プロローグ
僕、結城直継はオタクである。それも貯金の全てを使ってまでゲームや小説を買おうするぐらい好きである。そんな僕は小学校から中学までの間ずっと虐められていたのだ。
人は何故虐めをするのか、楽しいからだ。自分より弱く逆らわないしストレスの発散にもなる。ただそれは自分より上に他の人が居ないと言う前提がある。
僕はいつも気弱で陰でそっと1人小説を読んで休み時間を潰していた。それが悪かったのか、いつの間にか虐めの対象にされていた。
虐められていた僕に友達はいないし、僕自身人と関わるより家でゲームをやっていた方が楽しかった。そして高校では普通に過ごしたくて家から出てって少し遠い東京の私立高校に入学した。
それから、月日がたち2年の僕は。
虐められていた
「まただ、僕は何回同じミスを繰り返せば学ぶんだよ!」
1年の初めはまだ良かった。周りの人は皆知らない人達だから高校からならやり直せると思っていた。だが違った。同じクラスの皆は自分達だけのグループを作りそこで楽しくやっていた。
グループを作りそこねた者達も上手く他のグループに混じっていた。
だけど僕はコミュ力が高いわけでも無い。だいたいは
「え〜オタクってブヒブヒってるキモイやつじゃ〜ん」
「うーわっ、お前空気読めよな、シラケるなぁ。」
こんな感じで途中までは何とかなりそうで失敗続きだった。
それからは現実から逃げるようにゲームや小説を読みふけっていたが、1年の間は無視だけだったが、2年に上がると虐めにまで発展していた。虐めのリーダーは山中誠司で取り巻き達の大神明、葉原有希子の3人が虐めの主犯だった。
この3人は元から性格が悪くあまり他の人ですら近寄らない。何故彼らに誰も逆らわないのか、それは権力と言う力を持っていた。だから逆らえない。流される。先程に言った通り虐めに理由が必ずある訳では無い。楽しいから、ウザイから、気に食わない。それだけで虐めは起きる。そんな理由で僕は虐められている。
そんなある日
「今日は山中達に会わないように急いで帰らなきゃ!」
僕はホームルームが終わり急いで帰ろうとした時
「なぁ直継?何を急いでるんだよ?」
優男風な声が聞こえた
「や、山中君。少し体調が悪いから早めに帰ろうかと……」
「おいおいまさか…?昨日の約束忘れたのか?金は?」
「そんな!僕にお金はないからムリだよっ!」
「オイ、アキ!コイツぶん殴って立場を理解させろ」
山中が叫ぶと彼と一緒にいた大神明が反応した。大神の身体は筋肉質でデカい。それだけでも怖いのに眼光ですら人を殺せそうな目をしてる
「そうだな、折角だしサンドバッグとして遊ぶか?」
僕は少し後ずさって
「ごめんなさいッ!頑張ってすぐ用意するから!もう殴らないで!」
無様に泣きながら土下座した。恥ずかしいとかそんなのより大神の拳で殴られて、嬲られて、他の人に見世物にされるよりマシだった。
「アンタってほんとグズね、ねぇ誠司〜そんな奴放って置いて遊びに行きましょ?」
葉原がグラマラスな身体を山中に押し付けながら言う
「チッ!しょうがねぇ、お前が明日までに用意しなかったら、特別コースで調教してやるよ覚悟してろよ?」
その時後ろから声が聞こえた
「貴方達は何をやっているの?!」
凛とした声だった。
彼女の名前は鈴井凛。
成績優秀、容姿端麗絵に描いた様な美貌で周囲の人を魅力してやまない。
彼女は急ぎ足で僕を庇うように
「貴方達!なんて酷い事をしているのですか!先生達を呼びますよ?!」
「うるさいなぁ、鈴井さんどいてくんない?」
その時だった。気づいたら光の檻のようなものに囲まれていた。
その光に僕達は呑まれて
気を失った
「おいゴラァ!ここは何処だよ!」
「う………ん………?」
気づいたら
異世界に居た