に悪いことをしたな)もう会えない家族や友人達を思って俺は固く決意する。
(もう戻らない事をうじうじ考えても無駄だ、もうこんなことにならないようにせめて自分の身が守れるぐらいには強くなろう)
そう俺は決意し、瞼を閉じて、、、、
赤ん坊らしくものすごくみじめに泣いたのだった
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ではまた三話で会いましょう!