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すれ違いの恋  作者: 瑞樹一
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ー皆川幸人の場合その12ー

「結構大人数なんですね」


 第一会議室を見渡すと、三十人以上いの生徒がおり、単純計算で文化部だけでも十団体以上になる。


「そうですね、菫ヶ丘高校の文化部は全十二団体ですから他の学校と比べても多い方だと思いますよ」


「自己生活部なんてわけわかんない部活もあるぐらいですしね」


「自生部員の幸人君がそれをいっちゃあいけませんよ」


 鈴先輩は俺をからかっているのか頬を膨らませてとがめてきた。

 あー、そんなに可愛い仕草されるとその頬を突っつきたくなってくるな……


「時間になったので本日の会議を始めさせてもらう」


 鈴先輩と話していると教室の前で会議の司会を務めるであろう男が話し出した。


「会議の内容は事前に配ったプリントにも書いてあったと思いますが本日はこのプロジェクターを使って行わせてもらう」


 そうすると司会者は事前に準備してあったであろうプロジェクターを使って説明を始めた。





「では、最後に今年の文化体育祭での景品やペナルティーについて説明します」


 一通り時間や場所、企画でできる大まかなものについての説明が終わった後、何やら不審なものの説明が始まった。


 おいおい、ペナルティーがあるなんて聞いてないぞ。


「まず、景品というものは例年通り部費の増額だ」


 確かにそれは昨日聞いた通りのものだな、良かった。


「そして、ペナルティーというものに関してだがこれを今年から導入したのには理由がある」


「あのー、鈴先輩、俺すごい嫌な感じがするのですが……」


 隣にいる鈴先輩に小声で話しかけるのだが、先輩は怒られている子供のように微動だにしなかった。

 俺の声は聞こえているのだろうか?


「えっ、な、なんで、しょうか? 私にはこ、心あ、あたりなど全然ありませんよー」


 やっぱり、鈴先輩にも心あたりあるのか、それならきっとこの嫌な予感は当たってるのだろう……


「それは我ら生徒会にある部が活動と何ら関係のない娯楽の為だけに部費を使っているという情報が持ち込まれたからだ」


 当たってほしくない予感はいつも当たるよね。

 この生徒会の人が話していることはたぶん昨日聞かされた部費でソファー購入問題の事だろう。

 きっと搬入している場面をどこかで見られて、生徒会に密告されてしまったのではないだろうか……


「ふざけんなよそんな部のせいでなんで俺らの部まで迷惑かけられなきゃならないんだよ!」


「そうよ、私たちはきちんとした活動を行ってるんだからそんな部のせいで予算減らされるのは嫌よ」


 そうですよね。普通に考えて俺もそう思いますよ。


 俺もそっち側が良かった心底思います。


「だ、大丈、夫ですよ。き、きっと私たちのこ、ことだとはわ、分かりませんって」


「そうですよね、ここでわざわざ自生部のことを指摘する意味なんてありませんよね」


 俺もこんな大勢の前で断罪されるのは嫌なので希望的観測でしか持てない。

 前に座っている宗司は息を殺しているつもりか先ほどから死人のように固まっている。

 これは席の選び方としては正解だったかもな俺たちの後ろに誰もいないおかげで周りの注目は浴びないし、二人の緊張がばれなくて済む。

 でも、あれっ? なんでさっきから前にいる人とこんなに目が合うんだろう?

 変だなー、きっと意識しすぎなだけだよね、うん。

 こんな言われるなら、購入した張本人である香澄さんを連れて来るべきだった。


「他の部から文句が出ることも分かっているし、文句を言うことは正当な権利である」


「しかし、私たち生徒会はここでその部を指摘するような事はしない」


 何でだろう、さっきまで悪魔のお告げだと思っていた人の声が天使のささやきに聞こえるよ。


「それは他の部もこれと同じことをしている可能性があるわけで、それは一つの部を咎めたところで他の部も改善されるとは思えないからだ」


 もう、現実なんて直視したくない!


「そのため君たちにはきちんと活動していることを証明してもらいたいのだ、文化体育祭でな」


 きっとこの人は三年生だ、なんか偉そうだし調子乗って倒置法なんて使ってきやがる。


 まず初めにお読みいただきありがとうございます。

 はい、瑞樹一です。


 最近やっと閲覧数も前ぐらいになり、御の字なのですがこれは昨日と今日(寝るまでが日曜日)が元々増えていただけという見方もできるのですが、そんな消極的な考えしててもやってらんねーということで、今後も頑張っていこうと思います。

 というわけでいつもながらあとがきまで読んでくれた優しい読者様ありがとうございます。

 本日はこの辺で失礼させていただきます。


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