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清楚で可憐な「詩織さん」はお父さん?  作者: あやせ ひなた
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娘は親友?

山崎健太郎です。


娘の志桜里と一緒に

着替え場所のマンションに来ている。


前回一緒に来た時から2週間たっている。


今日も二人でうまく理由を別々に作った。ただし前回は途中で待ち合わせして行ったが、今回は直接別々にマンションに向かった。

合鍵を作り娘に渡したのだ。


俺は志桜里より1時間早く来て、着替えとメイク、ウイッグの装着を終えていた。

いつもはもっと時間をかけるのだが、

早めに済ませた。


志桜里は到着して俺を見るなり、


「すご〜い、詩織ちゃん、

完成してる!

私にそっくり !


あ、シークレット・スイートの

最新のワンピースだ!

いいなー!

私、ネットで見て、可愛いいなーって思った!」


「志桜里のもあるよ!」


俺は女声で話す。


「すごい!

お父さん、動画の通りだ。

女の子の声出せるんだ。


あ、私のもあるのー?


やったー!」



クローゼットから、色違いの同じワンピースを出して志桜里に渡す。


「こ、これっ!

この色が欲しかったの!

モデルさんが来てたやつ!

嬉しいっ!」


志桜里は俺に抱きついて来た。


そして抱きつきながら、


「お父さん、香水つけてるんだ!

いい匂い!

くんくんしたくなる!

私も同じ香水つける!

お父さん、大好き!!」


娘は大興奮で大喜びしてる。


そして俺の頰にチュッとキスまでした。


俺はくすぐったい気持ちになったが、

冷静になる。


「じゃあ、着替えて、

メイクも私風にするんでしょ?

急ぎましょ!

あ、

靴もバッグもネックレスも

可愛いのお揃いで買っておいたから。

はい、これっ。」


「うわぁ〜、

みんな可愛い!


すご〜い!

今までで最高のプレゼントだよ!

嬉しいっ!


うん、

急いで支度する!」


志桜里は服をあっという間に脱いで

真っ裸になる。


もう俺の前で裸になっても平気のようだ。


Aカップの小さい胸とメリハリのない幼児体型は

俺の女装時の詩織となんか似ていて

微笑ましい。


俺の衣装ケースから下着を選び、身に着けて、香水を身体に振りかけて服を着る。

背中のファスナーは俺が上げてやる。


メイクは手伝う。


メイクといっても、ファンデはなし。

16才の肌には不要。


マスカラとリップ、眉毛を整えて、うっすらとチークを乗せる。

薄化粧だがかなり可愛くなる。

ウイッグを外れないように装着して完成。


詩織の瓜二つが出来上がった。


「お父さん、外出の時はお父さんのこと詩織って呼ぶし、双子のお姉ちゃんという感じで話しかけるから合わせてね!


私のことは志桜里だと紛らわしいから歌織(かおり)って呼んで。


歌っていう漢字に詩織の織だよ。


詩織に歌織って、

ならびがいいよね!


いかにも、双子って感じ?


いいでしょ?


よろしくね、詩織!」


「う、うん、歌織!」


俺は照れながら答える。

嬉しかった。



外出すると、志桜里というか歌織は

手を繋いでくる。


「双子で、仲良しなら、手をつなぐのは当たり前だよね?」


「う、うん。」


娘とはいえ、16才にもなり、大人の体になっている少女と手を繋ぐのはけっこうドキドキした。


繁華街に出て、おしゃれなカフェでパンケーキを食べたり、

ゲームセンターで、プリクラを一緒に撮ったり、

景色のいい公園で写真を撮りあったり、

街行く人に二人の写真を撮ってもらったりした。


「双子なんですね。二人とも可愛い!」

なんて、写真を撮ってくれた女子大生に言われたときはさすがに恥ずかしかった。


「詩織ったら、ぜんぜん女性で通ってる、すごいね。

私もわからないもん。」


歌織(志桜里)は誰にも聞こえないように、囁いてくる。


洋服や下着も見て回る。


二人の趣味は全く同じだった。


おそろいの服を少し買ってしまった。


歌織は本当にうれしそうだった。


まあ、そんなに長く遊ぶわけにもいかず、3時過ぎには着替え部屋のマンションに帰る。


「歌織、早く着替えて、先に帰ってね。」


「うーん、残念。もっと遊びたいけど。」


「お母さんが、変に思わないように、早く帰る約束でしょ?」


「わかった。

じゃあ、また、遊んでね。


私、もう決めた。

絶対東京の大学に進学して、お母さんの影響から抜け出す。


一人暮らしして、歌織風のファッションで暮らすよ。


詩織・・・お父さん、協力してね!」



「そ、そうか。

気持ちはわかる。

お母さん、けっこう自分の考え押し付けるからな。


その代わり、現役でいい大学に受かることが条件だよ。

それができるなら応援する。」


「うん、ありがとう。頑張る。」


また、歌織は俺に抱き着いて、頬にチュッとキスをした。



そして・・・・・・


月に一度のペースで、俺と歌織の双子デートは行われるようになった。


俺は、娘の大親友になってしまった。

娘は双子モードの時はいつも俺にベタベタ

抱きついてくるので、

ちょっと不思議な気分になる。




そんな関係になったせいか、妻に指摘を受ける。


「最近、志桜里が機嫌いいし、お父さんと仲良くしてるわね。

変ね、どうしたんでしょ?」


「さあ?学校で楽しいことでもあるんじゃないか?」


とごまかす俺だ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




そして、娘は高校3年生になり、受験モードで猛勉強する。

俺とのデートは封印した。


そして、見事、東京の一流私大に合格。

東京で独り暮らしを始める。




娘が上京して、数か月後、一人暮らしの様子を見に行くために、俺は娘が住むアパートを訪問する。

東京に出張があったので、そのついでだ。


娘に会うと、見事に歌織ファッションになっていた。


部屋で服や下着を見せてもらうと、やはりすべて詩織と同じ趣味で統一されている。


「お母さんに買ってもらった服はもうすべて処分した。

お父さんに秘密で出してもらった軍資金で服を買ったり、お父さんの着替え部屋からもらった

服や下着で、楽しい歌織生活満喫してるよ。

ありがとう。

お父さんも、詩織になって、遊びに来てよ。」


「そ、そうだな。」


俺は、近いうちに、休みを取って、2泊3日で、遊びに来ると約束した。

もちろん、詩織の姿になって。

妻には、出張と言えばいい。


今度は東京で双子デートだ。


変態親子になってしまったが、父娘の関係は良好だ。

娘は彼氏を作る気が今のところ全くないようで、当分楽しい関係が続く。


双子関係万歳っ!







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