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清楚で可憐な「詩織さん」はお父さん?  作者: あやせ ひなた
3/5

娘にバレた?!

山崎健太郎です。


今は休日の夕方。


「あーっ、テニスの試合の後のビールはうまいなあ。

それにしても、今日はバックハンドのストレートショットがよく決まったなあ。

見事なパッシングショットになった。

うん、満足。」


独り言をぶつぶついいながら、リビングでビールを楽しむ俺。

テニスの後のビールの味は格別だ。


さて、ツ〇ッターをスマホでチェックするか、

今週は女装してないけど、ファンの方にはちょんと返事をしないと。


俺は家族に内緒で可愛い女装少女としてのツ〇ッターをやってる。


マメにコメント返しをしているので、スマホは手放せない。


その時だ、

高校1年生になる娘がリビングに入ってきた。


「お父さん、今日のテニスどうだった?勝ったの?」


娘は俺そっくりで、俺の女装姿に似ているから、ドキッとする。


それにしても、反抗期は過ぎたといえ、娘の方から声をかけてくることなんて

めったにない。

どういう風の吹き回しなんだろう。


俺に近づいてくる娘がニヤニヤしながらスマホの画面を

俺の顔の前に差し出した。


「このツ〇ッターの『男の娘』って私にそっくりだと思わない?

お父さん!」


その画面はたった今、俺がチェックした、俺のツ〇ッターのホーム画面だった。


俺はのどがカラカラになった。


思わずビールを飲んで、のどを潤す。


「あのさ、この人って、うちの近所に住んでいるのかな?

地元ネタとかわかるし、

それで、休日の趣味がテニスだって。」


娘はニヤニヤした顔を崩さない。


俺は驚きすぎて、声が出ない。


「お父さん、それでね。この人のアダルト動画サイトも、私、覗いちゃった。

へへへ。

下着の趣味がこの人と私、一緒だよ♡


不思議だね。」


娘は俺の瞳の奥をじっと見つめていた。

俺にめちゃ似ているその顔を見ながら、俺はやっと言葉を返す。


「そっか、ぐ、偶然だなあ。

でもな、そんなアダルトサイトなんか覗いちゃだめだぞ。未成年だから。」


「うん、だから、お母さんには黙ってる。

お父さんと私だけの秘密。


あ、もうちょっと詳しくお話したいから、食事が終わったら、私の部屋に来てね。

お母さんには、勉強で分からないところ教えてもらうって、言うから。

ふふふ、楽しみ。」


俺は、ビールを飲み干したばかりなのに、すぐ喉がカラカラになったような気がした。

どうしよう?

娘はどこまで気づいてるんだ?

敵なのか?味方なのか?


結局、ドギマギしながら、食事のあと娘の志桜里の部屋に行く俺。


ノックして許可をとり、

ドアを開けると

ぃきなり、とんでもない呼びかけがあった。



「いらっしゃい、詩織さん!」


「おいおい、何を言ってるんだ!意味がわからん。

変なこと言うな。」


俺は冷静を装うが、心臓はバクバクだ。


「じゃあ、このアダルトサイトや、ツ〇イッターをお母さんに見せてもいいかなあ?」


「ええっ?!

うっ、脅かすのか?」


俺は、もう降参した。


確かに、実の親子だ。


動画や写真、そして、書かれた記事を詳細に分析すれば、俺だってことが何となくわかる。


はっきりした証拠がなくても、そりゃあ似てるからなあ。


しかも、詩織という名前は娘の志桜里から連想して作った名前だし。


こりゃ、ばれてる。


後は、被害を少なくしないと。


そう思ったときに、娘が条件を提示してきた。


「別に脅かすわけじゃないの。

お父さんが詩織さんなら、私にも、こういう服や制服、下着を着させて。

みんな私の趣味の服なのに、お父さんが着ているなんて、ずるい。

私、お母さんが選ぶ服はあまり好きじゃないし、

今の高校の制服だって、可愛いと思えないし。

ね、いいでしょ?

どこに保管しているかわかんないけど、着たい。

着て、写真を撮ったり、街を歩いてみたいの!


私の希望を叶えてくれるなら、お母さんには黙っててあげる。」


う、ううっ。


何と、娘が俺と服の趣味が同じとは。


何となくそう思ってたけど。


それにしても、娘が俺のことを気持ち悪いって言わないんだな。


平気なのか?変態おやじと罵倒しないのか?


「志桜里、しかたない。


降参だ。


でも・・・俺が女装するって考えて、

気持ち悪いって・・・

思わないのか?


もう、そこまで言われたら、俺は降参するしかないんだけど・・・」


「ふふふ。

確かに気持ち悪いって思った。


でもね。


髪型以外はあまりにも私にも似ていて、酷評できないよ。

私の分身みたいに見えたもん。」


「そ、そうか。」


「それにね、詩織さんが着ている服・・・制服、下着、持ってる小物。

みんな私が欲しいもの。

これは仲良くなった方が得だなあって思ったの。」


そうか、そんな狙いがあったのか。


とりあえず、希望に沿った対応が必要か?


「動画で詩織が着ている服が欲しいのなら

あげてもいいけど。」



「と言っても、家に持ってくるわけにいかないでしょ?お母さんがそんなもの見たら

大変よ!

 お父さん、可愛い服って、どこか秘密の場所に隠してるんでしょ?

そこに連れてってよ!」


「ええっ!


うーん、それは・・・


一日ほど考えさせてくれ。


頼む。」


「ふふふ。いいよ。

楽しみにしてるね。」


確かに秘密の隠し場所はある。


仲間と一緒に借りているをマンションの一室だ。


そこに実の娘を連れて行っていいのか?


仲間の承諾を取らなければならない。


俺はSNSを使い、娘をマンションに連れて行っていいか?

とみんなに聴く。


ほぼ一日で返事が返ってきた。


概ね承諾だ。

ただし条件が付けられていた。


まず、娘を連れていくときは、日時を明らかにすること。

会っても構わないが、心の準備が必要だということみたいだ。


また、娘に口外しないように口止めすること。


その、2点を守れば、構わないとみんなから言われた。


翌日、俺は志桜里にスマホでその2点を伝える。


「いいよ。私、口堅いから安心して。」

そういう返答が返ってきた。



とんでもないことになったが、次の土曜日、俺は、女装用の服や靴、ウイッグ、小物、化粧品等が置いてある着替え用兼保管用マンションに娘を連れていくことになった。


一緒に行くと妻が変に思うので、

娘は友達と出かけることにして、俺はテニスということで出かけた。


娘を夜まで外出させることは嫌だったので、

二人とも朝早く出発し、娘には、夕方6時ごろまでに帰るようにと言い聞かせた。


ついに、娘に秘密の場所を教えることになってしまった。


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