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すれ違いの恋  作者: 瑞樹一
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ー天河鈴の場合その3ー

高校の先輩との入学式前からの出会い、それって運命感じますよね。

 お互いに改めて自己紹介をしていると皆川君の上に座っているやすゆきくんが不思議そうに私たちを見比べているので皆川君が気づいたのか話しかけました。


「ほら、やすゆきくん、天河さんだよ、よろしくって」


「あまがわ?」


 んー、微妙に違うのですけどこういう時はどうしましょう……


「あまかわなんだけどなー、どうしましょうか先輩?」


 私もどうしようか考えていたところで、私に振られるとは……

 それなら……


「すずでいいですよ。皆川君もよければ鈴先輩って呼んでください」


「わかりました。ほら、鈴おねーちゃんって呼んでごらん」


 私とやすゆきくんの仲介をしてくれる皆川君はうまく場を取り持ってくれます。


「よろしく、鈴おねーちゃん!」


 後から考えると大胆な発言をしている気もするのですが、この時は何も感じていませんでした、すこし恥ずかしいです。


「じゃあ、俺も鈴先輩って呼ばせてもらいますね。俺の名前も呼びにくいでしょうし、良ければ幸人って呼んでください」


「分かりました。では幸人君と呼ばせてもらいますね」


「鈴おねーちゃん、あそぼ―」


 私たちがお互いの自己紹介を終えるとやすゆきくんが声をかけてきました。

 この子って一応迷子なんだよね、それなのになんでこんなに元気なんだろう?


「あのー、えーっと」


「やすゆきくん、鈴おねーちゃんはもう、学校行かなきゃならないみたいだし、遊べないよ」


 私が答えに迷っていると幸人君が助け船を出してくれました。

 でも、私も乗り掛かった舟ですし、ここは幸人君を見習ってここでやすゆきくんのお母さんを一緒に待っていることにしましょう。


「せっかくですし、私も一緒にやすゆきくんのお母さんを待たせてもらいながら遊んでもいいですか?」


「それなら、んー、いいんですかね?」


 幸人君は私ではなく私の後ろを見ながら考えています。

 どうして、私ではなく私の後ろを見るのでしょう?

 不思議に思った為、後ろを振り向くと私をここまで連れてきてくれた付き添いの方が立っていました。


「少し、車の調子が良くないので、直しています。お嬢様は申し訳ないのですがこちらでお待ちください」


 気を使ってくれたのが丸わかりですけど、そこは甘えておきましょう。


「ありがとうございます。それならもう少ししたら戻りますね」


「お嬢様、遅刻ということをお忘れなく」


 そう言い残すと付き添いの方は去っていきました。

 ちょっぴり悪いことをしているようで緊張します。


「良かったんですか?」


「いいんです! 私もやすゆきくんと遊びたいですし」


「そういうことなら一緒に遊びながら待ってみましょう」




 そして、私たちは三人でやすゆきくんの親御さんを待ちながら遊んでいると、

 遊び始めて十分ぐらいでお母さんがやってきました。


「ありがとうございます。ありがとうございます」


 しきりにお礼を述べるお母さんに少々戸惑いながらも私たちは交番を後にしました。


「鈴先輩って二年生なんですよね?」


 私たちは交番を後にすると二人で歩き始めまると幸人君が話しかけてくれます。

 歩き始めたと言っても、私の車がある途中までなんですけどね。


「はいそうですよ、先程も話した通り菫ヶ丘高校の二年生です」


「鈴先輩ってお嬢様なんですか?」


 面と向かって私にそんなことを聞いてくる人はいなかった為、驚いていしまいました。

 でも、悪気のない幸人君の視線から逃れるすべを知らない私は正直に話してしまいます。


「そうですねー、お嬢様の定義があいまいで分かりかねますけど、多分そうだと思いますよ」


 世間で言われるお嬢様というものはきっと常に付き人を従え、幼い頃からお稽古ごとに明け暮れ、大きなお家に住んでいる人のことを言うんだと思います。

 そして、私もその部類に入るのだと思います。

 子供の頃に本で読んだ知識なんであいまいですけど、きっとそうですよね。


「やっぱりそうでしたか、車で登校してることとか遊んでるときの立ち振る舞いからそうなんじゃないのかなーって思ってたんですけど、そういうことなら納得いきました」


 幸人君は楽しそうに話していますけど、お嬢様ってそんな良いものじゃないんですよ。いろいろなことにがんじがらめにあって自由な時間なんて学校にしかありませんし。


「お嬢様って大変そうですよね、テレビとか本でしか見たこと無いですけど、いっつも何かに縛られながら生活してそうですし」


 やっぱり、幸人君は人の考えがわかるのでしょうか?

 それとも私の考えがわかりやすすぎるのでしょうか?


「たまにはほかの方みたいに町で遊んだりしてみたいんですけど、なかなか難しくて」


「大変そうですね、せっかくの高校生活なのに……、部活動とかやってないんですか?」

「中学生の頃はお許しが出なかったのでやってませんでしたけど、今はやってますよ、文化部なんで基本活動は校内ですけど……」


「それならその活動を最高に楽しむしかないですね……じゃあ、俺はこっちなんで失礼します」


まず初めにお読みいただきありがとうございました。

瑞樹一です。

投稿を始めて四日目。

これで三日坊主とは言われないはず!

そんなことを言いつつ明日投稿しなかったら三日坊主と変わりませんよね。

安心してください。僕がキーボードを打てる限り投稿します!


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