ー沢渡宗司の場合その5ー
なんか姉と弟のからっみばっかりですいません……
次の日、放課後になり、自己生活部の部室に向かっている。
昨日は姉ちゃんの連絡があるまで行かなかったのだが、今日は行く場所もやることも分かっていた。
「こんにちわー、って、まだ姉ちゃんだけしかきてねーのかよ」
部室に行くとソファーに寝そべった姉ちゃんしかいなかった。
部室でも家でも格好は同じかよ、お前はどこでもリラックスしすぎなんだよ。
「他のみんなは用意とかあるんじゃない? 私はほら、ここにいることが重要なのよ」
言ってることは一見正論に聞こえるが、この言葉には部下を馬車馬のように使い上司はただそこにいるだけという現在の日本社会の闇が感じられる。
でも、これってオレも姉ちゃんと同じ状態なのではないか?
「そんな不安そうな顔しなくたって大丈夫よ、誰も私たちのことを働かない無能なんて思ってないから」
「いや、オレはまだ姉ちゃんと違って新人扱いのはずだから……無能なんて思われてねーよ、オレはこの後輝くんだよ!」
姉ちゃんと同じとは思われたくない、もしオレが姉ちゃんと一緒の感じだったら軽く死ねる。
「それなら宗司の今後には期待してるよ。その輝きっていうものも是非この部で発生させてね」
輝きなー、つい流れで発してしまったけど、これと言って得意なものも無いし、今まで部活というもの
を経験したことの無いオレにはそんな場面は訪れるのだろうか?
「まあ、宗司にできることについて詰めていてもいいけど、どうせないだろうし、かわいそうだから話を変えて、今日の活動場所まで行こうかね」
なんだろう、すごい馬鹿にされているんだけど、正論過ぎて何も言い返せねー
てか、この調理設備の無い部室で行うわけでは無かったようだ。
「もしかして他の三人ってもうそこに行ってるとかなのか?」
「それは行ってからのお楽しみ―」
姉ちゃんは寝そべっていたソファーから起き上がると含みのありそうな笑みを俺に向けてきた。
これはきっともう三人いるやつだよな。なんだろう、年ちゃんの声音でわかってしまった……
「おー、もしや、これがゾーンってやつなのか―」
「わけわかんないこと言ってないで行くよほら、部室が閉められない」
姉ちゃんは以前の言葉を忘れているのだろうか?
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