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すれ違いの恋  作者: 瑞樹一
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ー天河鈴の場合その8ー

弟の登場です。

……妹ではありません。

「どうも、こんにちわー」


 香澄さんが続きの言葉を話す前に部室のドアが開き、男子生徒が入ってきました。

 身長が高く、少し怖いのですが黒縁のいかにも真面目そうな眼鏡をしているためその怖さも和らいでいます。

 今どき眼鏡をかけているからといって真面目と捉えるのは古いですかね?


「それは、今日からこの部に沢渡が二人になるからよ!」


 香澄さんは先ほどまでの横になった姿勢からソファーに立ち上がり部室に入ってきた人を指さします。あー、この方が先ほど話していた弟さんだったんですね。

 香澄さんは私が教えられた、人に指をさすなということをいとも簡単にやってしまいます、したいとも思いませんが、そのキメ顔だけは見習いたいと思いました。


「あのさ、姉ちゃん、ここからオレはどうすればいいんだよ」


 香澄さんがかっこ良くした分だけ空気が凍り付きます。

 この空気をどうにかする方法は私にはわかりません。


「スマホで打ったでしょ、パーカー着てフード被ってニヒルに決めなさいって」


「わざわざ持ってきたパーカーは姉ちゃんが持ってちゃったじゃん」


 なんかグダグダです。これ。


「あー、これね、これ、それじゃあはいこれ持って、もう一回出て行って」


 香澄さんは自分が寝ていたソファーの上でくたくたになったパーカーをもって弟さんを部室から連れ出そうとします。

 もしかしてこれは世に言うテイクツーというものですかね?


「ちょっ、おい」


 そして、香澄さんは弟さん? を連れ、部室から出ていきました。


「じゃあ、私がスマホで合図送るから次こそこれ着て入ってきなさいね!」


 その声が廊下から聞こえほどなくすると香澄先輩が戻ってきます。

 先輩と弟さんの打ち合わせの一部を聞いているこっちの気持ちにもなってもらいたいものです。


「はーい、じゃあ、今のは見なかったことにしてテイクツーと行きまーす、幸人―さっきのセリフよろー」

 そして先輩が戻ってくるとテイクツーは始まりました……




 テイクツーが終わっても空気は変わりませんよね。

 この場にいる香澄さん以外の方は誰でも知ってました。


「じゃあ、みんな席に着いたことだし改めて、こちら新入部員の沢渡宗司さわたりそうじです。ほら宗司、皆に挨拶して」


 改めて、弟さんの紹介が始まりました。


「一年七組の沢渡宗司です。今日からこの部でお世話になるみたいなんでよろしくっす」


「今日から沢渡は二人になるから私たちのことは下の名前で呼んでねー、特に幸人と鈴ちゃんは」


 ここで私の名前が挙げられるのは頷けます。なにせ私は男性が苦手で下の名前で呼ぶのは慣れ親しんでいる幸人君だけですもん。

 そういえば幸人君も挙げられていましたけど、香澄さんのことを沢渡先輩とお呼びしていましたし、だからでしょうか?


「あのー、それなら俺は先輩のことを今まで通り沢渡先輩と呼んで、弟さんのことは宗司と呼ぶのでどうでしょう?」


 わざわざ全員を下の名前で呼ぶ必要ないですよね。それなら私も弟さんのことを沢渡さんとお呼びすればいいだけですもん問題ないはずですよね?

 きっと幸人君は私のことを気遣ってそう言ってくれているのですよね。

 それならここは幸人君の援護を……


「そんなのダメに決まってるでしょ! やっぱり仲良くするにはまず呼び方から変えていこうっていう私の考えが分かんないかなー?」


 香澄さんって考えてなさそうで考えてるんですね。


「香澄先輩にまさかそんな考えがあるなんて……」


「みなとさんよ、ちょっとそれは言いすぎじゃないのか?」


 みなとさんも私と同じ考えだったんですね……

 でも、それを口に出すのはちょっと……


「もう、何でみんな私を基本馬鹿だと思ってるのよー、私だって三年生なんだから頭も使うわよ!」


 みなとさんはそういうことをいっているわけでは無いと思うんですけど……


「いくら言ってももうだめだからね、取り合えずこれからは私のことを香澄、弟のことは宗司って呼ぶのよ!」


 まず初めにお読みいただきありがとうございます。

 はい、瑞樹一です。

 どちらかといえば姉属性の私は基本的に姉を出そうとしているのですけど十回書いたうち一回ぐらいは妹も書きたくなってしまいます。

 これは何ですかね?

 たまには別の人間も書いてみたくなるのでしょうか?

 その答えを求めて今日も私は書くんでしょうね?

 では、本日はこの辺で、しょうもないあとがきまでお付き合いいただきありがとうございました。


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